COVID-19での肺血栓塞栓についての文献まとめ その2

FacebookでのCOVID-19関連topicに投稿したりして色々と教えて貰いました。

4月24日Circulationからのレポート

フランスのリール市からの報告が出ていました。

Pulmonary Embolism in COVID-19 Patients: Awareness of an Increased Prevalence | Circulation
https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.047430?fbclid=IwAR3NhkTxFlYyhpaS1liz0im_IXOoeq236OhNMD_S_uQ71jG1S4pyt5qmTwU

* 107名のCOVID-19 ICU入室患者中、22例でPTEがあり、DVTが確認されたのは3例のみ
* なお、この22例中20例はUFHないしLWMHで予防的抗凝固がなされていた、と。
* 他の理由でICU入室した患者 (196例中、PTE12例、DVT7例)、インフルエンザでICU入室した患者 (40例中、PTE3例、DVT1例)と比較して、PTEが有意に高く、DVTの占める割合が有意に低い。
* 結論としては、肺動脈の変化は塞栓では無く血栓が主体では?という事。
* なお、この地域はobesityの患者が多いので、populationに少しbiasがあるかもしれない、と

無題

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個人的印象としては

* 抗凝固してもmassiveに塞栓子ではなく血栓子が出来るっていうのは、少し驚き。
* cerebral infarctionは合併症として存在はするが、そこまで合併症として騒がれていない事を考えると、肺動脈に特異的な血管壁ダメージを与える何かがあるのかもしれない。
* 血管壁損傷の他に末梢肺血管抵抗の上昇で肺動脈の停滞でも起きるのだろうか。

というところ。

ISTH(国際血栓止血学会)からの声明

3月25日付けで、国際血栓止血学会からCOVID-19の抗凝固についてはinterimではあるもののguidanceが出ている事を教えて頂きました。

ISTH interim guidance on recognition and management of coagulopathy in COVID‐19 - Thachil - - Journal of Thrombosis and Haemostasis - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jth.14810?fbclid=IwAR05oyf7JVZGb4rRrUXJgHsnBPh7vtzqZoqqeKS48pK6uZ82H9KNsBmnF0U

やはりD-dimerをマーカーにして、治療を適当を見ていくのがよさそう、というところ。


無題


引き続き、勉強します。


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