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暦(高島暦/選日)をどうとらえるべきか? お釈迦様の教えは? 3-3

暦につきまして、今回は選日(特殊日)と、厄年厄日について、お釈迦様の教えはどうなのか? について、調べてみました。

結婚や引越、葬儀などの行事を行う日を決めるとき、カレンダーに記載されている、大安や仏滅などの六輝(六曜)が目につき、気になるところです。私自身、暦は仏教と何等かの関係があるのか、と思っていましたが、いろいろと調べますと、仏教とは全く関係がないようです。
暦について、お釈迦様の教えは、後半に記載しています。

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『選日(特殊日)』

暦の上では古来から、その日の吉凶を判断するための特殊な性格の日柄が用いられています。これを選日(特殊日)と呼んでいます。例えば、この日はこのような日柄であることから婚礼には吉の日であるとか、この日に移転するのは凶であるとか、およそ人事百般にわたってあらゆる角度から、それぞれの日の吉凶を吟味したものとされています。

一粒万倍日
一粒の種が万倍に増える日とされ、古来から事始に用いられています。
特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされます。
反面増えて多くなる意から、他人から物を借りたり、借金をしたりするのには凶となります。

不成就日
障りがあって、物事が成就せず、悪結果を招く凶日とされています。
特に結婚・開店・柱立て・命名・移転・契約事項には不向きです。
この日に急に物事を思い立ち行うこと、願い事をすることなども避けるべきだといわれています。

八専
八専とは壬子の日から癸亥の日までの12日間のうち、壬子、甲寅、乙卯、丁巳、己未、庚申、辛酉、癸亥の8日のことで、年に6回あります。
この日々は法事・供養などの仏事、破壊的な物事の着手、嫁取りには凶日とされています。

三隣亡(三輪宝)
昔から普請初め・柱立て・棟上などの建築の節目には大凶とされている日です。この日を用いて施工した家屋が、後日災害を起こした場合は、近所となりも滅ぼすとされています。

天一天上(天一神)
天一天上とは人事の吉凶禍福をつかさどる天一神が天上する日です。
天一神は癸巳の日に天上するので、この日から戊申の日までの16日間は、天一神の障りは無いとされていますが、お産、談判、掛け合い事は慎むべきであるとされています。

天赦日
天赦日とは干支相生。相剋の中庸を得る大吉日で、天の恩恵により何の障害も起きない日とされています。特に結婚には最大吉日で、そのほか、開店・事業創立・拡張などに用いて最良の日とされています。

土用
一年の春・夏・秋・冬のそれぞれの間に四季の土用があり、その期間は18~19日間です。
その期間中は土木工事に着手することは大凶とされています。ただし土用中でも間日は障りが無く、春は巳・午・酉の日、夏は卯・辰・申、秋は未・酉・亥、冬は卯・巳・寅の日が間日となります。

十方暮
十方暮とは干支相剋の凶日で、甲申から癸巳の日(相剋しない日も含みます)の間の10日間のことを指します。この日は労を尽くしても功の少ない日とされ、新規事柄の開始や旅立ちなどにも凶の日とされています。

三伏日
種まき、婚礼、その他和合のことには用いないほうがよいとされています。

参考文献/神宮館高島暦


私は、特定の宗派に属さない無宗教者です。日本人は、宗教団体を嫌う人が多い反面、宗教行事が好きなように思います。多宗教というか、無宗教というか、特定の宗教に属することになれていない人種で、正月は神社に初詣に行き、七五三も神社で行い、古代ケルト人が起源といわれるお祭りハロウィンを年々大々的に行うようになりました。また、たくさんの人がクリスマスを祝い、教会で挙式を挙げ、葬式はお寺で行う。。。これが日本人の実態ではないでしょうか。


お釈迦様(仏教)は、厄年厄日などについて、どのような教えなのか?

親鸞聖人

                親鸞聖人


お釈迦様の教えを忠実に継承した親鸞聖人をご専門に研究されている菊谷隆太先生によりますと、
『如来の法の中に、吉日良辰をえらぶことなし』
(お釈迦様の御経のなかに、日の良し悪しを論じることはない)
お釈迦様は、『日々是好日』と教えられています。
日々良い日にしていきましょう。という意味で、いい日になるか、悪い日になるかは、日々の己の善根によって決まるという教えです。
『因果の道理』といって、最初からいい日か、悪い日かが決まっているのではなく、自分の行いによっていい日にも悪い日にもなる、という教えなのです。

菊谷隆太先生『【日々是好日】縁起のいい日や悪い日など、仏教では問題にしない理由』と題する動画で詳しく説明をされていますので、是非ご覧ください。

暦をどうとらえるべきか?3-1 に記載しましたように、キリスト教も予め良い日か悪い日を定める『暦』は使用しませんので、ほぼ同様の見解ではないかと推察します。
ちなみに、『13日の金曜日』は一般的に不吉な日とされています。ウィキペデアでは、イエス・キリストが磔刑につけられたのが13日の金曜日であり、クリスチャンは忌むべき日である、と考えられていますが、諸説あるようです。
しかし、キリスト教の影響が強い国家であっても、イタリアで不吉な日は17日の金曜日であり、スペイン語圏では13日の火曜日が不吉だとされているようです。13日の金曜日を不吉とするのは、英語圏とドイツ、フランスなどに限られるようですが、フランスでは宝くじの売り上げが急上昇する、幸運な日でもある、といわれていて、混乱させられます。
1907年のトーマス・ウィリアム・ローソンの小説「13日の金曜日」は、この迷信を広めるために出版された可能性があるようです。
13日の金曜日は危険なのか? それとも安全なのか? というのは、欧米で交通事故や医療事故などを題材に、調査や研究が行われているようですが、今のところ因果関係はないようです。
いずれにしましても、暦同様に迷信の領域を出ることはなく、根拠のないものとして捉えるべきもののようです。

聖書に次いで驚異的な超ロング・ベストセラーと言われている、ジェームス・アレン(1864~1912)原著の「原因」と「結果」の法則も表現の違いがあるにせよ、仏教と同じような考えではないでしょうか。

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大安でも事故に会う人もいるでしょうし、仏滅でも良い人と巡り合う人もいるでしょう。

三回に渡って、暦について詳しくみてきましたが、暦自体、今となっては日本独自のもので、予め運命を定められる『暦』よりも、お互いの行いの方がとても大切であり、ご自身が本当にしたい日に行事を行うことが良いと思われますが、皆様はどのように考えられるでしょうか。

未来を予測するということは、占いの領域と言えるでしょう。「占い」「宗教」「人の心理」について、私自身改めて勉強したいと思います。

株式会社マグリット
専務取締役 羽原正人
THE MAGRITTE @partylabo.

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