ワイヤレスイヤホン"VIE FIT2"が届いたので初日の体験レビュー

 クラウドファンディングで支援したリターンの製品が到着したので、初日の体験レビューを記しておきます。

これはなに?

 いわゆる"完全ワイヤレスイヤホン"です。コードのない左右独立型で、スマホなどの再生機器とはBluetoothで接続します。詳細は上記リンクをご覧頂きたいのですが、一番の特徴としては「イヤーチップから本体の間に耳栓状の部品(=シェル)が付いてる」ことです。これにより、従来のカナル型イヤホンにありがちだった、ふとしたことで耳から外れる(完全ワイヤレスの場合、転がって行って紛失まである)という事態を防ぎやすくなるという触れ込み。

なんで支援(購入)したの?

 欲しかったから。

と書いてしまうと身も蓋もないので、もう少し経緯を記します。

 元々カナル型イヤホンを愛用しているものの、イヤーチップのサイズを変えてもいまいちフィットが弱いというか外れやすかったので「イヤーフック構造以外で外れにくいイヤホンってないかなあ」と探していたのです。さらに、ずっと使っていた完全でないワイヤレスイヤホンのバッテリーがヘタリ気味で、かつコードがきしめん状のためか、強風が吹くとコードが風に引っ張られて外れる(というか飛んでいく)という憂き目に辟易していたので、この際に完全ワイヤレスデビューしたいなあ、と思っていたタイミングでした。

 そんな時、Engadget日本版にこんな広告、もといレビュー記事を見つけました。

耳からうどんを生やすのも嫌だけど、耳から黒いキノコを生やすのも嫌だなあと思っていたので、なかなか完全ワイヤレスに踏み込むことができませんでしたが、装着画像を見る限りではキノコよりやや小さめに見えました。さらに例の特徴により、落ちづらいということで、少しだけ悩んだ末に支援を決めました。

肝心のレビュー

 コロナの影響もあり、本来は2月末締め切りで3月中には納品されるはずでしたが、3月末まで期間延長され、発送が4月末、到着はつい先日の5月11日になりました。ずいぶん待ちましたよ…

 「簡易包装で発送」とあったので、ケースを直に封筒に入れてくるのかと思っていたら、梱包材入りアルミの封筒に封入されており、輸送事故に対しては安心できるものでした。封筒から取り出すと、薄いグレーでハガキより少し小さい感じの箱パッケージが登場。中にはイヤホン本体とイヤーチップ各種、USBケーブル(type-C)、充電機能付きケース、説明書、謎のシート。この謎のシート、説明書に名称だけ記載されていましたが、使い方に関しては記載がなく、マジで謎。透明の長方形のシートに黒い丸が4つ。なにこれ…。

 思ってたより本体がデカい。これは耳からキノコ生えちゃうかも…まあ仕方ないか。持った感じはとても軽く、そしてシェルが長い。「え、こんな大きいの入らない」と思ってしまう感じ。

 イヤーチップは本体付属のMサイズを含めて5種類です。SS、S、M、Lですかね。SSはうまいことハマらず、装着テストは断念しました。その他はすんなり本体に装着できました。

 …が、なんとイヤーチップ装着部分とシェルは単純に嵌め込んであるだけで、接着されていませんでした!イヤーチップを外そうとして少し引っ張るだけでズルリとシェルから中身が出てきて、ほっそいコードが露出したので若干慌てました。すぐに押し込んで事なきを得ましたが、力を入れすぎていると引きちぎれていた可能性もあります。怖かった…。シェルはシリコン製とのことですが、本体のプラスティック部分との接着にやや難があるのか、僅かな隙間や接着剤らしきものが露出していました。いわゆる"メーカー品"ではないので、これは仕方ないでしょうね。

 とりあえずイヤーチップ各種の装着テストを兼ねて本体をケースから取り出して、耳に軽く装着してみました。ん?普通のイヤホンと同じ装着感…?そんなバカな…?

 まあ、耳の穴よりだいぶ大きなイヤーチップだと当然そうなりますね。VIE FIT2の真価は、耳の奥に入ること。つまり従来のカナルイヤホンのように「チップで耳にホールドする」という選び方とは違いそう。ということで、普段はMサイズ適正のところをSサイズに換装。んー、逆にスカスカになる。いったん元のMサイズで、と現在はMサイズを装着しています。

装着感:諸々に慣れが必要そう

 まずイヤーチップを耳穴にあてがって、本体をつまんでグルグルと回転させて穴にねじ込んでいく。すると、徐々に耳の奥にイヤホンが入っていく感覚があり、やがて安定します。

 謳い文句ではスポーツ時でも外れにくいとありますが、普通に歩いたり走ったりするだけなら、本当に外れにくいです。ド安定。しかし顎の動きには弱いようで、食事していると徐々に耳穴から出ていく感覚になります。顎関節の挙動は耳にダイレクトに影響するので、これは仕方ないかも。

 耳の奥に差し込んでしまう作りなので、耳穴に外向きの力が常時かかります。そのため、今の時点では装着時と、装着後も少し痛みが生じます。普通のゴム耳栓でも似たような痛みはあるので、差し込み過ぎの改善も含めて、慣れにより緩和されるかなと思っています。

音質:ふつう

 オーオタではないので細かいことは分かりませんが、これまでのイヤホンと同様に問題ない音質でした。ドンシャリでも中音のみクローズアップでもなく、どの音域もフラットに再生してくれる模様。そして、従来のイヤホンより奥で音が鳴るので、音源が近い感覚は独特かも。耳元よりさらに近い。

遮音性:すごい

 一般的なカナル型のイヤホン自体がだいぶ高い遮音性を持っていますが、さすが耳奥まで入れちゃう構造だけあって、シェルが耳穴を塞いでもの凄い遮音性を発揮します。通話時以外はノイキャンじゃないらしいのですが、ノイキャンかと思うくらい静か。むしろ自分の体が発する内部音がうるさく感じる程です。

接続:問題なし

 説明書どおり、ケースから右用を取り出すとペアリング開始モードになります。スマホはSHARPのAQUOS R2を使用。普通にBluetooth接続設定を行うと、続いてケース内にあるはずの左側もペアリング設定が行われます。スマホがSnapdragon845搭載なので、左右の本体それぞれがスマホと通信できるようになっているらしいです。

 ペアリングを終えてスマホで音楽を再生すると、当然ですがイヤホンから音が聞こえてきます。試しに左だけ装着して右をケースに収めてみたところ、ピピっと音が鳴って、左のみ通信に切り替わりました。

 通勤時、いちどだけ勝手に音楽再生が停止してしまいましたが、それ以外は音飛びもありませんでした。とは言え、今は外出制限のおかげで電車も混んでいないので、あまり参考にはなりませんね。いずれ人混みが戻ってきたら、改めて通信強度を見てみたいです。

操作性:やや微妙だが、音量に関しては素晴らしい

 完全じゃないワイヤレスイヤホンの場合、リモコンが付いてる事が多いです。リモコンで曲送り/戻しや音量調整できます。

 対してVIE FIT2は完全ワイヤレスなので、本体にボタンが備わっています。耳を押すようにすると、再生/停止・曲送り/戻し・AI起動(AnoroidなのでGoogleアシスタントが起動します)・電源オフを行えます。

 音量調節ができない!

ちょっとした音量調節でも、本体を取り出して操作する必要があります。これはやや面倒。しかし、これまでのワイヤレスイヤホンでは必ず音量調節の際に3段階めのボリュームで音量が跳ね上がっていました。2段階目だとだいぶ小さい音量で、(リモコンだろうと本体だろうと)ちょうどいい音量にすることができなかったのですが、VIE FIT2だとなだらかに音量が上がっていきます。これは素晴らしい。

 ボタンの割当は設定させて欲しかったですね。連続して曲送りしたい時、ダブルクリック(1)→ダブルクリック(2)となるわけですが、2回めのダブルクリックの最初のクリック時点でトリプルクリック判定を受けてAIが起動してしまいます。AI使わないので、トリプルクリックを無効にしたい…。
(もしかして、音量はAIで変更すればいいのかも)

※通話の品質については、まだ本製品で通話したことがないので、数日後レビューにて記載します。

で、支援してよかった?

 はい。(終わり)

 というわけにもいかないので)1日使用した時点では、十分満足できる製品でした。接続は良好、外れなさと遮音性は抜群、音質は問題なし、操作性もまあどうにか。支援当時は割引率高めのリターンだったので、コスパ的にも十分でした。旧製品(VIE FIT)がAmazonで販売されているので、おそらくVIE FIT2もAmazonに並ぶ日がくると思います。

 特に外れにくさを求めてるイヤホンユーザーであれば、この製品は一度試した方が良いでしょうね。ちょっとした驚きの装着感です。

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