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マネジメントと胆力

現在マネージャーと呼ばれる立場の人いますよね。

その方達って本当にマネジメントやっていますかって話です。

店長なのか、プロジェクトリーダーなのか、組織によって言い方は違えど大体キャリアの中盤でなる方が多いのかな。
だから今この層ってめちゃくちゃ多いけど、本当に大変な仕事で誰でもやれるものじゃ無いと思うんです。

と言うのはこのマネジメントに一番必要な要素って「胆力」だからです。

この胆力って何かというと耐えて堪えて前に進む力。

聞くだけで辛い仕事でしょ。そうなの。
こんな地道な仕事を大勢がしっかりやっているわけがない!

名ばかりのマネージャーは面倒なことは部下に任せて大まかに数字の管理をしているだけ。本当のマネージャーの仕事はその面倒な所に集中してるのに!
英語のManageは「なんとかやりくりする」とか「対処する」「間に合わせる」が本来の意。足りないリソースの中、イレギュラーも起こる現場で切った貼ったをしながら頭を使ってやり切ること。なのに私たち日本人は大きな意味では間違いではないけれど「管理」の方で理解していると思う。

マネージャーなんか花形でもなんでもない本当に地味な仕事だ。

だから人間に「胆力」が備わってないと絶対にできない、貴重な仕事でもある。
それはまるでサッカーチームの監督のように選手の短所長所を組み合わせながら、途中で怪我をする選手がいたり、天候が悪くなったり、思い通りになんか行かない中で勝利を目指す仕事。

このポジションが最も重要なのに一番目立たないのに文句はしっかり届く。。。

プレイヤーとして優秀な人はたくさんいるけど、その人がいくら優れていようと
一人の結果がチームの成果に勝ることはない。

飲食店で例えると、どんなに優れた料理人でも1日に100名を感動させることはできないわけでさ。

そして優秀なプレイヤーが何人集まってもそれぞれがそれぞれのタイミングで動いたら結果は出ない。

そこで必要なのがマネジメント。

本当にマネジメントをやっている人は日々の仕事では全く目立たないはず。
だってチームが結果を出せるように裏で切った貼ったをやってるんだもん。
表で活躍する時間なんてないし、それは優れたプレイヤーがやってる。

本当のマネジメントとは、

・全ては完璧に揃わないことを前提としてる

・失敗は全て自分の責任として話せる

・全て結果からの逆算で優先順位を考える

・つまらないプライドは持たずチームに頭を下げられる

・常に数字で話ができる

・チームの長所で戦おうとする

・人が思うように動かないことを前提に考えている

地味でしょう。笑

優秀なプレイヤーはもちろん素晴らしい。尊敬してる。
やっぱりそこにプライドを持っている場合が多いから
必ずしもそのプレイヤーたちがマネジメントが得意とは限らない。

私は人員配置を考える時にその人の特性を一番優先するようにしている。
料理人として優秀で経験も豊富な人材より料理の経験が浅い人材を店長や社長に据えることもある。

それは私もマネジメントが得意なタイプでその人材が最も力を発揮できる環境を与えることがチームの最大の結果を生み出すと考えているから。

その際に基準としているのが「胆力」があるかないか。
如何なる批判やストレスに晒されても耐えて前進を続ける力。



私は飲食業界では優れたプレイヤーではない。

周りには優秀な職人がたくさんいて、よく「ダド(私のニックネーム)さんは使えない」とか「僕の方がホール回せますよ」とか言われるよ、本当に。

でもね、上記の7つを考えてみて。
目標を達成するために周りになんと言われようとこれに腹を立てたり、モチベーションを下げる理由はないよね。「そんな奴はチームにいなくていい」っていうマネージャーも居るけどそういう人に限って結果を出すには人が足りないとか言うんだよ。自分で辞めさせちゃったのに。

先にも書いたけど、仕事の目的は結果を出す事。

私たちの仕事で言うなら「ゲストを笑顔で帰す事」

イライラするスタッフや文句ばかり言う面倒なスタッフって絶対に一定数いるものだけど、その人たちを辞めさせてサービスできないならマネジメントが頭を下げてでもゲストを笑顔で帰すのが優先だと考える。もしくは辞めさせても少ない人員で頭使ってゲストを笑顔で帰す。どちらにしても本当に心を使うし胆力がいる仕事だ。

少し昔話になるけど。。。

TGIフライデーズのマネージャーとして働き始めた時、私は飲食店の経験はゼロ。
もちろんスキルと経験のあるアルバイトからの批判が凄まじい勢いで届いて、正直辛かった。経験がないんだから出来ないのは当たり前なのに全て否定されて悔しかったのを覚えてる。でも私の目的はチームを盛り上げることでゲストに感動を与える事。

ここからマネジメントとしてのマインドを学んだ。

まずはみんなが納得して働けるように経験のないキッチンの全ポジションとバーテンダーをやって見せた。誰よりも早く出勤してレシピを勉強して覚えた。自分自身は優れたプレイヤーではないけど全てできる事を見せて文句を言わせないようにした。


できる事を見せるとプレイヤーも対等に扱ってくれる。
みんな優れたプレイヤーだから納得して働いてくれたら多くのゲストを感動させてくれた。その結果多くのゲストが感動する事になった。

本当はプレイヤーになることに興味はなかったし必要もないと思っていた。
この時は言葉で説明するよりやってみたほうが早いと判断。

あくまで感情ではなく結果の為。

その為にプライドなんて捨てて行動できる。

今、私たちの経営するお店でもマネジメント(店長)は本当に大変。

マネジメントをやってくれている店長の辛さ、大変さは誰よりも理解している。
だからこそ店長は信頼できる人にしか頼まない。待遇面でも格別にしたい。
そのために私はもっと多くを還元できる仕組みを作らなければならないと思って
マーケティングに費やす時間を最大にしています。

社長の仕事はマーケティング。

そこに力強いマネージメントが合わされば他の飲食店には出せない結果が出せる。
飲食業以外の業界にも挑戦できると思う。

私の店舗にいる時間も少なくなって申し訳ない気持ちもあるけど
みんなに最大限還元できる仕事の仕方がこれなんだよね。

マネージメントという仕事をもっと日本に広めよう。
生産性が上がって周りも楽になるから。


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