「ありがとう」と。


彼女は去った。理由もなく。

その姿はまるで天使のようで彼女だけ輝いて見える。

一歩一歩、僕から離れていく。その一歩一歩が地面を伝わり僕の身体に染みていく。

風に押されるように彼女を追う。でもその天使も風に押されているせいか、追い付けない。

どんどん遠ざかっていく。最後に一言だけ言いたかった。

「ありがとう」と。

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