見出し画像

【就活】#4 「70:20:10 の法則」って本当?

↓↓↓ 前回note ↓↓↓

就活シリーズ4回目の今回は、『課題』からスタートです!

【考えてみよう】
「人は何を通じて学び・成長するか」について、要素を書き出し、それぞれどれぐらいの割合か考えてください。


みなさん「70:20:10の法則」ってご存じですか?

この法則は「人は何を通じて学び・成長するか」についての要素を三つに分け、それらの比率を表したものです。これはマイケル M. ロンバルドとロバート W. アイチンガーの著書である『The Career Architect Development Planner』に論述された法則で、200人近くのエグゼクティブへのインタビューに基づいて執筆されました。

この法則によると、人は以下の割合により成長するといいます。

702010の法則 パート1

もう少し詳しく説明していきます。

①70%は「経験」からです。実際に業務を行い、成功・失敗の経験を通じた気づき・学びによって「成長」します。のちほど説明しますが、単に「経験」を積めば良いという訳ではなく、「一皮むける新しいチャレンジ」「やり抜く経験」を積極的に積んでいくと、「成長カーブ」は加速していきます。別の言い方をすると、「行動した者勝ち」であり、行動に移さないと成長できないと言えます。「仕事」は利益や成果をあげるためにおこなうものと思いがちですが、人の「成長」にも大きく寄与するものであることを認識する必要があります。

②20%は「他者」からです。他者からのアドバイス、フィードバック、サポート等を通じた人からの気づきや学びにより「成長」します。

③10%は「研修」からです。研修、セミナー、読書等からの学びにより「成長」します。

「経験」が70%と一番高いですが、「経験」さえ積めば「成長」できるというものではありません。「成長カーブ」を加速するためには、「経験」をメインにしつつも、自分では気づかない視点を得たり、知識・スキルを体系的に習得し定着させるために「他者」と「研修」から効果的に学ぶことが求められるということです。


現実の世界ではどうでしょうか? よくあるパターンを見ていきましょう。

・「経験」を重視するあまり、「研修」を軽視し、「研修」を時間のムダと考えている人は結構多いです。「研修」を受けているヒマがあったら働けという考えの人です。
・「他者」からの学びを受け入れない人。「Fixed Mindset」の人の傾向です。何を言っても全く受け入れません。
・「研修」等によりインプットは熱心におこなうが、それをアウトプットにつなげられない人。インプットはアウトプットしてはじめて価値が生まれるものですが・・・


このように、「経験」「他者」「研修」の3つからバランスよく成長できている人は、必ずしも多くはありませんが、常にこの3つのバランスを考えていくことが必要です。


商社における人材育成の基本は、On-the-Job-Training(OJT)ですし、他の業界も「経験」を通じた成長を重視しているように思いますので、この「70:20:10の法則」は体感にあう法則であると言えます。1 年目より3年目が、3年目よりも10年目の方が、「経験」をより多く積んでいる分、仕事ができると言えます(もちろん例外も多くありますが)。

ただし、この法則は、変化のスピードが緩やかで、世の中がそれほど複雑ではない時代においては体感に合いますが、変化のスピードが早く複雑な現在において、また更にそれらが加速していく未来においては、不十分と言えるでしょう。
現在や将来においては、その時代時代において「価値を生み出す高度な知識・スキル」を、自己研鑽などを通じて主体的に獲得し、その知識・スキルを活用して業務(経験)を積んでいき、業務(経験)を通じてさらにその知識・スキルを磨いていくというサイクルが求められます。

702010の法則 パート2

「価値を生み出す高度な知識・スキル」というのは、現在においては、たとえば「テクノロジー」「デジタル」「マーケティング」といった領域の最新の高度な知識・スキルのことです。これらの知識・スキルは上司や先輩が教えてくれるものではありませんので、主体的に獲得していかなければなりません。また、時代の変化に応じて求められる知識・スキルは変化していきますので、継続して新しい知識・スキルを獲得していく必要があります。これらの知識・スキルの獲得がなければ、時代が求める価値を生み出すことができないばかりでなく、自分自身の成長にも繋がっていきません。

今までは、「経験」をメインにしつつ、自分では気づかない視点を得たり、知識・スキルを体系的に定着させるために「他者」と「研修」から効果的に学ぶことによって「成長」しました。変化のスピードの早い現在・将来においては、加えて、その時代において「価値を生み出せる高度な知識・スキル」を自ら獲得し、それを業務(=経験)に活かしていき、さらに知識・スキルを磨いていくということも必要となってきます。

最近企業は「人材育成」という言葉を使わない傾向にあるように私は感じています。かつては、「会社が社員を育成する」と考えられていましたが、現在は、「会社は社員の成長を支援する」に変わってきています。これは「70:20:10の法則」が「70:20:10+20の法則」に変わってきている表れではないかと考えます。

【考えてみよう】
「経験」「他者」「研修」プラス「自己研鑽」の三つの要素から学び、成長した経験について振り返ってください。

まとめです。

【まとめ】
・「成長」にとって、「経験」すなわち「行動」に移すことが一番重要である。
・「成長カーブ」を加速するためには、「経験」をメインにしつつも、自分では気づかない視点を得たり、知識・スキルを体系的に習得し定着させるために「他者」と「研修」から効果的に学ぶことが求められる。
・現在や将来においては、その時代時代において「価値を生み出す高度な知識・スキル」を、自己研鑽などを通じて主体的に獲得し、その知識・スキルを活用して業務(経験)を積んでいき、業務(経験)を通じてさらにその知識・スキルを磨いていくというサイクルが求められる。

次回は、【就活】#5 「連続的成長」と「非連続的成長」で「成長カーブ」を極大化せよ!!! です。お楽しみに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?