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夏の甲子園:大再編のチャンスを逸し、しぶとく1世紀

夏の高校野球の地方大会が、佳境に入りつつある。今年は甲子園で行われる選手権の100回記念大会とあって、朝日新聞も必死に盛り上げるだろう。しかし毎年のように炎天下で、自治体が「運動は原則中止」などと熱中症への注意を呼びかけているというのに、酷暑で連日のプレーを強制し、特に投手については肩を休める間も十分とらせてもらえない実態は変わらない。

野球記者時代に大会を取材した2007年、同時期に大阪で行われていた世界陸上は、早朝と夕方以降に競技を行うのが原則だった。「世界基準」でみれば高校野球の「非人道性」は明らかだ。人権を重んじるリベラル派を自認する朝日新聞が主催者として、なぜこの「奇習」を1世紀も抜本的に見直さないのか。一度「夏の風物詩」として伝統行事になってしまうと、外圧なしに自律改革ができない日本社会の体質を象徴しているとも言えよう。

しかし、脈々と続いてきたようにみえる奇習も、実はつい十年ほど前、一大転機を迎える出来事があった。それは高野連や朝日新聞にとっては大ピンチであり、野球界の古い体質を変えようとする勢力にとっては大チャンスだった。

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