10年の積み重ねが地域をより良くする〜結い市

街づくり、地域づくりと言われますが、地域をより良くする活動ってどんな名称が一番しっくりくるかって今だにわかりません。地方創生っていうのも違うと思いますし。（ただ共通言語としての伝わりやすさとしては非常に良い言葉です）。

今回のそういう中で、できては消え、初めては終わりという活動が結構ありますが、自分の関わる中では、やはり地道に１つ１つ積み重ねてやっているものが結果的に良いものが多かったという話です。

僕の活動は以前のブログで書きましたが、その中の「地方/地域」活動における重要なターニングポイントになったのは茨城県結城市での活動です。
（もう１つは宮城県石巻市です。それはまた別の機会に書きます）

結城市は茨城県の西部にあり、隣はすぐ栃木県小山市で宇都宮市にも近く、栃木の経済圏と言える場所です。しかも東京に行くのも結構近い（90分）。

そこで行われている結い市という祭りの話を。
まずは映像を見てもらった方が早いかもしれません。

ここにあるように、結城藩の古き良き城下町で、古民家や店と蔵が一体になっている見世蔵がまだまだ残っている風情ある街です。
伝統的な産品は着物では有名な結城紬があり、商店街には、酒蔵、味噌、醤油など発酵系の店が立ち並びます。

そこで10年前に始まったのが結い市です。

結い市の始まりは、健田須賀神社で10月に行われていた収穫を祝う夜神楽祭で、そのお祭りに繋げるものとして、地元の若手が立ち上げた結いプロジェクトという団体が結い市を企画しました。
モノづくり、食、音楽の３つの要素を含んだマルシェ的なイベントです。

1年目、2年目は大雨でかなり大変なスタートだったらしいですが、僕が参加した3年目（2012年）からは晴れが多く、徐々に規模も拡大し、5年目ぐらいには2-3万人を集める祭りとなりました。
毎年のトリは伝統の雅楽です。

僕の出身は結城市ではなく、その２つ隣の桜川市というところです。
その時は茨城に住んでおらず横浜在住の自分が、では、なぜ、この結い市を企画する結いプロジェクトに関わるようになったか？

答えは、

この結い市のデザインを見たからです。

当時、僕は地元にはカッコよくものなんて１つもないんじゃないかぐらい思っていて、2012年にこのデザインを見た時にかなりの衝撃を受けました。こんなにかっこいいデザイン、かつ、祭り自体のクリエイティブも凄いものが、こんな実家の近所にあったなんて、、、、

それを知ってから、すぐさまこの結いプロジェクトのHPの問い合わせメールアドレスinfo@に「なんでもいいから関わらせてもらいたい」とお願いし、当日のボランティアをしたのでした。
※このデザインは結いプロジェクトの小池さんの作品でした。小池さんのHPはこちら
※結いプロジェクトのかっこいいデザインの数々はこちら

結いプロジェクトは20-30人のメンバーで構成され、会社員、デザインー、建築士、商工会議所職員、看護師など様々な職業の方がボランティア参加する任意団体です。
特徴的なのが、そのうち半数は結城市以外のメンバーということ。
近隣の町から来たり、時には県内の遠いところから、県を超えてくるメンバーもいます。来るもの拒まず去るもの追わずの精神とのことです。

関わるようになってから8年経ちますが、年に1回の祭りも地道に続けていますし、何より日常でも色々町をより良くしようと活動をしています。

その根底は、「自分がいる場所を面白くすることをしたい」
という気持ちではないでしょうか。
面白くしようと頑張っていたら色々な人（お客さん、仲間、地域の理解者）が集まって来てくれたというような。

そして、地元の祭りに全国から出展者やお客さんが集まるようになり、音楽のコンテンツとしても全国から僕らが好きでたまらない人たちが出演してくれるようにまでなりました。
（上の写真は大好きな京都のインストバンドjizueです。）

物事は1-2年にしてならず、　なことが多いですが、少しずつ積み重ねて行くことで厚さを増してくるなと感じます。
今、結果がなかなか見えなくても、続けることが大切だなと。（ダラダラ続けていても仕方ないですが）
そうすればその先には、きっといい未来が待っていると思います。

結城市に関してはこの結い市以外にも関わりができてくるのですが、それはまた別の機会に書きます。
結い市から派生した、音楽特化型の「結いのおと」の話もしたいので、最後に結いのおとのPVを貼っておきます。