無条件で愛してほしいから学生さんと会った話。
最初に連絡をもらったのは、サービスサイトの問い合わせフォームでした。
「大学の授業で人工知能と職業について調べており、ぜひお話を伺いたく問い合わせさせていただきました。よければお時間をいただけないでしょうか。ご連絡お待ちしております。」
問い合わせしてくれたのはとある女子大学の1年生で、ゼミではなく1つの授業の課題発表のために話を聞きたいということでした。
うちの会社については、インターネットで「人工知能×職業」などのキーワードを検索して、何回も画面をスクロールしてようやく見つけてくれたとのこと。AI関連企業で働いている先輩や、大学教授などに連絡をしてみたけれどいずれも快い返事はもらえず、藁にもすがる思いで当社にたどり着いたようでした。
実際に会ってみた
実際にオフィスに遊びに来てくれるということなので平日の昼間に来社してもらいました。自分が大学1年生の時はもっとアホみたいだったのに、それに比べてずいぶんしっかりしていて礼儀正しく大人に見える学生さんでした。事前に人工知能関連の本を何冊か読んできたそうです。
「人工知能が発達していく中でどういう職業がなくなっていくのか」「実際にサービスのどこに人工知能が使われているのか」などいろいろな質問をもらいました。
※回答については省略しますが、この記事を読んでいただけると嬉しいです。
話が終わり、自分の拙い話でも少しはためになる内容があったようで安心しました。翌日に、発表スライドで使用するためにロゴ画像などのメディアキットを渡して、代わりに丁寧なお礼の連絡をもらいました。
なんで会ったのか
彼女は見込み顧客でも採用候補者でもありません。それでも、時間を割いて丁寧に話をするのはとても大事なことでした。
会社自体を無条件で愛してくれるファンを作る機会だと思ったからです。
「サービスが使いやすいから好き!」だったり「デザインがかっこよいから好き!」場合によっては「すごく儲かるから好き!」というファンがいるサービスは多くあります。
でも、サービスが使いにくくなったら、デザインがダサくなったら、儲からない仕組みになったら、はたまたもっと良いサービスが出てきたらすぐにファンは移り変わってしまうでしょう。
無条件で愛してくれるファンは、うちの会社が存続する限り愛着や好感を持ち続けてくれます。たとえピンチに陥ったときでも、応援してくれる貴重な存在です。そして彼らが感じる好感や、語るエピソードは周囲にも伝播しうるものです。
そんなファンの獲得は、優れたサービス自体ではなく人と人とのエモーショナルな体験によってもたらされるものだと、僕は考えています。
会社やメンバーへの感情は移り変わらない
前述のとおり、サービスの使いやすさやプロダクトのデザイン、利益などは時間とともに移り変わってしまうものです。
一方で、「あの会社の◯◯さんには以前とても良くしてもらった」「◯◯っていう会社はみんな感じが良い」というような感情は移り変わることはありません。時間が経っても会社や僕のことを思い出してくれたり、時にはクライアントの紹介をしてくれることもあるでしょう。
今回お会いした学生さんはクライアントの紹介はしてくれないかもしれません。でも、どこかでうちの会社のロゴを見かけたら、テレビのニュースで社名を見かけたら、おそらく友達や家族にあの時の話をしてくれるでしょう。
まとめ
企業のPRとはステークホルダーとの良好な関係を築く役割です。でも、ステークホルダーの種類を区別しても、差別はしたくないものです。
会社に関係がある人、興味を持ってくれた一人ひとりにできる限りの対応をすることが、ゆくゆくはビジネス的に重要なステークホルダーの印象もプラスに変えていくと思っています。
そして何よりも、自社に興味を持ってくれる人と話すのは楽しいし、好きになってもらえたら嬉しい!これに尽きるので、こういった機会があったらぜひ同じように対応してあげてください。
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