アニメ化間近!チェンソーマンと女たち フェミニズムの観点から読む★★★★★
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アニメ化間近!チェンソーマンと女たち フェミニズムの観点から読む★★★★★

映画と音楽が大好き

ネタバレだらけですので未読の方はご容赦を。

・現代的なダークヒーロー
・夢バトルとは...
・解き明かされない謎
・なんでだろう不思議だ全然エッチな感じしねえ
・デンジとマキマの関係

・現代的なダークヒーロー

チェンソーマンの主人公デンジは
親友の犬型のチェンソーの悪魔ポチタと合体し
チェンソーマンになります
そのチェンソーマンの姿は
(後半には本物のチェンソーマンではないと説明されますが)
頭や手足からノコギリが生え、
未完成の不思議な造形をしています
デンジは胸のスターターをひくと
チェンソーマン(仮)に変身します
返信する時に血が出るため貧血になり相当痛いようです
まず主人公が未完成のヒーローであることが面白い
きちんとした造形をしていない
彼の振る舞い自体も性欲のために戦うなど大凡ヒーローとは思えない性格だが、根はとても優しいところがあり馬鹿だが憎めない
底辺から立ち上がるという生い立ちも込みで
サブカル的な斜に構えた主人公がこの手の漫画で多い中、全く屈託がなく
サクサクと悩む前に行動する感じは個人的にとても愛おしさと憧れを感じざるを得ない
このようなディストピア的な作品において、
今まではエヴァンゲリオンの碇シンジなどのような、父や母との関係において苦悩し、性と折り合いがつけられず悶々とする主人公というのがステレオタイプであった
ただデンジはそれとは真逆である
彼は死を恐れない
死への恐れは過去のディストピア漫画の鉄板だった
死よりも怖いものがある
それがチェンソーマンの世界だ

・夢バトルとは...

チェンソーマンにはヒーローがいない
逆説的に悪役もいない
彼らはあくまで何か自分で目的があって(もしくは目的を探し)
それに向かってただ行動するのみだ 
デンジは敵に夢バトルを仕掛けることがある
言葉だけだとほんとに馬鹿みたいな言葉なのだが
夢でバトルするってとても面白い
それぞれにみな目的があって、それが夢で
それを求めて争っている
人間は生まれたら死んでいく
我々は多忙な生活の中で何のために生きているのかわからなくなっている
資本主義に搾取され、働くことが目的化している現代人
そのような現状にチェンソーマンの夢バトルはユーモアでもって鉄槌を下そうとしているようだ

・解き明かされない謎

チェンソーマンはミステリーだと当初私は考えていた
しかしどちらかというと不条理SF的な展開をしており、B級映画的に思いつきのような展開をし、謎が解けないまま終わった。
私はむしろその終わり方に拍手を贈りたい。

なぜ支配の悪魔は人間の女の形をしているのか
なぜチェンソーの悪魔はこれほどに強いのか
なぜチェンソーの悪魔に食われた悪魔の概念は消滅するのか
支配の悪魔の他の死の悪魔、飢餓の悪魔、戦争の悪魔とは何者なのか
コベニは誰と契約しているのか
パワーちゃんの初めての友達がニャー子ではなくデンジである謎
最初に弱かったゾンビの悪魔が最後に強くなっていた謎

何も解き明かされなかった
投げっぱなし最高である
ツインピークス並み(笑)

・なんでだろう不思議だ全然エッチな感じしねえ


私はこの漫画で一番素晴らしいシーンだと感じたのはデンジとパワーがお風呂に一緒に入るシーンである。
いわゆる少年漫画のサービスシーンになるはずたった。
パワーはチェンソーマンのメインヒロイン(?)である。
それが素っ裸で主人公と風呂に入りながら正面から抱き合っている。
通常であれば完全にエロシーンであるが、全くエロくなく、デンジのいう通りであり、どちらかというと神秘的ですらある。


to l○veるとえらい違いである。
血縁ではない男性と女性が一緒に風呂に入ってもエッチじゃない。
これを少年漫画で描いたのは後にも先にも藤本タツキだけである。

・デンジとマキマの関係


デンジはマキマに母親を投影している。
これは元来の少年漫画やそれに類する作品によく見受けられる主人公像だ。
しかしマキマはどうだろうか。
彼女は最後までデンジの気持ちに応えることは一切なく、自分の欲望のために生き、欲望に遵する形で死んでいく。
主人公が大好きな人は主人公を一瞥もすることもなくこの世をさるのである。
こんな漫画ほかにあったか?
好きな女と結ばれるとか、寝取られるとか
そういう馬鹿げた人間社会のゴタゴタを超越して、
とにかくわけのわからない女が身勝手に生き勝手なことして死んだ。それだけである。
最高だ。
ジャンプ漫画によくある、ヒロインがセックスをして消費される女ではなく、とにかく訳がわからないのである。
彼女はチェンソーマンが大好き
家族が欲しい
それだけだった
マキマが作中で全く脱がなかったのは藤本タツキの意図を感じずにはいられない
そのかわり尻がめちゃくちゃデカイのだが',.
最後に肉として、食糧として消費されて終わる
その徹底ぶり、あえての露悪趣味などは実はフェミニズム漫画なのでないかとおもえてしまうほどだ
デンジとマキマ、デンジとパワーの関係は元来の少年漫画の表現では考えられないほど先進的である。
イカれた女最高!


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