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超訳・武士道④〜【勇】本当の勇敢さ〜

武士道④です。今回は七つの徳のうちの【勇】の話。
それでは超訳スタート!

☆☆☆

【勇】とは前回お話しした【義】のために行われて初めて素晴らしいものになります。逆に【義】にもとづかないものは【勇】ではありません。
つまり、【勇】とは【義】を行動で表す事を言います。自分が「これが正しい」とした答えを
行動していく事が、【勇】です。

【勇】とは、向こう見ずなことや、無鉄砲なことではないのです。

実際、死ななくてもいい場面で死を選んでしまうことは、命を粗末にするだけだとされました。
水戸黄門でおなじみの徳川光圀も
「戦場に出て討ち死にすることは簡単。どんな人でも出来る。
大切なことは、生きる時に生き、死ぬ時に死ぬことだ。」と話していたそうです。

また、派手なものや大げさなものが【勇】ということもありません。
わざわざ怖い場所に行ったり、肝を試したりするのが【勇】ではなく、真の【勇】を持つ人は
心がいつも平静で落ち着いているのです。そして心に余裕があります。

例えば、上杉謙信と武田信玄はライバルとして有名ですが、
武田信玄の国が「塩不足」で困っていた時にそれを助けたのは上杉謙信だったのです。

武田信玄は、まず隣国の北条氏に「塩を送ってほしい」と頼んだのですが、武田信玄の国を弱める為に北条氏は塩を送りませんでした。

それを聞いた上杉謙信は武田信玄にこんな手紙を送ったそうです。

「私たちは武術において勝負しているけれど、
米塩で勝負しているわけではない。
今後は私の国に頼ってください。
必要なだけ、いくらでも塩を送りましょう。」

上杉謙信の【義】に基づき、冷静沈着で余裕のある姿勢が、本当に勇気ある行動なのです。

(これが俗に言う「敵に塩を送る」です)

そして【勇】がこのレベルまで行くと、それは【仁】に近づきます。【仁】については、次回話しますね。

☆☆☆

はい、【勇】でした。
【勇】とは【義】を行動で表すことです。
そしてこの【勇】と【義】はセットになってます。
武士道は自分で答えを決め、そしてそれを行動して行くことを大切にしています。

またただただ無鉄砲であることは【勇】ではなく、
上杉謙信が行ったように、武田信玄を助けることで、自分が不利になる可能性があったとしても、自分が正しいと思うことを行なっていく勇気こそが【勇】である、と武士道は伝えます。

続く

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