九龍漫画へ向けて vol.4
私にはトラウマものの父がいる。その父にはじめて反抗した時、それが私のアイデンティティの芽生えだったのではないか?考えてみる。
なぜ父に反抗できたか。それはプライドの芽生えと自尊心の保護のためだと思う。
中学高校の間、父は単身赴任で家にいないことが多かった。これはかなり大きい。この間に私は自信をつけた。
中学時代、バスケ部の辛い練習に耐え、高校で始めた演劇、自分が脚本演出した作品が地区大会最優秀賞を取ったことは私の自信を育てた。頑張れば報われることに味をしめ、仕事で影響力を持ちたいと思うようになり、なんとなくBIGになりたい、なれるという無根拠な自信とプライドを育てた。
しかしその自信は大学で打ち砕かれる。難関大学を目指し、合格するものの、希望の学部とは違う偏差値の低い学部に入る。大学のネームバリューは得たものの同じような出来損ないがゴロゴロいる学部で「こんな奴らと同類だなんて」と燻る。そんな意識で専門の勉強も全くできなかった。そして演劇サークルに入ると周りの人たちは有能で賢くはるかに面白い人たちばかり。その中でなんとか地位を得ようと部長になるも、自分勝手な部員に対し統率能力に欠ける私は結局途中で部長業を投げ打つ。
自分を守るための敗走。無駄にした四年間。けど、この燻りがわたしには必要だった。賢い面白い人に囲まれて未だ知らない世界の広さを知った。自分が小さいことを知った。この4年間は今後の人生のために必要だった。そう自分で結論づけた。
その後自尊心ズタズタの状態で父と再会する。祖父の葬式だった。親戚の前。父はどうやら前から大学進学のわたしの選択に不満があったらしい。
「行きたくもねえ(第一志望でない)、意味のない学部なんか行くのに金出させやがって」
みたいなことを言われたと思う。父はスポンサーであり、その期待に答えられなかったのだから、そう言われても仕方がないのだけど、わたしはそこで初めてキレたと思う。
「意味なくなんかなかった!」
あんたに何がわかる。私は私なりに考えて環境を選んで必死に考えて戦って負けてきたのだ。それを何も見ていないあんたに無意味と罵られる筋合いはない。
そうそう、そう思ったんだ!
一人で暮らしてバイトもして父や母のありがたみだって知っている。あなた方が私に投資してくれたものを無駄にするつもりは全くない。そのために失敗を失敗で終わらせない覚悟をした。のに、どうしてそんな表面的なことで私を断罪するのか。どうして見てくれないのか。信じてくれないのか。そういう悲しみもあったと思う。
自尊心の保護のためと、やはり私を見てくれない理解しようとしてくれない父への精一杯の反抗だったと思う。
だからむしろ アイデンティティを奪われそうになったから反抗したのかな?んん??考えよう
また明日!
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