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おっしゃる通りだよ・・・

中三の息子、進路や受験については何度も何度も・・・と言うか、かなり日常的に色々と話をしてきた。
私自身、子どもの頃はあまり学校の勉強は好きではなかったし、学校には勉強をしに行くのではなく友だちに会いに行っていた。
そんな私も母になり、息子と将来について話をする。

前述の通り、お勉強についてのアドバイスはあまりできない。
私が親として、というか、センパイとして見せてあげられるものは、「世の中には本当にいろんな仕事や役割があって、そこにはこれまた色んな人がいるんだよ」と、平たく言えば人生の見本市のような大人たちに出会わせてやること。

だから、高校受験が全てではないし、「どんなことに興味があるか」とか「どうありたいか」なんてことを考えてみて欲しい。
「何のために高校に行くのか」も一度は考えてみて欲しいと思っていたし、私も考えてみようと思った。

そんなことを何度も何度も話してきた。

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ちなみに、香川県は公立神話が根強く、私の世代くらいだと「私立は公立に落ちた子が行く学校」と思っている人がかなり多い。
日常の会話のふとした瞬間に耳にする最終学歴についての質問も「どこの高校?」と聞かれることが圧倒的に多く、「どこの大学?」と聞かれることはほとんどない。
かと言って、私自身、私立高校が公立高校に劣っているとは全く思わず、むしろ私立高校の先生の方が熱心で時代に合った教育を進めようとしている方が多いように感じる。
(もちろん、公立の先生にもそういう方はたくさんいます!)
なので、息子にも「別に公立受験しなくても、私立が良ければ専願でも構わない」と言い続けてきた。
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年末、いよいよ受験校に願書を提出するとなった時、息子にもう一度聞いた。

「何のために高校に行くのか」

彼の回答はこうだ。
「お母さんが言いたいことも何となく分かるし、俺も成績だけで輪切りのように進学先を決めることには疑問を感じる。大学に行くために高校に行くというのも何か違うとは思うけど、答えが見つからなかった。だけど、今思ってるのは、『大学で勉強したいから、そのために必要な勉強をするために俺は高校に行く』ってこと。これがお母さんが思ってる答えとは違うんだろうな?とは思ってるけど、それ以外ない。だから、3年後に進学することを見越して、今の時点でベストな選択をしたい。正解はないかもしれないけど、自分が選んだ場所でやれることをやってみたい。ただそれだけ」と。

私はなるだけ平静を装って「ふぅーん、良いんじゃない?」と答えた。

色々と驚いた。
まずは彼が「お母さんの答えはなんだろう?」と考えたこと。
それに対して「自分は違う考えだけど、とりあえず言っとくか」と意見を言ったこと。
何より「高校は何のために行くのだ?」という質問自体、大人のエゴなのではないだろうか?と感じたこと。

15歳の経験と脳みそで、彼はきっと悩み考えたのだろう。
それは、私が15歳の時のそれとは全く比べ物にならないほどに。

尊重しようと思った。

彼は結局、ギリギリになって志望校を変更し、公立高校を受験することにした。それも、ほぼ合格圏内の学校に。
それまでは、私立の高校に進学することをほぼ決めていた。
どんな心境の変化があったのだろうか。
もしかしたら、周りからの意見に流されてしまったのだろうか。
それについては、またの機会に。

ともあれ、彼は今、1か月後の公立高校受験に向けて、毎日必死に勉強している。
引き続き、興味深く観察したいと思う。

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