見出し画像

必殺技になりそうな小説のタイトル:簡易版~植物・虫・音編

今回は「必殺技に使えそうな小説のタイトル」を一挙に並べていきたい。あらすじの説明は基本的にしない。ただ並べるだけである。

植物系のタイトル

薔薇ばらの名前(ウンベルト・エーコ)
鳳仙花ほうせんか(中上健次)、夢幻花むげんばな(東野圭吾)
草迷宮(泉鏡花)、牡丹灯籠(三遊亭圓朝)
かきつばた(井伏鱒二)、たんぽぽ(川端康成)
谷間の百合(オノレ・ド・バルザック)
槿あさがお(古井由吉)、武蔵野(国木田独歩)
Catcher in the rye(サリンジャー)
蜜柑みかん(芥川龍之介)、檸檬れもん(梶井基次郎)

植物系の技を名づける際は、草や木、森だけでなく、花や果物についても想像できるようにしておきたい。

例には挙げなかったものの、ボードレール『悪の華』も良い。

虫系のタイトル

さそりの火(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より)
道化師の蝶(円城塔)、蜘蛛の糸(芥川龍之介)
いなごの大旅行(佐藤春夫)、高野聖こうやひじり(泉鏡花)
はえの王(ゴールディング)、変身(フランツ・カフカ)
たで食う虫(谷崎潤一郎)、方舟はこぶねさくら丸(安部公房)
絹と明察(三島由紀夫)
グラスホッパー(伊坂幸太郎)、マリアビートル(伊坂幸太郎)

泉鏡花『高野聖』にはヒルが登場する。谷崎潤一郎『たで食う虫』は、ことわざ「蓼食う虫も好き好き」より。安部公房『方舟さくら丸』にはユープケッチャという架空の昆虫が重要となる。フランツ・カフカ『変身』は、虫に変身してしまった銀行マンの話である。伊坂幸太郎『グラスホッパー』のグラスホッパーはバッタを、『マリアビートル』のマリアビートルはテントウムシのことを指す。

虫から蜜や絹といったものにも連想を広げておきたい。

音系のタイトル

沈黙(遠藤周作の長編、あるいは村上春樹の短編)
Silent cry(大江健三郎『万延元年のフットボール』の英題)
沈黙の春(レイチェル・カーソン、ノンフィクション)
素数の音楽(マーカス・デュ・ソートイ、ノンフィクション)
器楽的幻覚(梶井基次郎)、ノルウェイの森(村上春樹)
ニーベルングの指環(ワーグナーの楽劇)
ブリキの太鼓(ギュンター・グラス)
ジャン・クリストフ(ロマン・ロラン)
歌行燈うたあんどん(泉鏡花)
蜜蜂と遠雷(恩田陸)、羊と鋼の森(宮下奈都)

沈黙系もこのジャンルに含めることにした。村上春樹『ノルウェイの森』はThe Beatlesの『Norwegian Wood』という楽曲に由来している。ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』のモデルはベートーヴェンらしい。

長すぎるものの、横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』も面白い。

平素よりサポートを頂き、ありがとうございます。