「戦略・デザイン・アート」を駆使してポーカーに勝つ
はじめまして。株式会社POLのデザイナーをしている瀬木です。
ときはオーストラリア人の男性が宝くじで68億円当選した2019年8月27日。東京の渋谷であるドラマが起こりました。
今回の会場であるGMOさんはじめ、Yahoo!さんやサイバーエージェントさんといった大手企業からベンチャーまで、総勢50名以上参加するIT企業のポーカー大会で、テキサスポーカー歴半年の初心者ながら優勝いたしました。
断言できるのですが今回優勝できたのは決してただの偶然ではありません。
そこには、確かにポーカー大会で勝ち抜くための「戦略・デザイン・アート」が存在したのです。
その「戦略・デザイン・アート」これらは全てスタートアップで働いている中で身につけたスキルです。
このnoteでは、いかにして大手企業が多数参加するなか、ポーカー初心者が優勝できたのかについて、どのような戦略・デザイン・アートの要素があったのか、具体的にお伝えできればと思います。
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最下位からのスタート
最初に言っておきたいのですが、私はもともとポーカーの才能があったわけではありません。
むしろ、最初の大会は初心者卓で最下位からのスタートでした。
(↑これは4月19日の大会後のSlack)
自分には才能がないとわかったからこそ、戦略的に分析しなければ勝てないと理解しました。
戦略1.相手を徹底的に分析する
「ポーカーフェイス」という言葉もあるように、ポーカーではまず相手を理解する必要があると考えました。
「目は口ほどに物を言う」ので、本来ならば相手の表情からだいたいの強さを把握して、自分が上回っていると思ったら勝負にでます。
しかし、ポーカー初心者の私には相手の表情から強さを分析するのは至難の技です。
多くの経験が必要だと感じたので、最大限相手の心理を読み取ろうと努力しつつも、表情から強さを予測できると期待はしませんでした。
表情から読み取ることができないからといって、相手の分析をあきらめたわけではありません。
他にも相手を理解するきっかけがないかを常に考えながら相手を観察しました。
結果として、相手の性格がわかるポイントを2点見つけました。
1つ目が勝負手の強さです。
人によって、勝負にでる基準が違うと知りました。
強い手のときだけ勝負にでる人もいれば、多少弱くても勝負にでる人もいます。
2つ目がベット額です。
これまた同じで、強いカードのみ強気でベットする人もいれば、多少弱くても強気でベットする人もいます。
これらを分析して、「最初のうちはブラフで強気のベットしてくる人を最初のターゲットにして、多額のチップを巻き取る。」などの対策を打てるようになりました。
これは、別の企業を分析して自社サービスの価値提供方法を決める競合分析と似ているなと思いました。
デザイン的にいうと、ユーザーの行動観察と近いのかなと思いました。ベット額から、相手がどういう心境なのかを読み取ることで、戦略的に相手からチップを巻き取ることができるのです。
戦略2.自分自身をブランディングする
次に、相手を理解することは、当然相手側もしてくるだろうと考えました。
ここでできる打ち手は、相手に自分のことを自分の思惑通りに認識してもらうことです。
自分は初心者なので、初心者らしい工夫を2つ行いました。
1つ目が最初にわざと負けることです。
「あっ、こいつ楽勝だな」と思わせて、多少無理にでも攻めてきたときが最後です。自信も持っているカードで返り討ちにします。
2つ目が初心者感をわざとだすことです。
わざと迷っているふりをしたり、思っていることをあえて口に出すことで、「こいつ、嘘をつけないタイプだな」と思ってもらうための工夫をしました。
もちろんこれは初心者だからできた戦略ですが、中級者には中級者なりの、上級者には上級者なりの戦略があると思います。
自分をどのように認識してもらうかを自在に操ることで、相手の認識をコントロールすることが大事で、これができると圧倒的に動きやすくなるなと思いました。
これって結構ブランディングと似ているのかなと思っています。自社のことをどのように認識してもらうかはとても大切ですよね。
ブランディングがしっかりしているからこそ、打ち手の幅は広がるのです。
戦略3.できる人から教えてもらう
「守破離」という言葉があるように、最初の段階では、できる人の教えを守ることがとても大事です。
0からオリジナルを生み出せるのは本当の天才だけです。
いえ、あのスティーブ・ジョブズでさえ、様々なものからインスピレーションを受けていると考えると、0からオリジナルを生み出せるのは神様だけです。
私の場合は初心者卓でディーラーの人に疑問があるたびに質問しました。
結果として、ポーカーは相手の分析が大切だということと、確率を知ることで勝率が上がることを教わりました。
10人でプレーした場合、一番強い「1」が出る確率はどのくらいなのか。ストレートやフラッシュが出る確率はどのくらいなのか。
どのカードがきたら勝負にでるべきか。
これらを知ることである程度安心して強気に攻めれるようになりました。
戦略4.適切なタイミングで勝負にでる
ポーカーで勝つためには、勝負どころで確実に勝負にでる必要があります。
この勝負どころを間違えると絶対に勝てません。勝負感を掴むのは多くの経験が必要なのかなと思います。
私のようなポーカー初心者には到底わかりません。
ですが勝負どころで勝負に出なければ勝てません。
この問題をなんとかするために、適切なタイミングで勝負に出られるように、自分の中で約束事を決めました。
具体的に言うと、「1が出た場合と、2枚同じカードが揃った場合は有無をいわずに勝負しする」という約束をしました。
つまり1が出た場合と、2枚同じカードが揃った場合を自分の勝負所としたのです。
言い換えれば勝つ確率が高く、負けても後悔しないような工夫とも言えますね。
最後に勝敗を決めるもの
ここまで、ポーカーである程度勝つための戦略をお伝えいたしました。
この戦略を駆使すれば初心者ながら上位に入ることも十分可能だと思います。
しかしながら、これだけでたくさんいる経験者を倒し、優勝することは不可能です。
優勝の2文字を手に入れるためには決定的に足りていない点があると考えています。
優勝するための決定打。それが
「直感」です。
「ここまできて最後は運かよ!」と怒られそうですが、私は直感が決め手になったと確信しています。
最近山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』という本を読みました。
(超有名な本なので言うまでもないかもですが、良書なのでかなりオススメです。)
そこには、ロジックや戦略といった「サイエンス」と同じくらい、直感や「アート」が大切だということです。
また、徹底的にロジックで考え抜いた上で、それでも答えが出ない部分は超論理的な直感力で決まると書いてありました。
いわば、ポーカーで勝つためのこれまでの戦略は直感を働かすための準備です。
そして、直感は美意識とつながっており、「フワッ」と深んだアイデアが優れたものであるかどうかを判断するためには、結局のところ、それが「美しいかどうか」という判断、つまり美意識が重要になる(詳しくは本を読んでいただければ🙇)
「真・善・美」を意識しながら日常レベルで行動を起こし、普段から美意識を鍛える。
これが優勝するための最大の秘訣なのかなと思います。
おまけ:スタートアップで働くということ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後におまけ程度ですが、スタートアップで働くということについてお話いたします。
私は昨年の8月に株式会社POLというスタートアップに学生インターンとしてジョインしました。
そして今年の6月にデザイナーの正社員として働くことになりました。
まだまだ新米ではありますが、日々大好きな仲間たちと切磋琢磨しながらさまざまなことに向き合っています。
今回お伝えしたポーカーの戦略や美意識の部分も、全てはPOLのメンバーや会社の文化や哲学から学びを得た結果だと思っています。
スタートアップは苦しい、でもそれ以上に楽しい環境です。
ここまで自分を成長させてくれたPOLに感謝し、これからも良い社会を実現するために一生懸命努力していきたいと思います。
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※今回の参加企業は、DMM.comさん、ミクシィさん、ドワンゴさん、博報堂アイ・スタジオさん、Yahoo!さん、サイバーエージェントさん、ディライトワークスさん、ラクスルさん、ユニプロさん、エル・ティー・エスさん、マイネットさん、コンフィデンスさん、レバテックさん、アカツキさん、ギフティさん、そして今回の会場であるGMOさんでした。
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