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かゆみ研究者視点で見た"お肌よわよわ芸人"

この前(とは言っても2,3か月前)、ふとテレビを見ていたらアメトークが流れていました。
内容はお肌よわよわ芸人。アインシュタインの稲田さんやすゑひろがりずの三島さんなどが出演していました。

これは面白そうだ!

一気に眠気がさめました。
しかし、面白そうとは言っても、"fun" ではなく、"interesting"の方であるが(笑)

きっと世間の人はこれを見て半分あざ笑い気味に見ると思うが、お肌が弱い人にとってかゆみは本当に深刻なもので、バラエティーではあるが一種のドキュメンタリーのように見てほしいとまで思ってしまった(笑)
そういう意味では、自分のコンプレックスであることを笑いを交えながら話すこの人たちはとてもすごいなと感銘しました。

さて、話を戻しますが、個人的に印象に残った話は三島さんだったかな?のお風呂でアツアツのお湯をキ〇タマにあてる話ですね。
この話は他の芸人さんからもかなり支持されていましたね。アツアツのお湯をキ〇タマにあてると、なんでもめちゃ気持ちいんだとか。

スタジオでは爆笑に包まれていましたが、テレビの前での僕はというと手を顎に当て、「そりゃそうだよな~」と真顔でうなずいていました(笑)


では、なぜお湯をキ〇タマにあてると気持ちよくなるのでしょうか。解説していきましょう。

まず、起こっている現象を説明すると、【かゆくて仕方ないキ〇タマにお湯をあてると快感を得た】ということになります。
かゆみは不快な感覚であるので、お湯をあてるとその不快さから解放されたということになります。

では、なぜアツアツのお湯は不快さを解放させたのでしょうか。
簡潔に言うと、かゆみが痛みによって上書きされたからです。人がかゆみを感じたときに引っ掻くのはかゆみを痛みで上書きするためなのです。

また、熱さと痛みは類似した感覚であります。熱さ、つまり熱刺激は皮膚に存在するTRPV1という受容器を活性化させ、「痛み」として脳に伝わります。やけどが熱さを通り越して痛いのはこのためです。

よって、アツアツのお湯は痛みとしてキ〇タマのかゆみを上書きし、快感をもたらしたということになります。
ただ、ふつうの人ならキ〇タマに熱湯なぞかけたらきっと熱くて、いや、痛くてたまらないでしょう。その痛みを超えるほどに、かゆみによる不快さが大きいというわけです。

実はかゆみの研究界隈では、かゆみは「痛み以上に不快な感覚」として定義されています。それも十分に納得がいきますね。


他にもたくさん興味深い話がされていてとても面白い回でした。
しかし、せっかくのアメトークを純粋に楽しむことができなかった自分に少し悲しさを覚えました。職業病って怖いっすねぇ。。。


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