映画は植物だ。<『レオン 完全版』研究報告>
はじめに
どうも、こんにちは。
「午前十時の映画祭10」にハマり、全27作品を制覇してしまったことで、過去の名作映画を浴びるように鑑賞している大学生・大矢哲紀です。笑
先日、始めたばかりのnoteですが、貴重な時間を割いて、読んでくださる皆様のおかげで続々と♡をいただいております。
本当にありがとうございます。
本日は「午前十時の映画祭10」で上映された作品の中でも、とりわけ若い方の知名度が高く、ファンも多い不朽の名作をご紹介します。
作品を観た方も、観ていない方も、楽しめる内容を心掛けて書いてみましたので、よろしければ、最後までお読みください。
(また、文末では、現在、本作を上映している関西の映画館も紹介しております。お時間がある方は、ぜひ、劇場の大スクリーンでコチラの作品をお楽しみください。)
今回の作品
『レオン 完全版』
監督:リュック・ベッソン/制作国:フランス、アメリカ/上映時間:133分
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm1638885376
あらすじ
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm1785168896
NYの一角。
マフィアの依頼を引き受け、生計を立てている孤独な殺し屋・レオン。
ある日、家族を失った少女・マチルダに出会った彼は、彼女を守るため、日夜、行動を共にするが……。
魅力的なキャラクター
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm4071228416
本作の見どころの一つは、グッズとしてアイコン化されるほどに愛されているレオンとマチルダのキャラクター性と言えるでしょう。
出典:https://store.shopping.yahoo.co.jp/soregashi/ch21.html?sc_e=slga_pla_i_shp_02502#
上記のように、いまやスマホケースのデザインにまで採用されているレオンとマチルダ。
その理由には、2人のオシャレなヴィジュアルがあるとは思うのですが、注目してほしいのはキャストとキャラクターのハマり具合。
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm3058590976
レオン役を演じたジャン・レノさんは、いまや、CMでの「実写ドラえもん」のイメージが強く定着しつつありますがw、その起用は間違いなく本作の名演に由来しているといえます。
OPで冷酷無比な彼の仕事ぶりを見せた後、観客が見るのは、牛乳を飲み、優しく植物に水をやる中年男性の姿。
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm516136705
恐ろしく見えていた彼が、実はピュアな少年のような心を持っているというギャップが、人々の心を強く惹きつけるのです。
一方、ヒロインのマチルダを演じたのは、当時13歳だったナタリー・ポートマンさん。
後に『スター・ウォーズ』シリーズのヒロインとして、一躍、ハリウッドスターの仲間入りを果たし、『ブラック・スワン』(2010)では、アカデミー主演女優賞を獲得した彼女ですが、本作はその記念すべきデビュー作。
天使のようでいて、大人っぽさを兼ね備えたビジュアルには、他の俳優がマネできない唯一無二の透明感がありました。
脚本の娯楽性
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm1089510913
また、本作の素晴らしい部分として、恋愛・アクション・笑い、全ての要素が詰め込まれた脚本の娯楽性も挙げられます。
年齢や環境にとらわれない男女の深い恋愛物語、手に汗握る殺し屋・レオンのアクション、親しい2人の間柄から生まれる自然なユーモアには、誰しも笑みがこぼれてしまうのではないでしょうか。
これらの要素が見事なバランスで配置されることで、時代を超えても色あせることのない見事な娯楽性を作り上げているのです。
「孤独」という共通点で結ばれた2人
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm993345280
本作が秀逸なのは「孤独」という共通点で結ばれた2人の交流が描かれているところでしょう。
年齢や生まれた環境は違えど、心で結ばれていくレオンとマチルダ。
そんな2人が複雑な事情を抱えながらも、心の中に大人びた部分と子供っぽい部分を併せ持っているという設定が絶妙で、とても印象的でした。
ちなみに、本作ではレオン本人の口から彼の過去が語られるシーンが登場するのですが、これが採用されているのは完全版のみ。
ほかにも、2人がレストランで食事をするシーンや、マチルダの特訓シーンなども劇場公開版ではカットされているため、2人の人物像を、より知るためには、完全版での鑑賞がマストと言えます。
リュック・ベッソン監督による殺し屋映画の最高峰
出典:https://www.imdb.com/title/tt0110413/mediaviewer/rm943013632
本作の監督・リュック・ベッソンさんは、これまで「殺し屋」を主人公にした様々な作品を世に生み出してきました。
本作が作られるきっかけにもなった女性暗殺者が活躍する『ニキータ』(1990)
出典:https://www.imdb.com/title/tt0100263/mediaviewer/rm389299200
彼が製作・脚本を担当した凄腕の女性殺し屋が主役の『コロンビアーナ』(2011)
出典:https://eiga.com/movie/57114/gallery/
そして、現在公開中の女性スパイによるアクション映画『ANNA/アナ』(2019)
出典:https://eiga.com/movie/57114/gallery/
これらの作品も、かなり楽しめる映画であることに間違いはないのですが、やはり見比べてみると、本作こそが監督による殺し屋映画の最高峰であり、監督の代表作だと言えます。
その理由は、シンプルながらも胸を打つ物語の完成度。
キャラクターの魅力に惹かれつつ、共に逃避行をするように駆け抜ける本作には、深い愛情ゆえに待ち受ける壮絶な顛末が待ち受けています。
どうしてもアクション重視に感じてしまう監督の他作とは異なり、本作で味わえる衝撃と感動には深い余韻が残るはず。
ぜひ、この類の作品が苦手な人にこそ観てほしい一作です。
今回の小道具
今回は100均のドライフラワーを使用して、本編で印象的だった植木鉢に入った植物を再現してみました。
おわりに
本作では、劇中に登場する「植物」が大きな意味を持っていました。
しかし、「植物」というものは、ある種、「映画」に例えることも出来ると思っています。
名作に出会った時、心に植えられた種は、人との出会いの中で、少しずつ根を張り、ふとした瞬間に芽吹く。
僕はそう思っています。
様々な名作を観るだけでなく、そこから感じ取った強いメッセージや忘れたくない気持ちを大切に、日々の生活に結び付けていくことが出来れば、映画の鑑賞体験は、よりかけがえのないものになるのかもしれませんね……。
ここまで、長々と呼んでいただき、本当にありがとうございました。
今回、紹介した名作『レオン』は、現在、全国各地でリバイバル上映中。
是非、お時間のある方は、劇場にも足を運んでみてください。
それでは、また、次回お会いしましょう!!
[劇場情報]
<兵庫県>
OSシネマズ ミント神戸さん(上映終了日未定)
109シネマズHAT神戸さん(上映終了日未定)
<大阪府>
109シネマズ大阪エキスポシティさん(上映終了日未定)
109シネマズ箕面さん(上映終了日未定)
P.S.
このサイトでも記事を寄稿しています。
作品の深い考察や疑問点などはコチラに執筆しておりますので、気になった方は、合わせて、是非。
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