[2021年11月10日水曜日]言葉は歪んでいく

　短く簡潔にすれば不足が生まれ。
　丁寧にすれば錯覚が生まれてしまう。
　言葉が歪んでしまうのは、仕方がないことです。
　ですから、かみひこうきを飛ばしましょう。
　あれは、窓辺から飛んだ伝説の……。

テツガクちゃん
　気づいてしまいました！　私！
　言葉が歪んでしまうのは。
　仕方がないことに。

　短く簡潔にすれば不足が生まれ。
　伝えたいことが歪みます。

　丁寧にすれば錯覚が生まれ。
　伝えたかったことは歪みます。

　言葉どころか。
　面と向かって話しても。
　きっと、伝わらないのでしょう。

　全ての物事は歪み。
　自分の表現方法という魔法も歪みますから。

　それは、詮無きことです。

肯定
　そうだね……。
　物語を描くのは、その歪みとの戦いだよ。
　
　簡潔に短くしたい。
　だけど、それでは不足があるから。
　少し丁寧にすれば、錯覚を生む長さになってしまう。
　　　
　伝えたいことが伝わり難いのは。
　仕方のないことかもしれないね。

　重なる力。
　その重力の前では。
　目に見える、全てのことは平等に歪むから。

　歪まないのは。
　心の奥にある、見えないものくらいかな。

テツガクちゃん
　目に見えるものは歪み。
　目に見えないものは歪まない。
　まるで、矛盾のように歪んだ関係ですね。

　その関係が歪むことなく。
　何かを歪ませ続ける。
　運命と自由意志のように。

　ですから、伝えたい気持ちを諦めるのではなくて。
　歪まない気持ちを描いた。
　『紙飛行機』を窓辺から飛ばしましょう。
　
　言葉という魔法が歪んでも。
　その中にある何か。
　それが、歪むとは限りませんから。

肯定
　限らないね。
　窓辺から飛び立った、あの紙飛行機。
　歪み、よじれ、ねじれ、急旋回して、揺れて、乱れ飛ぶ軌道。

　重なる力が見える全てを歪ませるのなら。
　きっと、この紙飛行機も歪む。
　あれは、伝説の過未飛行機。

　同じように見えるけど。
　少しだけ歪んだ『カミヒコウキ』。

　過去と未来、その過未の領域を旅する飛行機なら。
　いつか伝えたかった気持ちも届きそうだね。

テツガクちゃん
　伝説ですからね。
　きっと、届き伝わりますよ！
　
　言葉や目に見えるものが歪んでしまうこと。
　それは、詮無きことです。

　ですが、伝えたかった見えない気持ちまでもが。
　歪んでしまうとは限りません。

　紙飛行機が過未飛行機に歪めば。
　きれいな真っ直ぐの軌道では。
　届かなかった場所にも届くはずです。

　世界が歪んでいくのなら。
　その歪みの力を借りて進む。
　様々な風にのって飛ぶ。
　あれは、伝説の『カミヒコウキ』。

　あなたが窓辺から飛ばす、かみひこうき。
　それは、どんな形ですか？

　どんな形でも、それは届けたい人に届きます。
　変わることのない運命が見せる、自由な軌跡は。
　奇術師もびっくりな飛び方。

　そんな信じられない軌道を。
　想像しましょう、歪んだ軌道でも。
　迷わずに一つでも多く、飛ばしながら。

　想像のラインが見えたら。
　掟破りのワガママ走り、『小柏文法』です。

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それでは、また次の機会にお会いしましょう。

言葉は歪んでいく