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音楽の楽しみ方とテクノロジー / 連載 : タイライム

私自身の音楽の楽しみ方を、約 30 年近く振り返ってみるとテクノロジーのおかげでめちゃくちゃ便利になった。

1 . 音楽がどこでも聞けるようになった:
2 . 音質が良くなった
3 . 音楽を簡単に入手できるようになった:
4 . 音楽のコスパが圧倒的に良くなった:

これまでに何度も書いているのだが、とにかくロックを中学の頃からずっと聞いてきている。1985 年はまだ音楽を聞くメディアはレコードかカセットテープだった。エイベックスの創業者 松浦勝人さんがアルバイトをしていたことで有名な「 友 & 愛 」というレンタルレコードで 3 〜 4 枚レコードをレンタルして、家でカセットテープにダビング( 録音 )して、通学時にウォークマンで聞く。これが中学 2 年生くらいまでの音楽の楽しみ方だった。レコードをレンタルして持ち歩くのが大変だったことを覚えている。

1982 〜 3 年から普及し始めてはいたが、家にCDプレイヤーがきたのが 1988 年頃の中学 3 年生くらいの頃だったと思う。レコードの大きさに困っていたので、圧倒的に小さくなったことに感動を覚えた。持ち運びが楽になったことと同じくらい感動したのは、カセットテープにダビングした音質が圧倒的によかったこと。ダビングの機材の問題はあったのかもしれないが、音質の良さが音楽体験を圧倒的に向上させた。

高校生になるとCDが少しづつ買えるようになって、音楽の聞き方がウォークマンからポータブルCDプレイヤーに少しずつ移行していった。CDを持ち歩くのが少し面倒だったんで、CDホルダーに何枚もCD入れて持ち歩いていた。CDから直接音楽を聴けるようになり、音質劣化の問題が完全になくなった。

高校 3 年生から大学生になり、音楽を聴くメディアがCDからMDに変わった。音楽を持ち歩くことが圧倒的に楽になり、CDからMDにダビングすることが楽になり、自分が好きなプレイリストを作ってよく聞いていた。そのMDを友達にプレゼントして「 この曲いいから聞きなよ! 」なんてこともできるようになった。

社会人になる頃には、携帯の普及に伴い世間的には 着うた・着メロで音楽を楽しむ人が多くなってはいたが、洋楽のラインナップがあまりなかったということもあり、個人的にCDからMDにダビングして聞き続けていた。
ロッキングオンのディスクレビューを読み、HMV / タワレコ / Virgin Mega Store に足繁く通う日々が続いていた。

そして、その習慣を圧倒的に変えたのが、2001 年に発表されたiPodとiTuneだ。大量にあったCDをぜーんぶデータ化して、5 Gいっぱい音楽データを入れて常に持ち歩いた。5 Gでは容量が足りず、ロックミュージックとポップミュージックに分けて 2 台持ちをしたりもした。
その頃 同僚と「 iPodに電話機能がついたら世の中変わるな〜 」なんて話をしていたら、その願望は現実になり、iPodがiPhoneのiTuneに変わり、容量がどんどん増えて、聴く音楽もどんどん増えていった。
気づけば僕はPCも電話もアップル製品に囲まれてしまった。

しかし、CDを買い続ける習慣はなぜかずっと続いていた。iiTuneミュージックで音楽ダウンロードができてもだ。

その習慣を画期的に変えたのがApple Musicをはじめとする定額音楽配信サービス = サブスクサービスだって。
僕はデータ通信量を減らすためにiPhone 本体にダウンロードしてローカルで音楽を聴くようにしている。iPhone 256 Gの容量中 240 Gが音楽データだ。
そんな僕にとって、サブスクの革命的だった点はロングテールの音楽をいつでも聞けることだ( ロングテール理論はアマゾンのビジネスモデルを語る時によく出て来る )。つまり、たまにしか聞かないバンドや 1 曲だけ好きなバンドの曲をすぐに聞けることだ。もう 1 つは、運転中もiPhoneを繋げばいつでも自分の音楽をどこでも聞けるようになった。

こんな自分の短い歴史からも改めて冒頭で書いた音楽の楽しみ方の変化が何によってもたらされていたかが分かる。

1 . 音楽がどこでも聞けるようになった:レコードプレイヤー → ウォークマン → iPod
2 . 音質が良くなった: アナログ → デジタル
3 . 音楽を簡単に入手できるようになった:レンタル → HMV等の量販店 →  iTune
4 . 1 曲あたりのコスパが圧倒的に良くなった:CDの購入 → サブスク

この 4 つの観点から更にどのように進化するか?を考えるととても面白い。

1 は、音楽を聴く機器自体がもっと小さくなるだろうし、もしくは耳の中もしくは脳内に直接届けられるようになるかもしれない。
2 は、アナログレコードで届けられないような音域も聞けるようになるだろう。
3 や 4 は、ブロックチェーンの技術を使えば定額という概念も代わり、音楽の権利を使った新しいビジネスモデルが出て来ることでコスパがもっと良くなり、音楽の作り手ももっと出て来る可能性も秘めている。

テクノロジーの進化でビジネスが変化していくことは必須である。
ユーザー視点からいかに変化できるか?が常に重要になっていくことは音楽業界でも同じなのかもしれない。

平良真人( @TylerMasato


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