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店主の考え

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2021年11月の記事一覧

勉強よりも貯金

カフェを開きたい。 まずやる事は何かと聞かれたら、お金を貯める事だと思う。 それがなければ何も始められない。 勉強の為のカフェ巡り。 こういう発言をよく耳にする。 地方の有名店にまで行く人がいるけど、少し懐疑的。 気持ちは満たされると思うけど。 そこに行かないと得られない何かがあるんだろうか。 現実的な僕は思ってしまう。 やってる感を得たいだけなんじゃないかと。 ちょっと言いすぎかもしれないけど。 自分でお店を持ちたい。 そう思ってる人は、何かしらのき

当たり前の事をやる

ずっと飲食店で働いてるからか、他の人よりも気になる事がある。 外食をする度に見てしまう。 この席数でこの単価でこの立地で。 内装はいくらかかってて、設備はこうで、、、 そんな事じゃなくて。 爪。 働いてる人の爪を見てしまう。 これは一種の職業病なのかもしれない。 どうしても気になってしまう。 カフェで働いてる人のSNSが目に入る事があります。 綺麗なラテアートが施されたカフェラテ。 かっこよくハンドドリップしてる姿。 カップを持った綺麗な写真。 それ

僕の仕事は店に来る事

「やる気がでない時ってないんですか?」 毎日お店に立っているのを不思議に思う人がいるみたいです。 「やる気なんて基本的に無いですよ」 これが答えです。 「うぉー今日は頑張ってめっちゃドリンク作って過去最高売上を叩き出すんだ!」 そんなん無い。 お客さんの数をコントロール出来る仕事ではないので。 僕のやる気と売上は相関が無いんです。 だからやる気がある時の方が少ない。 催事に出てる時ぐらい。 「やる気が無いと仕事したくなくなりませんか?」 これも聞かれた事

誰がどこまで配慮しなくちゃいけないのか

牛乳は敵。 2021年6月、北カリフォルニアと南カリフォルニア市場の一部のカフェで試験的に、店頭販売とモバイルオーダーで、ミルクベースのメニューには基本的にオーツミルクを使用することとし、結果としてこれらのカフェでは牛乳の使用量が8%減少しました。 この流れは本当に嫌でして。 牛乳の使用量を減らすと環境改善に繋がるという流れ。 いやはや、困った。 なんせうちのウリは牛乳なので。 「東京牛乳を買うようになりました」 何人の常連さんの家の牛乳を変えてきたか。 それ

接客を捨てる日

今日はこの記事から。 “アプリで事前注文・決済したコーヒーを受け取るついでに、Amazon Goでサンドイッチなどの軽食をこちらもレジなし精算できるという新コンセプトのショップです。” コロナ以降、アメリカのスタバは積極的に省人化に取り組んでますね。 人材不足、人件費の高騰。 これらを解決する為にテクノロジーの力で人を減らす。 なんて合理的。 スタバがこれをやってるってのが気になる所。 サービスは必要ないのかもしれない。 そんな事を言うはずはないけど、本音はど

特別な場所

昨日少し書いた、誰かにとって特別な場所。 これは狙っては出来ない。 というのも、相手によるから。 お店側が頑張った所で、合わない人は合わない。 何でこの店が流行ってるんだろう。 そう感じる所が幾つかある。 その店のサービスが刺さる人もいるのか。 不思議な思いで眺めてたりする。 めちゃくちゃ元気な居酒屋とか。 売上しか考えてない商品ばかりがあるお店とか。 でも、それはきっと僕との相性が悪いだけなんだろう。 うちもそう。 特別だと感じてくれてる人もいれば、

混み合ってなくて、静かなお店。

混み合ってなくて過ごしやすい空間。 カフェを紹介する時にたまに見かける文言です。 伊坂幸太郎さんのエッセイではこんな事を言ってました。 「僕がお気に入りの喫茶店はよく閉店する。静かで過ごしやすくて好きだったのに」 混み合ってなくて、静かなお店。 ようするにお客さんが少ないお店。 それはいつか閉店する。 誰かにとって特別な場所だとしても。 カフェの経営が難しいのはここだと思う。 お客さんがひっきりなしに来るようなお店は、誰かにとって特別な存在にはなりづらい。

自分への期待値の低さ

今日はこの記事から。 「人々は労働を排除したいと考えている」 なかなかのパワーワードですね。 産業用の自動化装置を製造している会社のCEOの発言なのでポジショントークが入ってますが。 人手不足が深刻みたいです。 特に飲食店の。 いいぞいいぞ、もっと大変な事になれ。 そう思ってます。 前にも書きましたが、煽りを食うのは無理な多店舗展開をしている所なので。 でも、こんな状況でも出店を加速させてる所がある。 あのお店が新店舗をだすらしい。 お客さんからたまに聞

ダブルのラテ

「エスプレッソをダブルにしても値段が変わらないんですね、嬉しいです」 たまにこんな言葉をいただきます。 その言葉が僕も嬉しいです。 この価値を分かってくれるのか。と、思うので。 昨日少し書いた原価。 エスプレッソをダブルにすると原価が上がります。 だから普通のお店では追加料金が取られます。 100円〜150円ぐらい。 手間と原価を考えると妥当な値段かなと思います。 まあぼったくってる所もあるでしょうが。 それをうちでは無料にしてる理由。 僕がダブルのラテ

何を頼むかじゃなくて、どう頼むか

初めて行くお店でメニューに無い商品を頼む。 僕はこの行為を頭がいかれてると思っている。 強い言葉だけど、本当にそう思っている。 アレルギーとか、苦手な物がある場合は喜んで対応する。 でも、そうじゃない場合。 ただ、当たり前のようにメニューにない商品を注文する人。 改めた方がいい。 そんなお客さんを好きにはなれない。 通ってくれてる人だったらいいんです。 普段はカフェラテを頼む人が、チャイラテを注文する時。 「どうしたんですか?今日はコーヒーの気分じゃないん

力を抜く場所

「やる気がでない」 最近はそんな会話が多い。 オフィスのお客さんが戻ってきたからかな。 こぞって皆やる気がでないと言う。 「やる気あります」 そんな事を言ってる人は今までに一人もいなかったと思う。 ネガティブな事を言うな。 自己啓発書とか、優秀な経営者が言いがちな言葉。 僕が嫌いな言葉でもある。 吐き出す場所がないほうが辛いだろと思ってます。 やる気がでない。 でも、ちゃんと出社してる。 それだけで偉い。 でも、出社前、お昼休憩、帰る前。 少しは吐

価値観の変化

お金の使い方が変わりますよね。 昨日、常連さんと話してた時に出てきた言葉です。 元々証券会社で働いていた方なので、たまに投資の話をします。 昨日はソフトバンクグループによる一兆円の自社株買いという、まあ大きな話題があったので、そこから投資の話に。 それでさっきの言葉。 投資をすると価値観が変わる。 それが良いのか悪いのか。 そんな話をしてました。 昔は10万円の服を当たり前のように買い、自転車は50万円以上かかってるし、エスプレッソマシンは100万円以上だし。

3人でカフェ・ラテ1つ

「テイクアウトのみですけど大丈夫ですか?」 今日は雨。 そんな中、何も知らずに来店される方がいる。 まあ、知らないのはしょうがない。 でも、「あー席ないのか」 みたいな、露骨にがっかりとか、なんならイラッとするのはやめてほしい。 どうか口に出さず、心の中で。 そして、今日。 とある大人の女性3人組が来た。 「テイクアウトのみですけど大丈夫ですか?」 いつものように聞く。 「どうする?」 「席ないんだね」 「どうしよっか」 「まあいいか」 よくある

見返りとして晩ごはん

最近、人手不足とかやりがい搾取について書きました。 人手不足で店が回らない所は無くなってほしい。 ルールが守れない所は無くなってほしい。 そんな事を書いてます。 従業員に無茶な労働を押し付けて経営をしてる所があると歪みが生まれるので。 でも、無茶じゃない場合。 従業員の善意や好意、望んでる場合。 そこまで取り締まる必要は無いと思ってます。 本当は良くないけど。 でも、お互いに納得の上だったらいいのかなと。 昔ながらの修行制度みたいなもんか。 僕も昔は無茶