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ジェンダーロールを飛び降りたい症候群2

 前回「ジェンダーロールってなんぞや?」というのをうっかり説明し忘れたんですけど、いわゆる性役割というやつでして
「男なら男らしく外に出てバリバリ働くべき」とか
「女なら女らしく子供を産んで育てるべき」とか
 わかりやすく言うとそういうアレですよ、アレ。

 なお、前回はあえて私自身の性的指向には触れなかったんですが、今の時代なら大丈夫かな?と思うので今回は少々闇が深い話をしたいと思います。
 私が今までお付き合いした事があるのはほぼ男性で、女性からは半ば脅される形でお付き合いしたことがあります。

「あんたが女であるアタシと付き合えないのは性差別だ!」

 これね、昔は本当に多かったんですよ……。
 もちろん、自分が中性的な格好をしているのは自覚してましたし、紛らわしい格好をしてて申し訳ないなという気持ちが無いわけでもありません。
 でも、なんかおかしくない?
 私はリアルではずっと一人称「私」だったし、男になりたいとか男らしくありたいと言ったことは無いんですよ。彼女が欲しいと言ったこともない。
 あと、これ言うとめっちゃ反感食らうことが多かったんですが……

 私にセクハラしてきたの、8割ぐらい女性なんですよ。

 小学校ではクラスメイトの女子からズボンを脱がされそうになったり、中学校では道を聞かれたオバサマから手や顔をベタベタ触られたり、高校では先輩に後ろ手に鍵を掛られて「閉じ込めちゃった」と言われるなど思い出すだけでブルーになるような目に遭いまくったんです。
 成人してからもそれはあまり変わらず、高速バスでの帰省中に隣に座ったお姉さんにかなり強引にケータイ番号の交換を迫られ、叔母の見舞いが終わった時には着歴がみっしり埋まってて怖くなって着拒否したとかね。
 友人には「普段どんな外見してたんです?」と聞かれましたが、映画ハリーポッター第一作目のハリーみたいな眼鏡+ショートヘア、冬はダボダボのダッフルコートを着ていたと言ったら「あ~~~、それは仕方ないw」みたいな反応。でも断じて私は悪くない。セクハラ、駄目ぜったい。

 しかも、告ってくる女子が求めてるのは「アタシが考えた最強の彼氏!」であって、私である必要は無かったんです。記念日には毎回ステキなプレゼント+デートではエスコートしてご飯おごってくれて~みたいなアレ。
「女同士なんだから、付き合うとしても対等に割り勘じゃないの?」
 そう言うと「とんでもない!」「貴方はカッコイイ彼氏じゃないと駄目なんですぅ!」みたいに言い張るのだが、それなら私を当てはめるんじゃなく最初からカッコイイ彼氏探したほうが良いと思ったよ。

 結局の所、私は「女性という性別が苦手」なんじゃなく「女性から男性としての役割を無理やり押し付けられるのが苦手」だったんですよね。
 女性的な外見というジェンダーロールから飛び降りたら、男性というジェンダーロールを押し付けられる……この世は地獄です。

 そんな極端な時代も、今はだいぶ遠くなりました。
 私が年取ったってのもあるとは思うんですが、セクハラされる事もなくなり自身の性的指向を免罪符のように掲げて交際を迫られることもなくなりました。ほんと、良い時代になったもんだ……。

 きっと、世間一般のジェンダー観やらセクハラに対する認識がアップデートされたのは、様々な人の地道な努力があったからだと思うんですよね。
 私自身は特になにかしらの活動に参加してたわけではありませんが、こうやって改めてnoteに書き出すことで微力ながら表明できれば、これ幸い。

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