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BtoB企業にマス広告や交通広告(OOH)は有効なのか

こんにちは。noteをご覧いただきありがとうございます。

今回は、「BtoB企業にマス広告や交通広告(OOH)は有効なのか」について書きたいと思います。

「BtoBでもマスや交通広告に手を出す意味はあるの?」について私なりの見解をまとめています。

そして、手を出すとしたら、どのように進めるべきなのか、何に注意すべきなのかも後半で触れていきます。

結論:基本的にはうまくいかないので、「マス」という甘美な響きに釣られてはいけない

早速結論です。包み隠さずに言ってしまうと、基本的に上手くいきません。

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「うちでもテレビとかタクシー試そうと思ってるんだけど、どうかな?」と聞かれたら、私は大半の場合、「やめといた方がいいと思いますよ」と答えます。ある場合を除いては。「ある場合」についてはあとで説明します。

まず考えてみてほしいのですが、テレビやタクシーで見るBtoBサービスのCMで、かなり長期に渡って放映されているものと聞いてどういったCMが思いつきますか?

私は以下のようなCMが思い浮かびます。

・フロムスクラッチさんのb→dashのCM(おぎやはぎさんや霜降り明星さん)
・Sansanさんの「早く言ってよ~」のCM
・タクシーでよく見るSky株式会社さんのCM
・ビズリーチさんの「ビズリーチ!」というお馴染みのポーズのCM
・IndeedさんのCM(ちょっと前の千鳥さんのが記憶に残っています)

このくらいです。

かつてタクシー内の広告と言えば、痩身エストやAGA関連のチラシ的な広告が置かれている程度でしたが、タブレットが搭載されるようになってからタクシー広告はガラッと変わりました。

タクシーによく乗る方は分かると思いますが、このタブレットのタクシー広告ではBtoBサービスのCMがかなりの割合を占めています。

また、たまにテレビCMだったり、駅のデジタルサイネージでもたまにBtoBサービスの広告を目にするようになりました。

しかし、長期に渡って放映されているCMに限定して思い出そうとすると、その数はかなり少ないことに気づくのではないでしょうか

基本的に広告は費用対効果が見合えば(資金もある場合)どんどん広告予算を増資して事業成長につなげていきますので、広告が短期間で止まることは費用対効果が合わなかったことを意味します。

実際に周囲の企業の広告の出し方を見ていて、上手くいっているように見えるのはほんの一握りだという現実を頭に入れておきましょう。

なぜ基本的に上手くいかないのか

では、なぜ上手くいかない企業が多いのでしょうか。

簡単な話です。ターゲットが狭すぎるのです。

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BtoBサービスの場合、大抵のサービスはそれを検討する部門が決まっています。マーケティング部門が検討するサービス、営業部門が検討するサービス、人事労務部門が検討するサービス、などです。場合によっては職種だけでなく業界が限られているサービスもあります。

Web広告であれば、そういった職種や業界に応じてある程度のターゲティングを効かせることが可能です。日本の全人口から見ると狭いターゲット人口であっても、Webであれば適切なターゲティングをしていくことで十分費用対効果の高い施策を打つことは可能です。

しかしそれがテレビや交通広告となると、そうもいきません。単純な話で、マスにアプローチしようとすると、当然ターゲット外へのアプローチが増えますので、その分の費用は回収することが当然できずに、費用対効果の合わない施策になってしまいます。

それでもなぜ多くの企業でマスにトライするのか

つらつらと上手くいかない理由を書きましたが、「そんなことはわかっている」という方も多いと思います。

しかし、BtoB企業の広告施策の歴史を変えたのは、他ならぬ上述したタクシー広告だと考えています。タクシー広告を「マス」と呼ぶかというと、ちょっと違うかもしれませんが、Web広告と比べると配信費用も高いですし、経営陣やマーケティング担当には大きな意思決定です。なぜBtoB企業はタクシー広告にこぞって配信しているのでしょうか。

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1つは、「タクシーに乗っている人の多くは決裁層ではないか」という仮説です。テレビや他の公共交通機関、駅などのサイネージと比べて、タクシーは乗車する人の役職者率が高い、という理由です。

もちろんタクシーの価格を考えた時に、そうなるのは納得ですが、「とは言ったところで」が私の率直な感想です。

タクシーには当然役職者ではない方も乗ります。

・ご高齢の方
・現場の営業パーソン
・飲み会で終電をなくした人
・3~4人組の人たち

も多いことでしょう。他のマス・交通広告と比べて多少決裁層の割合が高いからと言って、本当に費用対効果が合うのでしょうか。大抵は「合わない」と思います。

しかしタクシー広告の価格がテレビなどと比べると比較的安価なこと、とはいえ会社の認知も広まって会社の成長を感じることができるという誘惑、などから安易にタクシー広告に手を出す企業が非常に多いと思っています。

もしあなたが、上手くいく自信もそんなにないままにタクシー広告を始めとするマス広告・交通広告・OOHの出稿を検討しているのであれば、ぜひこの記事を読んで考えて直してみてください

上手くいく可能性のある「ある場合」とは

しかし私は冒頭で「ある場合を除いて」やめておいた方がいいと書きました。つまり、「ある場合」に当てはまるのであれば、上手くいく可能性もあるということです。それは一体どういう場合なのでしょうか。それは2つあります。

数社の獲得で費用を回収できる高額サービス

1つ目が、高額なサービスで、数社マス広告をきっかけに獲得ができればその費用を回収できるというサービスです。

1,000人にリーチして、そのうち仮に30人しかターゲットがいなかったとしたら、かなり効率の悪いアプローチの仕方に感じますが、極論その30人のうちたった1人が興味を持ってくれて成約に至れば、費用対効果は合う、というサービスもあることかと思います。

上に挙げた例だと、Sky株式会社さんはおそらくこれに当てはまるのではないでしょうか。b→dashさんもライトなプランから扱っていますが、色々カスタマイズすると費用はそれなりに大きくなるので、これに当てはめても良いかもしれません。

もちろんこのタイプの企業はWeb広告も潤沢に使っている場合が多いと思うのですが、やはりWebでアプローチできない層は一定存在します。そういった層にアプローチできるのであれば、多少効率が悪くともしたい、という考え方です。

「いくらから高額サービスなの?」と言われると厳密な答えはありませんが、各種マス広告の検討をする際に、「一体何社の契約を獲得したらこの金額はペイするのだろう」と計算してみてください。それが数社で収まるのであれば、高額サービスと考えてもいいかもしれませんし、ざっくりとした計算すぎますが、その程度であれば十分可能性のある話です。

さて、ここから先は有料記事とさせていただきます。マス広告がハマりやすいBtoB企業の共通点のもう1つは何かからご説明します。ちなみに実際上手くいっている企業を見渡すと、もう1つの場合に当てはまっているケースの方が多いです。

また、その後は実際にマス広告や交通広告を打つことになった場合に、どのように進めていくべきか、何に留意していくべきかについてもご紹介します。

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