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SEKIGUCHI'S EYE Vol.03 「僕が海と山に行く理由〜自然はクリエイティブの源泉そのもの〜」


株式会社THINK GREEN PRODUCE代表の関口 正人による月一コラム

僕は18年前、30歳の時にサーフィンを始めました。スノーボードはそれよりも前からやっていて、間にブランクがあるものの、一昨年ぐらいからまた頻繁に雪山に通うようになりました。僕が海と山に通う理由はサーフィンとスノーボードという趣味・アクティビティを楽しむためというのが大前提なのですが、それを通じて感じていることを今回は仕事と経営に掛け合わせてお話ししたいと思います。

実感・体感できてしまうほどの自然環境の変化

コロナの影響で、仕事に対して、生活に対して、人それぞれ改めて向き合うことが多くなったと思います。そしてそれは企業も同じ。企業としてどのような形で社会に貢献するのか、社員にどのような生活を提供できるのか、改めて見つめ直す機会になっています。その中で特に企業が自然に対してどう向き合うかは、注目を超えて命題となりました。最近では国連が提唱する持続的な開発目標、SDGsという言葉もよく耳にするようになりました。さらに直近だとアメリカ・カリフォルニア州の山火事や国内でも記録的な豪雨による水害など、異常気象による災害のニュースが増え、環境問題はよりリアルなものとして認識されるようになりました。

事業や経営を行う上で、世の中で起こっていることを頭で理解することはもちろん大切ですが、自分の生活の中で感じるリアリティも活かしていきたいと思っています。自然の恩恵をレジャーとして楽しむことを10年20年も続けていると、近年、明らかな変化を実感します。

例えば海に行ったとき、海の砂を手ですくってみれば、その中にどれだけのマイクロプラスチックが含まれているか肉眼で目視することができます。沖に出ればクラゲのようにぷかぷか浮かぶビニール袋をよく目にします。また、サーファーは波を求めるので毎年台風の動向を気にしているのですが、台風の脅威が年々増していて、「波が良さそう」というよりも「怖い」という感覚が強まっています。さらに少し前まではウエットスーツなどを着ないで海に入ること(フリーサーフィン)は気持ち良い季節の到来を意味していましたが、現在は紫外線が強すぎるため、素肌を出したままサーフィンをするのは危険と捉えられるようになりました。

山も同じです。雪が降らず、スキー場が営業できないということも最近多くなりました。また、山間部では獣害も大きな問題になっています。その要因は様々ですが、とにかくそれらは森や山の生態系の崩壊によるものです。生態系の崩壊は獣害だけでなく、土砂崩れなどの災害にも繋がっています。

ニュースやWEBをみれば、同じような事象が次々と出てきます。さらに、環境破壊や生態系崩壊に関する驚愕する数値やデータを知ることもできます。長年、自然の恵みやその素晴らしさを体験している自分にとって、実感できる自然の変化と、実際に起こっている事象、そしてそのデータを読み解くことで、自然という尊いものが失われている現実に危機感を抱くようになりました。これは他のことでも同じなのですが、頭で理解するだけだと実際の行動に結びつくまで時間がかかってしまいます。何事も知識として理解すると同時に、自分で体験し、頭と体の双方で捉えていくことが大切です。


都市の対極にある自然を意識すること
それこそがこれからの街づくり

もう一方で、経済活動や企業活動を止めることはできないとも思っています。今回のコロナウイルス感染拡大により、一時的に停止もしくは足取が遅くなったのは事実です。しかし、歴史的にみても、人々の価値観が変わる節目において経済活動はよりその力を増す可能性があります。

その中で自分たちが住んでいる東京を含め、都市の更なる都市化は進むと考えます。これまでの様々なことを振り返っても、都市での生活はより利便性や合理性を追求することになるでしょう。しかし、都市の中だけで完結する生活を続けると、都市の生き物でしかなくなってしまう。すべてが合理化され、個々のライフスタイルや街の食、カルチャーなどの個性が見えづらくなってしまうのも事実です。

多くのクリエイターたちが、クリエイティブの源泉は自然そのものだと言います。特に日本には四季があり、年中行事があり、季節に合わせた食がある。無形文化遺産になった日本食も、全てが人の手によって作り出されたものではなく、自然の恵=旬を食べるという考えがベースにあり、自然との共生は大前提なのです。

今後、街を作ったり、生活を作ったり、文化を作ったりする上で、自然とは何か?を理解していないと、クリエイティブな提案はできない。だからこそ自然との接点を持っておくことがとても大切だと感じています。僕の場合は海と山ですが、それ以外でも自然を体験することはできます。釣りとかキャンプとか、トレッキングやサイクリング、散歩でも良い。仕事のためとか、学術のため、とかではなく、あくまで遊び=楽しみを通して自然体験をする。それはきっと有益な経験になると思います。

都市機能と自然環境のバランス、その双方に身をおいて、頭と体で捉らえる。それが目的でもあり、楽しみでもあり、生活のサイクルにもなり、仕事にもなる。自然と共存する街と生活とカルチャーってどういうことなのか。単純に施設を作るということだけではなく、デジタルテクノロジーやSDGsのフレームを駆使しながら、その大きな枠組みを形作っていきたいと思います。

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「1杯のコーヒーから街づくりを考える」コンテンツ・プロデュース・カンパニー。レストランやベイカリー、ホテルなどの運営から、商業施設開発、不動産コンサル、広告、PRまで。幅広い業務領域を行き来するTGPメンバーによるクリエイティブな視点やアイデア、カルチャーマインドを発信します。