望田幸男著「ナチス追及」を読む
講談社現代新書。
ベルリンの壁崩壊直後の1990年に描かれた本作では、当然のことながらユーロ圏の支配者となった統一ドイツの姿も、移民とエコ思想でガタガタになった21世紀のドイツも描かれてはいない。
30余年を経て今読むと、価値観のドラスティックな転倒が見られ、興味深い。
大方の学者の例にもれず、著者望田氏は左派である。社会主義に共感を示し、勝者によるニュルンベルク裁判での遡及法によるナチ戦犯の処罰を当然のことと受け入れ、ドイツ同様日本も、第二次大戦での悪行について永遠