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note17 勝(かち)さび


うけいの結果を見て、

須佐之男命は、天照大御神に向かって
「私の心が清らかなために、私の生んだ子に女の子ができたのです。これをみれば、私の勝ちが明らかでしょう」
と、うけいに勝った勢いにまかせて、天照大御神が耕作されている田んぼの畔を壊したり、田に水を引く溝を埋めたり、また、天照大御神が新嘗祭(にいなめさい)に奉納する穀物を召し上がる尊い御殿に、屎(くそ)をまき散らしました。

しかしながら、天照大御神は、おとがめにもならずに、
「あの屎のように見えるのは、あれば、弟が酒に酔って吐きもどしてしまったものしょう。また田の畔を壊したり、溝を埋めたりしたのは、きっと、田になる所を畔や溝にしておくのは惜しいと思って、あんなにしたのでしょう。」
とよい方に言い直しされました。

しかし、須佐之男命の暴行は止まないばかりか、一層ひどくなります。

ある日、天照大御神が、機織り用の清らかな機屋(はたや)で、神様に献げる(ささげる)衣を機織女(はたおりめ)におらさていると、須佐之男命は、その機屋の屋根に穴をあけて、まだら毛の馬の皮を剥ぎ取って、穴から投げ落とされたのでした。
それを見た機織女は、驚いた拍子に梭(ひ)という織機の横糸を通す道具でほと(陰部)を突いて、死んでしまいました。

今回はここまでです。


次回は須佐之男命がこのような悪行をはたらくことについて考察したいと思います。

いつもありがとうございます🌈

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