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【就活】#3-1 プライドと羞恥心を捨てて・・・マインドセットの話


引き続きテーマは「成長力」ですが、今回は「成長の法則」の一つ目である「マインドセット」についてお話しします。

↓↓↓ 前回記事 ↓↓↓


世の中には、大きく分けて2つの「マインドセット」があります。それらの違いと、「成長」に与える影響について説明します。

#3 マインドセットですべてが決まる-1

全体のコンテンツの中でも、「成長」のパートがもっとも重要です。その中でも「マインドセット(心の持ちよう)」がコアとなります。

この「マインドセット」については、キャロル・ S・ドゥエックの著書『マインドセット−「やればできる!」の研究』に詳しいので、是非読んでください。


さて本題に入る前に、まずはこの言葉をじっくりと読んでみてください。

#3 マインドセットですべてが決まる-2

この言葉の出典は定かではありません。出典は、アメリカの哲学者/心理学者であるウィリアム・ジェームズとも、ヒンズー教の教えとも言われています。出典はさておき、この名言を座右の銘にしている人は多いようです。たとえば、元巨人・メジャーリーガーの松井秀喜氏は、高校時代の恩師からこの言葉を贈られ、座右の銘にしてきたそうです。

この言葉は、「心」が変われば、最終的に「運命」すなわち「人生」が変わる、ということを言っています。
つまり、「心の持ちよう」が大事であり、「自分次第で運命/人生を変えることができる」ということを意味しています。
では「心」は何を意味しているのでしょうか?


【考えてみよう】
この言葉の中の「心」とは何を意味しているか考えてみてください



私は、ここでいう「心」「マインドセット」のことを指し、「心が変われば」というのは「Fixed Mindset」「Growth Mindset」に変わることだと考えます。

「マインドセット」とは「習慣化された思考と、その思考に基づく習慣化された行動」、つまり「無意識のうちに繰り返しおこなう思考や行動のパターン」のことを言います。

つまり「マインドセット」は無意識なものですので、それを変えることはそう簡単なことではありません。
だからこそ「マインドセット」を変えることができれば、その効果は計り知れないと言えます。この言葉が名言として語り継がれているゆえんなのでしょう。

「Growth Mindset」「Fixed Mindset」は、20年以上にわたり「マインドセット」と「成長」の関係について研究してきたスタンフォード大学心理学教授のキャロル・S・ドゥエックによって定義されたものです。
私も22年間、商社の人事で、成長を続ける人/成長が止まってしまう人を見てきましたが、この「Growth Mindset」「Fixed Mindset」の理論は、かなり同意できるものです。

人間は、なぜ考え方も、行動の仕方も、生き方も一人ひとり異なるのかについて、昔から研究されてきました。
そのような差異は遺伝子によるものであるという主張と、生まれ育った環境や教育等によるものであるという主張に、大きく分かれてきました。
最近の大多数の専門家の見解はそのいずれかではなく、それらは互いに影響を与えながら人間は成長するというところに落ち着いているようです。

でも、「成長」に関して言うと、それはどうでもよいことなのです。キャロル・S・ドゥエックは、このような学問上の論争はさておき、

「能力・人間的資質」は変わるもの「信じる」のか?
「能力・人間的資質」はそもそも変わらないものであると「信じる」のか?

によって、その後の「成長」の度合いが大きく変わってくると主張しています。勉強・スポーツ・ビジネス・芸術・人との付き合い・コミュニケーション等、どの領域においても、同じことが言えます。

「能力」や「人間的資質」を変えることができると信じるのが「Growth Mindset」、変えることができないと信じるのが「Fixed Mindset」です。


#3 マインドセットですべてが決まる-3


「Growth Mindset」の持ち主は、「能力」や「人間的資質」は変えることができると信じているので、継続的に努力することができ、大きな成長を遂げます

一方、「Fixed Mindset」の持ち主は、「能力」や「人間的資質」は生まれつきのものであり、変えることができないと信じているので、自分の能力を誇示し、自分が優秀だと示すことばかりに気を取られてしまうのです。

この二つの「マインドセット」は、「能力」や「人間的資質」に対する考え方が正反対ですから、これらの「マインドセット」を起点とするその後の「行動」も正反対となり、そのことが「成長」に大きな影響を与えるというのです。


【考えてみよう】
「Growth Mindset」の持ち主と、「Fixed Mindset」の持ち主とでは、行動にどのような違いがあると思いますか?



下の表は、二つの「マインドセット」の特徴を整理したものです。

「マインドセット」が起点となり、その後の「挑戦」「障害」「努力」「批判」「他人の成功」に対応する「行動」が大きく異なることになり、結果的に「成長」に大きな差が生まれるということになります。

#3 マインドセットですべてが決まる-4

(出典)キャロル・ S・ドゥエック(2016年)『マインドセット−「やればできる!」の研究』今西康子訳 草思社

少しばかりきびしい言い方をすると、「Fixed Mindset」の持ち主は、「プライドが高く」「羞恥心が強い」人であると言えます。
他人から良く見られたい、恥をかきたくないという思いが強すぎるのです。

「成長」には、「高いプライド」と「強い羞恥心」は不要です。「成長」の阻害要因でしかありません。いますぐに捨ててください。


話がそれますが、マイケル・ジョーダンという人を知っていますか?マイケル・ジョーダンは1990年代を代表するNBAの世界的スーパースターです。ジョーダンは生まれながらにしてのバスケットボールの天才だったのでしょうか?答えはNoです。

マイケル・ジョーダンが出演するNIKEの有名なCMを紹介します。『Failure』というタイトルです。YouTubeでも視聴できます。

I’ve missed more than 9000 shots in my career.
I’ve lost almost 300 games.
26 times, I’ve been trusted to take the game winning shot but missed.
I’ve failed over and over and over in my life.
that is why I succeed.


スポーツの世界では「生まれながらの天才」という言葉をよく聞きます。
しかし、実際に成功している人は、マイケル・ジョーダンのように、失敗や批判から多くのことを学び、継続的に努力している人です。

逆に、「天才」と呼ばれ将来を嘱望された人でも、努力を怠れば、長きにわたり成功し続けることはできません。

【考えてみよう】
世の中で成功しているビジネスパーソン、スポーツ選手、アーティスト等や、身近で活躍している人が「Growth Mindset」の持ち主か「Fixed Mindset」の持ち主か、その根拠も含めて考えてみましょう。


さきほども述べたように、「マインドセット」とは「習慣化された思考と、その思考に基づく習慣化された行動」であり、「無意識のうちに繰り返しおこなう思考や行動のパターン」のことを言います。

したがって、相当意識しないと自分がどちらの「マインドセット」なのかに気づかないでしょう。
そもそも「Growth Mindset」と「Fixed Mindset」の2種類の「マインドセット」があるということすら知らない人も多いと思います。

自分が「Growth Mindset」と「Fixed Mindset」のどちらなのかに気づくか気づかないかが、その後の「成長」の大きな大きな別れ道になります。

この記事の最後になりますが、
マインドセットに関するCarol Dweckの動画を二本ご紹介します。ぜひご覧ください。

Carol Dweck『Developing a Growth Mindset with Carol Dweck』(2014年)

Carol Dweck『The power of believing that you can improve』(2014年)


【まとめ】
・「Growth Mindset」と「Fixed Mindset」の違いを理解し、「Growth Mindset」が「成長」を促すと心得る。
・自分がどちらの「マインドセット」なのか客観的に理解する。
・プライドが傷ついたり、しんどい思いをすることを恐れない。すべては「成長」につながると考える。

【参考文献】​
・キャロル・ S・ドゥエック(2016年)『マインドセット−「やればできる!」の研究』今西康子訳 草思社
・キャロル・ S・ドゥエック(2014年)『Developing a Growth Mindset with Carol Dweck』 TED TALKS


YouTube【成長を楽しもうCH】でも、このテーマについて配信していますので、そちらもご覧ください。


次回は、【就活】#3-2 あなたはどっちのマインドセット? です。
お楽しみに!!!


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