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大企業のトップマネジメントから起業家に転じた男との対話

「僕たちの世代は何も社会に貢献してこなかった。本当は僕たちの世代で社会の仕組みをアップデートしておかなくちゃいけなかったのに、それをできないまま平成が終わってしまった。だから今からでも、その構造を変えていく努力を必死でやらなくちゃいけないんですよ」

そう熱く語るのは僕の友人の留目さん。
彼はシェア日本一のパソコンメーカー、レノボ・ジャパンの社長や資生堂の上級副社長などを歴任しながら、今年7月に独立しSUNDREDという会社を立ち上げた人物で、僕とは同い年の47歳だ。

「僕たちが社会人になった頃は、先輩たちのいうことは絶対聞かなきゃいけないような風潮だったし、会社の中でうまくやっていくためにはしょうがなかったってとこもあると思うけど、変えるべきだった仕組みが変えれてないってのは厳然たる事実なんですよ。
言い訳はたくさんできるかもしれないけど、平成の時代のビジネスマンの主力にいて他の主要国並みの経済成長を実現できなかった、新しい時代に適した社会構造に変えることができなかった、というのは事実としてある。」

彼は続けてこういう。
「僕ら、尾崎豊世代じゃないですか。彼は若くして亡くなってしまったけど、彼のような「世の中に抗い続ける姿勢」を社会人になった途端に忘れてしまった。校舎の窓ガラス割ったりするのは良くないけど、大人の言うことを鵜呑みにして従ってきたのもよくなかったと思うんです。」

確かに!
こう言うことをなんの実績もない人が言っちゃうと負け犬の遠吠えっぽく聞こえるものだけど華々しいキャリアを築いてきた留目さんが言うと説得力が違う。
僕ら、今40代くらいのバブル崩壊後の就職氷河期組は、他の世代に比べて「割りを食っている」感覚が強い。それを愚痴るのではなく「もっと自分にやれることがあったはず」と言える感覚。そりゃ出世するわ。飲んでても普通に尊敬したくなる。

「いや〜、盗んだバイクで走り出すのもよくないですけどね。」
と、同世代に通じるネタで笑い合う。

ここで
SUNDRED(留目さんが2019年7月に設立した新会社)でのお仕事、楽しそうですね」と振ってみる。

「本当に楽しいです。多くの企業では社長といってもオーナーではないから自分の好きなようにやるのは難しいし、自分の好きなことだけやれるわけでもない。意味をそんなに感じられないことにも結構な時間を使わなくちゃいけないしね。でも今は違います。本当に価値があると自分が感じることだけに集中できる。いわば『角勝化』ですよ(笑)」

僕が公務員を辞めて起業した理由もまさに留目さんと同じ。自分が社会に提供できる価値を最大化したいと願ったから。
そして今は仲間たちのおかげもあって自分が本当にやりたいことだけにフォーカスして自分の時間を使えている。
そんな僕のキャリアチェンジにご自身の今の状況を重ねて見てくれているようだ。

「尾崎豊は亡くなっちゃいましたけど、生きてたら反抗し続けたと思います?」
そう聞くと彼はこう答えた。

「わかんないですけど、生きてるからこそ反抗する自由があるわけです。自分の人生の意義を高めるためにこれまでの規範に従わずに行動することで新しい規範をつくることはできるんじゃないかなと思います。そういうことに自分の人生を使いたいですよね。」

普通ならもう「人生の上がり」のようなポジションを掴んでいながら、今までの評価と成功をかなぐり捨てて、新たなチャレンジに踏み出した彼はすごく輝いてみえた。

この日の飲みでの気づきをまとめると
・世界の変化から日本が取り残されているように感じる状況になっていることを誰かにせいにするのは良くない。そして今からでもそんな状況を変えたいと動くべき。

・社長と言えどサラリーマン社長では変えられないことも多いが自分がオーナーとなれば成果も出やすいし充実感も大きい。

・校舎の窓ガラス割ったり、盗んだバイクで走り出したりするのは良くない。

人生というものは、基本思い通りにはならない。
そして気がついたら「こんなはずじゃなかった」となっていることの方が多いもの。
でもそれを「誰か」や「時代」のせいにせず、なぜそうなったのかを考え、リカバリーするべく最善の戦略を立て、その戦略に基づく人生のプランを(かなりリスクもあるのに)実行する…過去や今に向き合いながら、常にUnlearnとRelearnをし続けていなければできないことなんだろうなと感じたし、自分も常にそういう感覚で生きていきたいと思いました。
学び深い語らいの時間に感謝!!

ちなみに、留目さんの新会社 SUNDRED については僕の会社 フィラメントでも取材して記事にしています。
ご興味持っていただいた方、ぜひお読みください。

※本記事のカバー写真は2019年2月に新潟県燕市主催で開催した「TSUBAME HACK」に際して撮影したものです。

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