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フィルムとデジタルの違い LeicaM3とGR

広島の町でストリートスナップをしてきたんだけども、「LeicaM3」と「RICOH GR」の二刀流という装いでした。

LeicaM3は、「Summicron 50mm F2」「Kodak UltraMax400」

RICOH GRは、28mm単焦点レンズ(F2.8)でAPS-CサイズCMOSセンサー約1620万画素。

まあ単純に比べようがないのではあるが、ちょっとしたニュアンスの微妙な違いをじっくり見てみよう。

もちろんカラーネガフィルムは自家データ化しているので、本来の色味とは違うのだけれども、見比べてみて機能的な違いだけではない思想的な違いも感じていただけたらということで。

※掲載写真はnote用に圧縮したものです。


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LeicaM3「Summicron 50mm F2」「Kodak UltraMax400」


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RICOH GR エフェクト「ポジフィルム調」


こう見ると50mmは肉眼で見るより少し圧縮効果を感じる。

28mmの方が肉眼に近いような気がするけど、奥行きなどの立体感が違う。

調べてみると、人間の視野は単純に「〇〇mm」なんて言えないようだ。


色合いはKodakブルーと粒子感のあるフィルムの写真の個性が尖っている。

この辺はデジタル世代なので、珍しく見えるからかな?

GRの方は、普通の撮る写真はTHEデジタルという感じがするので、基本的にRAWかエフェクトをかけてのJPEG撮影を行ってます。

でもRAWイジるのがクソ面倒くさくて嫌いなので、結局はエフェクト頼みの一発勝負になっている。う~ん、GR。

まあGRはモノクロ撮影用として買ったので、そもそもカラーは期待していなかったけど、写真のようなポジフィルム調エフェクトは人物を撮るとなかなか良い質感が出るのでたまに使っている。


フィルムとデジタルの違いがわかりやすい写真だと思うのだが、やはりフィルムは質感、デジタルは精度という感じがする。

これは露出計もついていないM3で36枚しかない中での一枚、シャッターボタンを押すたびに頭の中で資本主義の小さな歯車がコリコリと回る、そんな撮影時の強烈な心境をも混ぜ込んでいるので、情報量の「質」の高さがそう感じさせてくれていると思う。よって撮影者にとっての自己満足感への多大な脚色的貢献で、哀れな沼の住人を量産させている。要するに他の人が見るより、10倍界王拳くらい思い入れがある作品が仕上がる。

デジタルはむしろそんな無駄な情報(雑念)を排して、量で本来の命題を取りに行くスタイル。まさに工業的なスペック精度、大量消費社会のシステムを自己満足へ落とし込んだ製品だ。まさに情報過多かつ多忙な現代人に適応した存在。

どちらが良いというわけではなく、カメラに何を求めているかで上記の写真を見る角度が違ってくる。


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LeicaM3「Summicron 50mm F2」「Kodak UltraMax400」


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RICOH GR エフェクト「ポジフィルム調」


こういう縦構図で奥行きがある場面では、望遠であればあるほど立体感があって良いですね。

50mmでも立体感が素晴らしいのは、summicronのシャープな画のおかげでもあります。

Kodakのフィルムは、データ化する際のホワイトバランスの撮り方が難しくて青みがかりすぎるけれども、印刷するとそこまでひどくはありません。

やっぱりフィルムは印刷しろとよく言われるのは納得ですね。

それにしてもRIZAPばりに財布を軽くしてくれるなあ。


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LeicaM3「Summicron 50mm F2」「Kodak UltraMax400」

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RICOH GR エフェクト「ハイコントラスト白黒」


こういう人工物、はっきりとした明暗差、アート(っぽくしたい)構図、となるとGRのハイコントラスト白黒の本領発揮ですね。

ハイコントラスト白黒は、ほとんど真っ黒か主題不明の失敗写真になりますが、10枚に1枚くらい「おっ!」となる写真に出会えます。

GR買ったのは、こういう偶然の産物を楽しむためだったりします。まあ狙って撮れたら一番なんですが、性格的にそうなると面白みがなくなってしまうので(笑)


かといってsummicronの水面の描写は、デジタルでは味わえない写りですよね。

これぞフィルムという感じで、デジタルでは汲み取れない情報、不要な情報まで載せてしまうところがフィルムカメラの面白さです。


僕の中では「デジタルは市販のカレールー、フィルムはスパイスを混ぜて作るカレー」というイメージです。

デジタルはたいてい「まあまあ」撮れます。全部カメラがやってくれますし、あとで調味料足せますからね。

フィルムはスパイスを色々調合して、ああでもないこうでもないといって最高のオリジナルカレーを目指して作る「過程カレー」です。

もちろんスパイスの調合を極めれば、市販ルーにも負けない味と再現性を持たせることができるんですが、その道は険しい・・・


いやあ道は厳しい・・・経済的にも・・・


そう考えると、GRはフィルムよりのデジタルですね。

旧東側諸国でいうと、チェコみたいなカメラです。


フィルムとデジタルの違いの総括として、

「みんな違ってみんな良いけど(最近)みんな高い」

「自己満足に求めるベクトルを探し続ける旅」

「ランニングコストで死ぬか、すぐ飽きて買い替えを繰り返して死ぬか」

「結局、iPhone」

以上!

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