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New Zealandがくれた宝もの 4 Rent a car レンタカー

 翌日、レンタカーを借りにタウポの街まで行った。
ツランギからは、国道一号線を時速100kmでとばして約1時間。
ちょうどそちらに行く用があるからと、フィッシングガイドのカンジ氏の車に乗せてもらった。
 青々と広がる湖レイクタウポに沿った一本道を走って行くと、各川の流れ込みが見られる。
ワイタハヌイの流れ込みは、道路からもよくわかりやすく、開けていて釣りやすいので、人気のスポットだ。
河口でのナイトフィシングでも、大物があがる。
今日も、ウェットを流している釣師が3人いた。

 道沿いには集落が、数ヵ所しかない。
人影もほとんどなく、放牧されている羊たちと、時折、車にひかれているオポッサムを見るくらいである。
このオポッサムは、夜行性でやたら動きがニブく、車のライトに照らされると、立ち止まってしまうそうなのだ。
フライのダビング材としてもおなじみの、このオポッサム。
そういえば、グラハムのマテリアルボックスにも、一匹まるまる入っていたっけ。

 タウポの街で安いレンタカーを借り、スーパーマーケットで食料の調達をした。
オークランド空港からツランギまでは、信頼できるエイビスで車を借りたのだが、いかんせん、ニュージーランドではレンタカー代も高い。
さっさと返してしまって、ロッジから歩いていける近辺を釣ろうと思ったのだが、やはりブレイカウェイのような魅力的なポイントを知ってしまうと、そうもいかない。
タウポの街に行けば、地元の安いレンタカー屋があるというので、早速借りてきたのだ。
さあ、これで毎日どこへでも、好きな場所に釣りに行けるぞ。
 今度の車はマツダのカペラ。
10年前ぐらいの製造だろうか、最初にエイビスで借りたトヨタ、マークツーの新車に比べたら、マニュアルだし、ハンドルも重く、加速も悪いけど、まあ走ればいいのだ。

 ツランギに戻ると、早速釣りの支度をし、ブレイカウェイプールへ向かった。
プールにはすでに2人、釣り人がいた。
 トンガリロリバーのプールでニンフの釣りをする場合、下流から流しはじめて、上流に少しづつ移動しながら釣り上がる。
魚を驚かさずに効率よく、釣るためだ。
そのため、後から来た人は、前の人が流し終えた、下流にはいるのがルールである。
そして、流しながら少しづつ、上流に平行移動していく。
プールの上流まで釣り上がって、まだ釣りたい場合は、またもう一度、下流にもどればいいのである。
これで、皆が平等に釣りを楽しめるというわけだ。
ウェットの場合はこの逆で、上流から入ることになる。

 私たちも、先に入っていた2人より下流に入って、ニンフを流しはじめた。
2時間程、上まで流し切ったがアタリはなし。
昨日よりも、ラインはうまく伸びているはずなのに、今日は魚が入っていないのか?
それとも、もう釣られてしまったのか?
ブレイカウェイプールにしとしと雨が降り出した。

 帰りにグラハムの家に寄った。
グラハムも今日はノーフィッシュで、ブレイカウェイでは、他に1人、1尾キャッチした人がいただけだったようだ。
借りてきた車を見せると、「ナイス カーだ。」と、グラハムは言った。
そして、プラスチックの長方形のバケツをガレージの奥から持ってきた。
「魚をキープする時は、これを使うといい。」
50cmクラスのトラウトなら楽にはいる、大きさだ。
この辺りの釣り人は、皆、このオバケバケツを車に積んでいるのだ。
「Too small!」私はおどけて言ってみた。
「こりゃいかん!失礼。」と、グラハムは奥からもっと大きなバケツを持ってこようとしたが、
「ハハハ、冗談です。」と、最初に出してくれたバケツを受け取った。
 ガレージには、これまた大きなフリーザーが置いてあり、中をのぞくと50cm程のレインボウがごろん、ごろん、とカチカチに凍っていた。

 明日の朝、雨が強くなければ、一緒に釣りに行こうとグラハムと約束をした。

5.Witikau Pool へつづく

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