見出し画像

来年の手帳探すのがめんどくさいので自分で作ってみた!

はじめに

この記事は2023年の手帳を探すのがめんどくさくなって自分で作ってみたという内容のレポート記事です。自分も作ってみようかな?という方がもしもいた時に参考になったら嬉しいです。
もくじから各見出しに飛べます。

こだわり

私にはこの時期になると頭を悩ませる問題があります。
それが

マジで毎年悩んでる!
というのも私、手帳にこだわりがありまして、

①B6からA6くらいの小さめのサイズ感で
②月のスケジュールページ→メモページの繰り返しの形式で
③後ろにフリーメモページが付いている

という3点が私の手帳探しにおいて妥協できないポイントなのです。

そしてこれをクリアする手帳がかなり少ないんです!

使ってきた手帳の変遷

一昨年までの数年間使っていたチャイハネの手帳がとてもお気に入りでした。

(これA5ですね)

スケジュール→メモの繰り返し形式で、フリーメモページもあり、そこまで厚くなくて、さらに不調の時に押すツボの情報や頑張れば週末に行けるかもしれない範囲のアジア世界遺産マップまで載っていて、年ごとにそれらの内容が違って至れり尽くせりで楽しかった!

しかし、近くのチャイハネが閉店してオンラインで注文するとなると送料がかかってしまい、「もっといい手帳買えるじゃん……」ということになったので、2021年の手帳は東急ハンズで何十冊も見漁ってこちらのアデリアレトロに。

(2023年分のリンクを貼ってます)

この手帳は同じシリーズの2022年分もメーカーから取り寄せるくらい気に入って使っていました。
が、これ、2022年にどこの文房具店・雑貨店でも見かけるくらい流行ってしまったんですよね……。
天邪鬼なので流行りのものが嫌いなんです。
生きにくいね☆

「もう自分で作った方がよいのでは?」とうっすらと感じ始めていました。

でも手帳を作るなんて考えただけでもめんどくさいよねー。
めんどくさがりなので妥協して適当に手帳買ってもいいかなぁと思っていました。

きっかけ

そんなこんなで2022年9月末。
『来年の手帳どうしよう問題』を抱えた私の目にこんな記事が飛び込んできました。

『つくってみたやってみた』の共同運営マガジンもある!
これは図画工作大好き人間としてはぜひ参加したい!

「よーし!この企画に応募して、もし採用されたら頑張って手帳を作ろう!」と思い切って応募してみたらなんと採用していただいたので

手帳、作ってみました。

制作の流れ

まずは制作の流れと使用した材料・道具をご紹介します。

手帳の内容を考えよう

次は欲しい内容を書き出してみました。

とりあえず思いつく案をどんどん出す

妥協をしたくないとはいえ分厚い手帳を持ち歩くのも嫌なので内容を厳選しましょう。

選りすぐった内容がこちら。

メモページで代用可能なもの、やろうと思えば後からでも追加できそうなものを極力省きました。

これで本文データを作っていきます。

ページ構成を考える

今回は両面印刷を使った中綴じの手帳にするのでデータを作る前にしっかりとページの構成を考える必要があります。
それぞれページを割り振り、簡単な見本を作ってみました。

見本を作るとデータ作りが楽です。

データ作り

手帳作りには正確な両面印刷が必須となるので、家庭用プリンターの両面印刷に対するポテンシャルをチェックしてみます。本体に使う紙も最近リサイクルショップで買ったばかりでどんな風に印刷できるか分からないので、ついでにチェックしてみました。

ぴったりと中心は揃うのでしょうか?

日に透かしてます

ぴったり揃ったぁ!!家庭用プリンターのポテンシャルすごい!!
これで安心してデータを作ることができます。

両面印刷の関係と中綴じの構成の関係で色々とややこしいので、まずはページ数と向きを割り振ります。

フォントについて

そういえばフォントについて考えていなかったなぁと気づき、フォントを探すことに。
一年間飽きずに使えて可読性が高い字がいいなーと考えながらと採用したのがこちら!!

唐突に出てくる好きな歌詞

おいおい可読性は!?飽きが来そうじゃない!?とつっこみたくなりますが、
自分が良ければこれでよいのだ。自分による自分のための手帳なんだから。

各ページの内容を編集する

改めてデータ作りです。

レギュラーページとイレギュラーページに分けてデータを作っていきます。

内容も細かく決めてみた

配色について

『表扉』と書いてあるが正しくは『本扉』

本文に使用する色は主に茶色とグレーで揃えることにしました。今回使う紙がクリーム色なので映えるはず。
ちなみに赤い部分は重要なものは配置しない「余白にしたい部分」です。

制作したデータを向きに注意しながらコピーペーストしていきます。

日付部分をコピーし忘れる痛恨のミスをしている。
データが重いのか「アートボード」の表示がバグっている。

心に元気がないときの対処法ページについて

なんだかものすごく気分が落ち込んでしまって、気分の底に頭を擦りつけているような状態になることはないでしょうか?
私は3ヶ月に1回くらいそうなります。

そんなときって大体何をやっても無駄なんですが、多少の気休めにでもなればよいなと、効きそうな対処法をチェックリスト形式でまとめてみました。

フォントもやさしいかんじにした

でも内容を書きながら「いやいや、ちょっと待てよ」と思いました。
具体的なようでいて、ネットで「元気を出す 方法」と検索しても同じような項目がヒットしそうなほどに、内容がふわっとしています。

こうじゃないのです。これは自分による自分のための手帳。
気が滅入っているときにはもっと的確な指示がほしい!
自分が元気になれそうな項目をさらに具体的に書いてみました。

すぐに実践できそうな順番に並べ替えました

これだこれ!こういうのが欲しかったんです!
ネットではヒットしないであろう具体的指示が並んで満足しました。

表紙の裏に貼る紙について

表紙の裏に貼る紙は心の友と書いて心友だと一方的に思っている猫、ギズちゃんのお顔をあしらった模様にしてみました。LOVE……。

顔だけ切り抜く
茶色に色調を変え配置、あえて柄が切れるようにした

印刷

データも作り終え次は印刷です。
が、ここで重大な事実が発覚。

ソフトの仕様なのか、アートボードが3枚以上ある状態だと両面印刷ができないらしい。

仕方ないので、また新たにアートボードを作って2枚分ずつコピペして印刷しました。とても時間がかかりました。

印刷したもの
一部だけメモページの線の濃さを間違えた。

製本

カット

次は輪郭の線に合わせてカットしていく。

大量の紙切れ

折って穴を開けて縫う

カットした紙を真ん中で折り、順番通りに並んでいるか確かめてから中央に穴を開けます。

定規とヘラで曲げた
失敗したメモページを使って穴を開ける位置を決めた。
穴開けにはデザインカッターのニードルを使った。

綴じる糸には麻糸を使用します。
参考に見ていた製本に関する本に「糸は蝋引き(糸を蝋でコーティングすること)した方が耐久性や耐水性が上がって良い」と書かれていたので蜜蝋のろうそくで蝋引きしました。

ちなみにろうそくも自作です。

形が禍々しいので特級呪物と呼んでいる手製の蝋燭

蝋引きした糸で紙を綴じていきます。

力がいる作業だったのでゴム手袋をして綴じた
なかなかの出来

なんだかサマになってきましたね!!

表紙作り

ワックスペーパーを作る

お次は表紙作りです。今回は表紙にワックスペーパーを用います。

表紙を必ずワックスペーパーにしなければいけないということもないのですが、汚れと汗と血と涙に耐えうる手帳にしたかったので、ワックスペーパーで作ることにしました。

以前もらったかわいい包装紙をワックスペーパーにします。

かわいいのでしばらく壁に貼っていた

ここでも蜜蝋が登場します。
ワックスペーパー作りはこれが初めてです。

と、ここで大変な失敗をしてしまいました。

気づいた瞬間の写真

新聞紙と包装紙の間にもう1枚クッキングシートを挟むべきでしたが、不手際で挟んでおらず、包装紙は新聞紙と一体化してしまいました。
ドライヤーで温めながら少し剥がしてみましたが、くっついている部分が多くて、端から破れてしまいます。
さようなら、かわいい包装紙……。

ついでに、あとで気づきましたが、この時に敷いた新聞紙が薄く、アイロン台までダメにしてしまいました☆

仕方がないので表紙には別の紙を使用します。

100円ショップで買ったヴィンテージペーパー風の紙に自分で作った鳥の羽根のはんこを押します。

いまいち発色が良くないので不安になる

こちらをワックスペーパーにすると、

なかなか良い仕上がりである!!スタンプインクの発色も良くなった。あと、カヌレの匂いがする(カヌレにも蜜蝋が使われているらしい)。

散らした蜜蝋の量が多かったので、クッキングシートとヴィンテージペーパーの間にコピー用紙を挟んで余分な蜜蝋を吸い取らせました。またくっつかないかビビりながら。

板目紙をカットする

ハードカバーにしたいので板目紙を表紙に使います。
紙にたわむ方向とたわまない方向があるので、確認してからカットしました。

←→この向きでよくたわむようにした

板目紙の端は手触りがよくなるようヤスリで角を落としました。

ワックスペーパーにガイド線を引き、ボンドを板目紙に塗り、ワックスペーパーへくっつけます。
ボンドは筆で均等に塗り広げました。

ヘラを使ってしっかり細かいところまでくっつけます。

おやおや

おっと?四隅どうした?

先にワックスペーパーをカットしていましたがこれが失敗でした。

厚みを考慮していなかったので角のところから板目紙が見えてしまい、とても格好悪いことになってしまいました。

ワックスペーパーの切れ端を細く切って隙間を埋めた。
多少は目立たなくなりました

これにギズちゃんの紙を貼ったら

かわいいの暴力

表紙が完成しました!

表紙と本文をくっつける

ここまできましたが、表紙と本文をくっつける方法を全く考えていませんでした。

さて、どうするか……

行き当たりばったりの自分に嫌気が差してきましたが、もう少しで完成なので「よちよち、もう少しだよー」と言い聞かせながら頑張ってみることにしました。

本文に使ったクリーム色の紙を2センチ幅で切り、本文と表紙を貼り付ける手段を選びました。

これで
こうだ!!

きれいに張り付くことを願って重しを載せます。

海で拾った流木と分厚い本を重しに使った

そして翌日……。

完成だぁあぁあぁ!!!!!

真ん中で中綴じしたので、出っ張ってしまったページ端をカットしたらとうとう完成!完成品の写真がこちら。

パッと見た感じは大人っぽくていい感じ!

項目の紹介

触れてこなかった項目について紹介します。

石は文鎮代わりです

手帳を開いたら真っ先に飛び込んでくるのはギズちゃんのお顔。そして本扉には2023の文字と手製のスタンプをあしらいました。

推しの詳細はちょっと恥ずかしいので伏せます

今年の抱負ページは最初にあったほうが目に入る頻度が高くなるかと考えて、最初に持ってきました。

隣のページには推しの誕生日や記念日が書いてあります。
ちなみに家族や友達の誕生日はあえて手で書き加える予定です。
ただ、なんとなくそうしたかったからです。

紙がよれているのはまだボンドの水分が飛んでいないため

月ごとのスケジュールページはピグモのおかげでかわいく仕上がりました。

今月の〇〇コーナー
メモページの方眼の濃さもちょうどいい

月ごとのスケジュールとメモページの後には5ページ分のフリーメモページを設けました。

うさんくさいことばコレクション2023

おそらくここまで読んでくださった方全員が序盤から「何それ?」と感じていたであろう、『うさんくさいことばコレクション2023』のページです。

私は胡散臭い言葉を目につくたび収集して「ああ、胡散臭いな」と感慨に耽っています。
それを形にしたくてこのページを作ってみました。

ためしにひとつ胡散臭い言葉を書いてみます。

「アットホームな職場」は胡散臭い言葉ランキングでも上位にくるはず

わーー!すごくうさんくさーーい!!!

ちなみにこのページのデザインは
・「言葉」からの連想で「吹き出し」
・「胡散臭い」→「臭い」の連想で「糞」
を分かるか分からないかのところでマイルドに掛け合わせたこだわり仕様にしました。

2023年もこういうしょうもないことにこだわる人間でいたいですね。

連絡先ページ

その次のページは『心に元気がないときの対処法』と連絡先を記したページです。

連絡先にはスマホが突然壊れてスマホの連絡先が見れなくなったときに備え、必要最低限の連絡先が記載されています。

持ち主情報

さらにその次、手帳最後のページには『持ち主情報』と『事故で突然死んだら』ページ。

『持ち主情報』には氏名の他に生年月日や血液型、緊急連絡先が記載されています。

『事故等で突然死んだら』には私が突然死んだ時のSNSの取り扱いや使っているサービスの退会方法について書いてあります。

手帳を携帯時、事故に遭って口もきけない状態になった場合に少しは役に立つかなと入れてみました。
まだエンディングノートを書くような年でもないですが、ひとりで出かけることも好きだし、車も運転するし、体が丈夫でもなさそうなので、万一の備えはあったほうがいいはず。人っていつ死ぬか分からないんですよね。そんなときに備えています。

ただ、絶対に手帳を落とさないように気をつけなければいけませんね。

満足な点

自分の好きなもの、欲しい項目をたくさん盛り込むことができた点は大満足です。
和綴じの製本はやったことがありましたが、こういうタイプの製本は初めてだったのでチャレンジできてよかったです。
ワックスペーパー作りにもチャレンジできました。

そして何より、手帳を完成させることができました!
めんどくさがりで飽きっぽい性格なので、作品を完成させたことがとても嬉しいです。

イマイチな点

反省もたくさんあります。特に表紙制作の際にミスが多かったです。
かわいい包装紙はもう戻ってこないですし、アイロン台もダメにして、表紙に空気も入ってしまいました。ワックスペーパーに引いたガイド線もうっすら見えていてかなりかっこわるいです。

表紙を貼る時に空気が入ってしまった

真ん中一箇所で綴じたのもよくなかったです。

細かく分けて綴じればよかった

制作に失敗はつきものなので、次回があるならこの失敗を生かしたいですね。

再来年分も作りますか?

手帳を自分で作ってみて手帳を探し回る面倒さと、手帳を自作する面倒さを比較できるようになったわけですが、どちらがめんどくさいかと聞かれると今のところ互角です。

でも少なくとも人に手帳作りをおすすめはしません。
おそらく買った方がマシです。
それでも作るという方は頑張って作ってください。
もし、この記事を読んで作ったという強者がいたらぜひコメントで教えてください。もちろんその他どんな感想でもお気軽にどうぞ!

最後に

今回noteクリエイターフェスの企画の一環でこちらの記事を書くことにしました。

工作は大好きですが、手帳なんてこういう機会でもないと作るのがめんどくさい気持ちに傾いて一生作らないと思うので、よい機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。

そしてこんな長い記事を読んでくださったあなた!本当にありがとうございました!#つくってみたやってみたカテゴリーは面白い記事が多いのでぜひチェックしてみてください。

▼工作記事は他にもこんなものを書いています。

※画像にフリーWEB素材 Re:vre 様の画像をお借りいたしました。

この記事が参加している募集

つくってみた

読んでくださっただけで嬉しいのに……!?まさかサポートまで……!?