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“人生の中心には常に食があり、それは今後も変わらない” りさ / 都内高校3年 / 東京チーム

THE BLUE CAMPに参加する学生たちを、それぞれがエントリー時に提出した自己紹介およびエッセイとともに紹介します。東京チームは、高校生2名、調理学校生1名、大学生5名(うち1名水産研究)の計8名です。

“人生の中心には常に食があり、それは今後も変わらない”

今回紹介するのは 小崎里紗 (りさ) です。

彼女は高校生ながら食育プログラムを運営していて普段から食の未来を考え続けています。寿司屋で生まれ育ったからこそ、魚への愛がとても強く、魚を前にするといつも目を輝かせます。彼女は言語化が大変上手でレストラン研修では情緒あふれた食レポをし、目の前の料理を即座にイラストにしてしまう絵の才能も持ち合わせているんです。

応募時 自己紹介

寿司屋の娘として誕生、幼い頃から父と共に築地に通う。
→生物に対する強い興味(特に有毒生物)、食への愛
→築地で水産資源の減少や価格高騰などの環境による問題を耳にしたことから環境問題への意識を持つ

2017年から4年間ニュージーランド留学。
→環境への意識の差や多様な食の選択肢との出会い

2022年に日本に帰国。
→高1〜現在までGood Life on Earthという団体で
 「科学を元に個々の食のアイデンティティ教育を行う食育プログラム」
  “Eat for Life”を準備中。
→高2、東京大学GSCにてトラフグ内のテトロドトキシン結合タンパク質を分解する方法の研究立案(半生状態のトラフグのカラスミが食べたかったから)
→MORIUMIAS フードコースボランティア(宮城県/石巻)Atlantic Pacific Japan Global Leaders Camp(岩手県/釜石)ネットボール、アジアユース日本代表等参加(韓国)、Stanford e-entrepreneurship 、
→実家のレストラン(麻布十番おざき/Ichi Azabu)で接客や開発補助に従事。Vegan Gourmet Fesへの参加。

字数の関係で箇条書きになってしまいましたが、
「私の人生の中心には常に食があり、それは今後も変わらない」
と私は強く思っています。

応募時 エッセイ 
「海と食の未来について思うこと、取り組みたいこと」

 私は食を愛しています。だからこそ食を未来に残したい、これが私の願いです。いつからでしょう、大好きな寿司を食べるたび、「幸せ」という感情と共に「私はいつまでこの美味しい魚を食べられるのだろう」と思うようになりました。

 ミシュラン星付きの寿司屋の娘として生まれた私は天然物の最高に美味しい魚を当たり前のように食べて育ちました。また、食べることと同じくらい、生き物に興味があった私にとって、学校が休みの土曜日に父と一緒に行く築地市場はワクワクする場所であり、学びの場でした。顔見知りの仲卸の方が父と話す、市場価格の高騰や世界とのマーケットの奪い合い、気候変動や環境破壊による資源の減少などの話が私が海をとりまく環境問題を意識し始めたきっかけになったと思います。

 現在、私はEat for Lifeという「持続可能な未来のための「食」を科学や環境学を通して楽しく学ぶ、100年後の未来に向けた若者による若者のための食育」のプログラムの立ち上げをGood Life on Earthの支援のもとで進めています。私はここで、持続可能な未来のために、グローバル社会を生き抜くための食のアイデンティティ教育を行い、自身で考え選択できる消費者を育成したいと考えています。

Eat for Lifeを思いついたきっかけは4年にわたるニュージーランドでの生活にあります。授業での「人間は肉を食べなくても生活できるのか?」という問いに対し、私は「できるわけない」と即答しました。小さい頃から、生きていく上では全ての栄養素が必要で、肉も野菜もバランスよく食べなければいけないと、学校や家庭で言われ続けてきたからです。

しかし、リサーチを重ねていくと私は自分自身の考えの間違いに気づきました。人間は肉を食べずに生活できるどころかむしろ運動前などの特定の状況おいては野菜のみを摂取する事でパフォーマンスを上げることもできるのです。この出来事は私にとって凄くショックでした。日本で教わった画一的な食育とは違う、様々な食の選択肢があることへの気付きは、私の食に対する考えを大きく変えました。

ニュージーランドで色々なスポーツに取り組んでいた私は、植物性タンパク質の摂取効果を知りたくなり、試合前の食事の食べ物を野菜に変えました。すると、いつもより筋持久力が上がった事を体感できました。

 実は、高校生で私が日本に帰国した後、2023年に麻布十番で寿司屋を営んでいた父が、ビーガンとペスカタリアンを提供する新しいレストランを出店しました。魚介類の減少や環境に即した、未来につなげていける新しい和食のスタイルを世界に発信するのが目的で、私もお店を手伝わせてもらっています。

 私はEat for Lifeを通して、同年代の人達に、食の未来に対する気付きのきっかけを作っていきたいです。そして、個人の食のアイデンティティが確立され、食が個別最適化された、「正解」から「選択」へと移行した社会を作ることで、フードロスを防ぎ、個と地球のウェルネスを約束するサステナブルな環境を実現したいと思っています。

 今後、Eat for Lifeは2024年中の数回のプレイベント後、2025中にプログラムを始動します。また、プログラムを進めながら同時進行で、行動目的と食事を結び付け管理を行うことができるアプリを開発予定です。

 今回THE BLUE CAMPに参加し、生産者の方にお話しを伺い、私自身の海の資源や流通に関する情報をアップデートしたいです。それと同時に、環境や食への強い思いを持った同世代の方々とお話しできる機会をぜひ掴みたいと思っています。

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