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対立する意見を「あれこれ考え合わせる」ことによって真理がもたらされる

「久保さんってコミュニケーション能力高いですね」

なんて言われてびっくりした今日の午後。私がいろんな人と話をしている様子を観察して、そうおっしゃってくださいました。素直な気持ちとしてとてもうれしいですし、「そうなりたい」と思ってもいましたので、少しばかりの成長を感じることにもなりました。

ほんの数年前までは「コミュニケーション」の「コ」の字も知らなかったのは何を隠そうこの私。仕事や、あろうことかプライベーにおいても「正しさ」を競って自分の正しさを主張することになんの疑いも持ちませんでした。気づいたら周りから人が消えてしまいました。ときすでに遅し。多くの人から反感を買うことになりました。

それからというもの、仕事がまったく機能せず売上や成果が出せなくなったのです。社会的動物である人間にとって、協力者の存在は豊かで幸せな人生を送る上で必要不可欠。一生懸命勉強したり、いろんな人の話を聞きにいったりして「自分の正しさ」の上塗りを続けることで鎧を身にまとって、「理解できない周りが悪い(ばかだ)」という傲慢さを変えようともしなかったので、結果は推して知るべしでした。

メンタリストDaiGoさんのYouTubeをはじめ、科学的な信憑性が高い理論を語る人は少なくなりませんが、そこで出会った心理学やコミュニケーション能力、時間管理や文章力、人脈術など、サッカー以外、営業以外の知識を貪るようにインプットしたのはコロナが世を覆うようになったあたりから。2年くらいでしょうか。

「久保さんってコミュニケーション能力高いですね」

そんな言葉を耳にするまであっという間でしたが、無意識レベルで思考が書き換わり、周囲への自分の印象が少しずつ変わってきた証左として今日の言葉がありました。かつての自分を知る人からするとにわかには信じ難い出来事だと思いますが、これが現実。この年になっても人は変われるんだってあらためて感じた次第です。

そもそも意見が同じ、ということは世の中において希少。よい解決法を一方的にプッシュするのではなく、結論の正しさを競うのでもなく、意見の違い、対立して衝突し合う二つの意見を「あれこれ考え合わせる」ことによって真理がもたらされるんだと思います。

疑問や反論は封じ込めるべき対象。相手の受け入れやすさを考えつつ、足並みを揃えながら進む。相手に会話のボールを渡して、双方向のやりとりをする意思を示し、一緒に考えるモードになること。相手をいきなり説得しようとせずに、深く理解することに集中します。

ソクラテスが提唱した「無知の知
自分自身が「知らない」ことを自覚しているのが真の賢者だということです。「自分の知らない何か他にあるのではないか」と常に考えて、いまだ見えていないことを真摯に問いかける姿勢があってこそ、相手に対する理解を深めることになると思います。

自分の弱さをさらけ出し、恐れずに素直に相手と向き合えることで、自分自身も気持ちよく仕事ができるようになります。心の性質として、自分と異なる意見を無意識のうちに退けやすい傾向がありますが、これが「正解」これこそが「完璧」というものはおそらく存在しません。未完成でも、周りと一緒に「よりよい」結果を求めて、これからも共に創るディスカッションを続けていきたいと思いました。

久保大輔




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