売ることに罪悪感を抱く理由
FROM ボブ・バーグ
最近ある見出しをよく見るのだが…あなたも見かけたことがあるかもしれない。例えば「売り込みしないセールスの極意!」だとか、「もうセールスなんて必要ない!」といったものだ。
これを文字どおり解釈すれば、従来の「セールス」という行為から離れて売上を上げようとしているように感じられる。
この考え方が広まった理由…
実は、こういった表現や考え方が広まった背景にはある誤った認識が関係している。それは、「セールスはネガティブなものだ」という前提があることだ。そもそも、セールスがネガティブなものでないなら、それを否定する必要はないはずだろう。
しかし、セールスが嫌なものだという前提があるからこそ、その行為と自分自身を切り離してとらえようとしてしまうのだ。
ただ、現実として、セールスパーソンはセールスに携わる人間である。セールスパーソンでありながらセールスを否定するということは、結果として機会損失や金銭的損失につながりかねない。
実際に、セールスを通してだれかの力になれるかもしれなかったのに、その手段を否定してしまったがために、そのだれかの力になることができなかったというようなことが起こりうるのだ。
あなたの考えるセールスの定義は?
さて、セールスについての間違った考え方の1つに、「セールスとは相手を説得すること」というものがある。
私と、私と一緒に本を書いたジョン・デイビッド・マンはこれについて、本の中でこう書いている。それは、「セールスとは相手が何を欲しがっているかを共に理解する手助けをし、それを手に入れられるように力になること」ということだ。
また、セールスとは相手から搾取することではなく、自分たちの製品やサービスを通じて相手の理想や利益を実現することでもある。
そして、セールスという言葉の語源が「与える」という意味であることのとおり、セールスの本質とはtakeではなくgiveであるということも押さえておかなければいけない。受け取るのではなく、与えるのだ。
相手に与えるべきものは何か?
では何を与えるのか?それはずばり、時間、心遣い、助言、必要な知識、共感といった価値だ。そう、私たちが与えるべきは「価値」にほかならないのである。
これはすばらしい行為であり、セールスパーソンは自分の職業を誇りに思うべきなのだ。
逆に、「売り込みしないセールスの極意」なんて言ってしまえば、相手に聞こえのいいことばかり言って、ものを買わせることをセールスとして捉えてしまっているのと同じである。
そういう捉え方だと、いい人ほどセールスを続けていくうちに心苦しさを覚えてしまうだろう。もちろん、そのような状態では、セールスを通じて素晴らしい成果を上げることなどできるはずがないのだ。
セールスという仕事に誇りを持とう
したがって私は、多くの人にセールスというものの定義を再確認することを勧めている。セールスとは、相手に何らかの価値を与えるための行為であり、相手から奪うことではない。
そしてセールスにおいては、サービスや製品が自動的に売れるということはない。あくまで、セールスパーソンに「売られる」ものでなければいけないのだ。
ゆえに、セールスパーソンは必要な人材なのである。あなたにも、ぜひその仕事に誇りを持ってほしい。
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