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現場の仕事

低次元の仕事。

ぐさっときた。

自分で書いといて。

1年目だったら立ち直れなかったと思う。

僕はコンプレックスを抱えている。

それは、どこか有名な所できっちりと修行をしてない事。

最低限の知識と技術でここまで来てしまった。

いやーよくやってるわ。

ある人は言う。

「コーヒーは焙煎までで味の8割が決まる」。

裏を返せば現場の仕事はたった2割だという事。

僕もそれには納得している。

だから、うちのお店を同業者がみたら「焙煎もしてないのに」と思う人がいてもおかしくない。

と、勝手に被害妄想を膨らませてしまう日がある。

落ちてる時なんか特に。

僕の仕事は低次元なのか。

(書いてて凹んできたぞ)

コーヒー好きって凄いんですよ。

コーヒー豆を求めて世界を飛び回り、農園を買う人もいる。

毎年ある見本市に足繁く通い、海外の情報も常に追っている。

意識の高さは遥か雲の上だ。

僕にはなれない。

来世があるならそっちの世界に足を踏み入れたいと思う。

本当に。

大変だけど楽しそうだ。

でも、今はもういいか。

コーヒーの味には2割しか関われないけど、大切にしてる事をしようと思う。

現場。

接客してドリンクを作る。

アルバイトでも出来る仕事だけど、それが低次元かと言うと、そうではない。

一人ひとりに合わせた接客の難しさと楽しさ。

上手くはまった時の、互いに訪れる幸福な時間。

これらは現場でしか起こらない。

美味しいコーヒーだけならコンビニで飲める。

ボタンを押して、出来上がり。

それなのにカフェが溢れ、うちの近所で言えばどこもコーヒー屋は潰れてない。

なぜか。

それぞれに顧客がいるのだ。

求められてるのは人なんだと思う。

機械じゃなく、人に作ってもらう幸せ。

そこで交わされる何気ない会話。

それらを求めて来るんじゃないかと。

じゃあ求める人ってのは誰でもいいのか。

違う。

人を求めるという事は、顔が浮かんでるはず。

その人が常にいれば、お客さんは何も心配しないで足を運んでくれるんじゃないか。

気分が落ちた時、頑張りたい時、励ましてほしい時。

今日はいるのかな?

不安な気持ちで、店に足を運ばせないように。

いつでもいるという安心感が、その日の活力になる人がいると思っている。救われる人もいると思っている。

という事で、僕は現場を離れずにいるのでした。

今世だけですので、僕が生きてるうちになるべく足を運んでください。


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