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日米で違うビジネスマンの差

FROM 安永周平

以前、お世話になっている社長から「人間関係の秘伝の書」として1冊の本を貸してもらったことがあります。端の方が日焼けして紙の色が変わっており…まさに秘伝の書オーラが満載の1冊です。初版は1982年、僕が生まれた年なんで、なんと38年前の書籍です。しかし、今の時代にこそ必要だと思われる内容がたくさん書いてありとても勉強になります。たとえば…

アメリカ巨大企業の社長昇格テスト


1つ面白い話がありまして米国の巨大企業と言われるような会社では、社長になるためにテストがあるそうです。たとえば、GM(ゼネラル・モーターズ社)とかGE(ゼネラル・エレクトリック社)など…誰もが知っているような会社です。世界経済を動かすような会社の頂点に立つ人だから、さぞかし難解な経営戦略の内容じゃないかと思いませんか?

ところが、実際は、たとえば「シェークスピア」の本を1冊渡されるだけなんだそうです。『ハムレット』『リア王』『マクベス』『真夏の夜の夢』といった作品群の中から、社長候補に1冊が渡されます。それを読んでレポートを書くんです。経済学も政治学も未来論も出ません。16世紀に書かれた古典を1冊読んでレポートを提出するだけです。やろうと思えば誰にでもできる内容ですよね。

このテストの狙いはいったい何か?


では、このテストの狙いはどこにあるのでしょうか? 勘のいいあなたはお気付きかもしれませんが、それは人間関係なんです。「この本の中に登場する人物たちの心も理解できないようでは、数十人、数百人、数千人、数万人の社員の心を理解することはできないだろう…果たして君にできるだろうか?」というのを試すそうです。

規模に関係なく、会社経営の根幹は「人間理解」にあるということを欧米の企業は忠実に守り抜いています。先の秘伝の書『気くばりのすすめ』で著者の鈴木健二さんがそのように言っています。そして、日本の企業では、どうもこの点が心許ない気がする…とも言っています。どうも自分の利益になることばかりに目がいっていしまっているように思えてならないのだと。

ビジネスマンの特徴、日米の違い…


というのも、先の鈴木さんは、様々な分野のビジネスマンから相談を受けることがあったそうで、面白いことに、その質問が日米間で傾向が分かれるそうです。たとえば、日本のビジネスマンは…

「鈴木さん、いったいどんなしゃべり方をすれば、お客は私の会社の商品を買う気になるんでしょう。1つコツを教えていただけませんか?」

といった質問をするそうです。つまり、商品を売る、金を儲けることに常に照準が合わされているんですね。これに対して米国や西欧のビジネスマンはというと…

「ミスター鈴木、何と言ったら日本人は私と握手してくれますか? それを教えてください。」

と聞くのだそうです。商売よりも、まず相手と心を通わせることを優先しているのがわかりますね。誤解しないでいただきたいのですが、日本人がダメ…と言っているわけではありません。しかし、この話に関しては米国や西欧のビジネスマンの方が賢明ではないでしょうか?

人間関係が全ての前提となる


最終的には商品を売るという同じ目的があるにしても、本当の商売とは人間と人間の結びつきを前提にしなければならないからです。そして、これは営業だけの話ではありません。社内のコミュニケーションでも同じことが言えるでしょう。あなたが管理職や経営幹部の立場にいるなら、これは本当に大切なことだと思います。

部下に、あるいは同僚に仕事を頼む時、人間と人間の結びつき…つまりは信頼関係がなければ、気持ちよく仕事をしてもらえることはありません。どんなに正論だろうと、嫌いな人間の言うことは聞きたくないものです。「給料もらってんだからやれよ」「仕事ナメてんのか」と言ってやらせることもできるでしょうけど、それは健全な関係だとは思えません。

人間の心を無視するとどうなるか?


会社経営はもちろん、マネジメントも人の心を無視してできるわけがありません。僕らが相手にしているのはロボットではなく人間です。血の通った人間であり、誰もが自分を大切に扱ってほしいと思っているわけです。これが分からない人は、どんなに仕事が速くても、どんなに専門技術が高くても…信頼関係に基づいた仕事をすることができないでしょう。

ちょっと周りを見渡してみてください。あなたが知っている経営者の中で、最も大きな成功を収めているのはどんな人でしょうか?その人が成功している要因は、優れた頭脳や専門技術でしょうか?少し考えてみれば、事業で大成功を収め、家庭でも幸せな人生を送っている人に共通するのは「人間関係の技術」に長けていることだとわかるでしょう。

冒頭の「人間関係の秘伝の書」を読むと、社長として反省することはとても多いです。特に社員を怒鳴りつけたり、調子に乗らないようにダメ出しを繰り返したりしているなら…それは大きな間違いです。もしあなたが「うちの社員は使えない」「仕事を任せられる人間がいない」なんて悩みを持っているのなら、手遅れにならないうちに、1度これを読んでみてください。きっと会社が変わります。

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