クロゾフ

クロゾフ

最近の記事

劇団四季「オペラ座の怪人」と舞台装置と〈構造〉について。(※ネタバレ注意)

「オペラ座の怪人」は、世界中で翻訳または改変され、映画、舞台、ミュージカルなどの種類を問わず、さまざまなメディアを通して世に表れた。 オペラ座に巣食う怪人の、歌姫クリスティーヌへの倒錯した愛情表現が主軸となり、その破滅を描いた、と書けばどの脚本にも共通したものとなるだろう。 先日、劇団四季「オペラ座の怪人」を観てきた。役者の演技や歌のみならず、その舞台装置や美術の精巧さに圧倒された。これらの舞台装置は、この物語をまさに立体化させ、物語内部の〈構造〉を見事に視覚化していた。その

    • はったり模擬授業実践試論

      こんにちは、クロゾフです。今日は誰でも簡単にパフォーマティブ、つまり実力以上のパフォーマンスを見せることができる(=はったり)模擬授業の方法について書こうと思います。 模擬授業とは?教員を志す学生さんや現職の先生方は、折に触れて「模擬授業」を課せられることがあるのではないでしょうか。学校なら採用試験だったり研修だったり、塾なら社内イベントとして開催されていたりすることもあるでしょう。私は昔勤めていた塾の模擬授業イベントで、受賞経験があります。金一封もらって、その翌年やめてし

      • 『走れメロス』を〈構造〉で読んでみよっか。(完)

        https://note.com/textisneverdie/n/nfc459e3db13f しかしメロスはある瞬間から、王の論理に自ら組み込まれる。メロスは「三日間の日限」を懇願する。この瞬間は、テクストにおけるその描写からも一目瞭然である。メロスは敬語を使い始めるのだ。この場面で、メロスは王国における「支配-被支配」という〈構造〉に自ら取り込まれたことがわかる。その行為は、王にとっては願ったり叶ったであった。王の論理に組み込まれたメロスの行動は、予測が可能であった。王

        • 『走れメロス』を〈構造〉で読んでみよっか。(1)

          はじめまして、クロゾフです。今回は『走れメロス』を〈構造〉を視座にして読み解いていこうと思います。 さてまずはこの〈構造〉という仮説から説明してみましょう。まず、下の図を見てください。 よく見るタイプのクイズですね。バナナとトマトとスイカがあって、それらがなにかしらを意味しているようです。いかがでしょうか、いわゆる代数の問題とでも言いますが、小学校の時には△とか□で登場したのに、中学生になった途端、かっこいいxとかyで突然いきり始める、あの代数の問題と一緒ですね。ええ、こ

        劇団四季「オペラ座の怪人」と舞台装置と〈構造〉について。(※ネタバレ注意)