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野菜の皮やヘタを捨てずに美味しい料理に変える〜自家製鶏ハム〜

野菜の皮やヘタや根っこなど、捨てていませんか?もし、捨ててしまっている方がいらっしゃったら、ぜひこの記事を読んでみてください。

いわゆるクズ野菜と呼ばれる、つい捨ててしまいがちな野菜の皮やヘタなどを使って、美味しい料理へと蘇らせる方法を今回はご紹介します。

クズ野菜を活用すると美味しいブイヨンをつくることができ、このブイヨンを使うことで、スープや自家製ハム、その他カレーなどの煮込み料理にも応用することができます。

普段、コンソメやブイヨンは顆粒ダシを使うご家庭が多いかと思いますが、自家製のブイヨンはとても美味しくて、簡単につくることができますので、ぜひ挑戦してみてください。

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▼ブイヨンの材料

実は、野菜の皮やヘタなどの部分は栄養価が高く、旨味もたっぷり持っています。

そんなハイスペックな食材がなぜ捨てられているかと言うと、そのまま食べても食感も悪く、そもそも美味しくないから。なので、クズ野菜は煮込むことでダシを取ることをオススメします。

【ブイヨンの材料】
・水 1.5リットル
・玉ねぎのヘタ、皮、根っこ
・人参のヘタ、皮
・セロリの葉
・ローリエ 2枚
・ブラックペッパー 10粒
・タイム 2本
・にんにく 1欠片
・白ワイン 大さじ1

今回はクズ野菜は玉ねぎ、人参、セロリを使っています。量はとくに決まってるワケではなく、ざっくりたくさん入れて大丈夫です。玉ねぎと人参を多めにすると、甘さがでるのでオススメ。玉ねぎの一番外側の皮は色がかなり出てくるので、少し控えめにするといいでしょう。

クズ野菜は他にも、キノコの石づきやキャベツの芯などの甘味やうま味の強い野菜を使うと美味しくなるので、そちらも試してみて下さい。

白ワインやスパイス、ハーブなどを入れているのは、風味づけと臭みを消すために使っています。

今回のブイヨンはお肉料理に応用するので、にんにくも入れました。野菜だけのヘルシーなスープを作る場合は、にんにくの香りが強すぎるかも知れませんので、にんにくは少しだけにしましょう。

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▼作り方

鍋に上記の材料を全部入れて、強火で沸騰したら、弱火に変えて20分ほど煮込みます。

煮込み続けると、野菜がくたくたになってくるので、後は目が細かいザルで濾します。野菜をギュギュッと絞り出すように濾し取ると、野菜のエグみが出てしまうので、重力にまかせてブイヨンを濾します。

濾したブイヨンは、ボウルやタッパーなどの容器に入れて、容器を氷水に当てて急冷しましょう。そうすることで雑菌の繁殖を抑えられ、雑味が減り、長持ちもします。

これで野菜のブイヨンができました。

ちなみに上記の材料に鶏ガラを入れて、2時間ほど煮込むとチキンブイヨンになり、豚骨やスペアリブと一緒に煮込むとポークブイヨンになります。

動物系のブイヨンを取るときは、先に肉と水、酒だけ入れて煮込み、アクをしっかりとりましょう。その後に、残りのクズ野菜などの食材を入れて、同じ手順を踏むと美味しく仕上がります。

これらのブイヨンは冷蔵庫で3〜4日、ジッパー袋にいれて冷凍すると3週間ほど保存できます。

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▼自家製の鶏ハムを作る

今回はこの野菜のブイヨンを使って、自家製の鶏ハムを作ります。

こういう使い方をする場合は、正確に言えばブイヨンではなくピックル液というのですが、材料にそこまで大差があるワケではないので今回はブイヨンと表現させて頂きます。

鶏ハムを作る際、ブイヨン(ピックル液)を使うと美味しく仕上がります。理由は、ブイヨンの味と香りが鶏むね肉に染み込んでいくからです。とてもリッチな味がする美味しいハムになりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

ラップに包んで形を整えてから作る方法がありますが、今回は気軽で簡単につくれる方法をご紹介します。

【鶏ハムの材料(4人分)】
・鶏むね肉 2枚
・野菜ブイヨン 300ml
・塩 15g(ブイヨンに対して5%)

鶏むね肉は皮を剥がして、骨や軟骨がついている場合は包丁で切り取りましょう。

塩は、ブイヨンに対して5%の重量を入れます。ハムを作るには少し優しい塩分濃度ですが、これは後にソースをかけるのでその分を加味した塩加減にしています。

おつまみなどでしっかりした塩加減が良い方は、7%の塩21gくらいにしてもいいでしょう。とはいえ、最初は5%くらいにしておいて、物足りなかったら後から塩を足した方が間違いがありません。

下準備が済んだら、ジッパー袋にこのような形で鶏むね肉とブイヨンを入れて、空気を抜くようにしてジッパーを閉じます。

鍋に水を張り、鶏むね肉を入れ、弱火で加熱します。

お湯の温度を弱火でゆっくり上げていき、68〜70℃でキープし、30分間加熱します。しっとりさせるには少しだけ温度帯が高いですが、時間短縮と衛生上、高めの温度を推奨しています。これでも十分美味しく食べられます。

鶏むね肉に火が入り、肉質に少しハリが出てきたら、鍋から取り出し氷水で急冷します。

粗熱がとれたら、冷蔵庫で一日寝かしておくと味が染み込んで美味しい仕上がりになります。

一日寝かした鶏ハムを薄切りにし、お皿に盛り付け、ソースとパセリをかけたら完成です。

今回はトンナートソースをかけて、さっぱりしていて美味しい鶏ハムにしました。ブイヨンの味が染み込んでいるので、単体でも美味しいですが、ソースがあるとさらに美味しく一皿が楽しめます。

トンナートソースの作り方は、以前に紹介したこちらの記事をご覧ください。

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▼クズ野菜でいろんなブイヨンを作りましょう

以上がクズ野菜を使った野菜ブイヨンの作り方と、自家製鶏ハムの作り方でした。

今回は野菜のブイヨンでしたが、ぜひチキンブイヨンやポークブイヨンも挑戦してみてください。特にチキンブイヨンは汎用性が高く、いろんな料理に応用できます。

また、セロリやローリエを使うと洋風のダシがとれますが、白ネギや生姜などの中華食材を使うと鶏ガラスープをつくることができます。

皆さんもぜひ、クズ野菜をすぐに捨てる前に、「これはなにかに使えるかな?」と考えてみて、いろんな形で再利用してみてください。本当に工夫一つで、普段捨てていた食材から美味しい一皿をつくることができます。

また機会がありましたら、クズ野菜を再利用した料理の記事を書いてみたいと思います。

本日は以上です。
ここまで読んで頂いた方、本当にいつもありがとうございます。
またよろしくお願いします。

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