2020-05-06 「私の考え」を読んだ

この休みを利用して、三浦瑠璃著「私の考え」を読んだ。

この作品は、2016年から2018年に掛けて『週刊新潮』に連載されたものをまとめ・編集したものである。

この本を読んで、つくづく作者の明晰さを実感した。

論じる事象に対し、バイアスを排除し、多方向からの視点を持って、簡潔に、分かりやすく論じており、質の高い文章となっている。

テレビのワイドショーやニュースでは、限られた視点で、決められた方向性で語られることも多く、物足りなさを感じていたが、そんな思いを補う以上に満足させるほどの広い視点からの解釈が示されている。

作者のことは、数年前に”NewsPicks”に出演しているのを見かけ、Twitterをフォローしながら、時々読むブログでの明晰な文章が気に入っていたのだが、書籍を読むのは今回が初めてであった。

この本を読みながら、”YouTube”に上がっていた数カ月前の参議院予算委員会での公聴会を見たが、”圧巻”の一言。果たして今の国会議員の中にこの人と渡り合える論客はいるのだろうかと思ってしまった。しかし、国会議員の方々の出席者が少なすぎるんでないか?

再び、本書の内容に戻るが、先に”バイアスが排除されている”と述べたが、若干、”女性”や”母親”を語る際に力みが感じられるような気がした。自身が”女性”であり、”母親”であるとともに、男性では経験できない、理解できないほどの思いと経験の中で立ち向かってこられたことによるのかもしれない。また、こんな見かたをしてしまう私自身になにかバイアスがかかっているのかもしれない。

いずれにしても、今後も注目していきたい作者であることは、間違いない。

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