見出し画像

ATフィールド全開!

つい先日の話。とても優秀だった人が会社を辞めました

1年とちょっと前、その人の一次面接を担当したのは僕でした。入社時の配属が僕のチームではなかったから、その人のマネジメント的には僕の責任の範疇ではなかったのだけれど、それでも一次面接に合格の判断をしたのは僕なのだから、ある意味では僕にも責任があるのかな、という風に感じる面もあるわけです。


業務内容とのアンマッチ

その人はWebディレクターとして採用したのだけれど、結論から言うと、その人は「ディレクター」というよりも、セルフディレクションができる「制作者」でした。自分一人でディレクションから制作までできてしまうのだから、ある意味ではスーパーな能力で素晴らしいのですが、チームでプロジェクトを進行する体制における独断専行は、組織の中においては欠点というほかありません。

結局、その人は自分で全部やりたかったんですね。人に任せることが苦手だった。ある意味では責任感が強いとも言えます。ただ、こちらが期待している、組織の中での業務・役割を担うには、本人のスキルや経験、そして何よりも仕事に対する考え方がマッチしていなかったのだと思います。


極端なコミュニケーション下手

その人は、業務上のコミュニケーションはとてもスムーズで、電話やメールのやり取りを通して、お客さまからの信頼も勝ち得ているように見えていました。プロジェクトメンバーとの社内ミーティングでの様子を見ていても、とても和気藹々とした雰囲気で気持ちよく発言する。面接の時の印象もまさにそのような感じだったのです。

しかし仕事を少しでも離れた瞬間、その人は心の扉を完全に閉じてしまいまいた。まさに『新世紀エヴァンゲリオン』の初期の碇シンジくんよろしく「ATフィールド全開!」状態になってしまうのです。ランチ休憩も完全に一人で行動し、定時が来るとさっさと帰ってしまう。周りの同僚にプライベートやパーソナリティの部分をさらけ出すことは一切ありませんでした

僕や他の面接官に見せていたコミュニケーション力は、いわゆる「ビジネス」の一環だったのでしょう。それができるのもちょっとした能力ではありますが、会社という組織に属している以上、完全にプライベートのつながりを断つというのもなかなか難しい話です。


採用に関わった人が辞めていくのを見送るということ

やはり自分が面接を担当した人が辞めていくのを見送るのは悲しいものです。 今回のケースは、直属の部下ではなかったことと、日常の行動からある程度予想ができた事態だったのでまだ衝撃は小さくてすみました。直属の部下から「すみません、ちょっと相談が……」と話を切り出される悲しみは、本当に計り知れないものがありますよね。

とにかく仕事の内容さえマッチしていれば、発揮できるパフォーマンスには素晴らしいものがあるのですから、次の職場がその人の仕事のスタンスにぴったりマッチしていることを心から願っています(╹╹)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?