見出し画像

飲食店のマーケティングのプロがお店をはじめたら行列店になった話。


普段は飲食店に特化したレンタルCMOというサービスを提供している
蛭田(ひるた)と申します。



思い返せば、学生時代はテレビ番組のリサーチで、1日中、某グルメ番組のリサーチをしたり、25歳で独立した際もご縁いただき、八王子のロマンチカのオープニングのプロモーション携わらせて頂いたり。着ぐるみ着たり。

グルメアプリTERIYAKIの立上げに携われたりと

食に関わるお仕事の機会を頂くことが多くありました。


現在は、飲食店に特化したレンタルCMOというサービスや
ショクツウという食に関するサービスを立ち上げながら食に関わる事業開発支援などを行っております。

飲食店のマーケティング支援というのは、俗にいうコンサルという部類の仕事だと思われてしまいます。

具体的に、マーケティング支援とはなにをするのか!?というと
飲食店にお客様がどのように来店しているのか、帰った後、どのようなリアクションをしてもらえるようにするかを設計します。
新規とリピーターの最大化の仕組みづくりを行います。

ここ数年、塚田農場を運営するエーピーカンパニーや、レッドロブスターなどの国内の有名な飲食店のマーケティング支援に携わらせていただきました。お客様の成果を自分事のように話すのも苦手なので
裏方の仕方なので、仕方ないですが、あまり自分から話すこともなく
仕事柄
逆に

〇〇企業さんは特別だよ、、、コンサルって信じないんですよね、、、
頭ごなしに話も聞かない方も多く

ちょうど、エーピーカンパニーさんとの契約も終了し
2018年ごろ悩んだ時期がありました。
そんなタイミングでお店つくる事にしました。

明らかに集客できたと言える場所
祖母のやっていた、雑貨屋を高齢のため閉めたので
その場所を使わせてもらう事にしました。
まさに
田舎で、海沿いでもなく、一見お店があるか不安になるような場所

画像2

画像3

こんな場所になります。

予算無し、開業資金は100万円
夏季限定土曜、日曜ののみの営業
在庫のあまり出ない商品
お客さんが遠くからも来る商品設計

お店ができるまでの道のりは
「喫茶店つくり」というタイトルで
こちらに記載しているので興味ある方は読んでください。


予算無し、開業資金は100万円
場所は実家の祖母が営んでいた、実家の商店がちょうどしまるタイミングだったので、場所はありました。ただ、予算は無く、予算が無い中でつくれる商品を探しました。
お店は、中学校の同級生の前からお願いしたかった、あだっちゃんに頼みました。
椅子やグラスや、扇風機など、祖母の家にあったものを極力活用し、レトロで落ち着く空間を目指しました。
田舎なので、ソトコトに載れるようなお店になろうと。

壁紙の貼りなおし
水道と電気の引き直し、最小限の機材でスタートでしたが
結果として160万円程度、機材込みでかかりました。

営業に関しては、できる範囲で

夏季限定土曜、日曜ののみの営業
平日は、東京で仕事しているので、本業に支障がきたさない、父と弟と私の3人でできる範囲でというルールにしました。
営業時間は
当初は
12時~17時くらいだったと記憶していますが
今は
12時~16時になりました。
削り機が1台なのでMax60杯が限界なので
日によっては15時には受付終了の日もでてきました。

なんでかき氷なの?

儲かるからではなく、ロスのあまり出ない商品
大きな飲食店のマーケティング支援をみている中で、食材のロスなどの量を目の当たりにして、食材のロスは極力無くそうと決めていました。
土曜日、日曜日だけの営業なので、極力ロスが出ない商品を考えました。
在庫をあまり出ない商品となると、専門店になるなと、専門店の方が観光地では分かりやすくメリットも多くあると感じてました。


お客さんが遠くからもでも来る商品

カレー屋、まぐろ屋、どんぶり屋、なにがいいか、三浦市という土地柄は観光地なので、ないがいいのか、観光雑誌、食べログ、Instagramなど、徹底的に調べて、どこなら空いてるマーケットがあるのか、探しました。そこで1つの仮説が立ちました。
それは、まぐろ丼を食べたり、横須賀に海軍カレーを食べにした後に、立ち寄るカフェやスイーツスポットが少ないという事でした。また近年、小さいカフェなどができているが全て潰れていない、潰れていないがそこまでレベルは高くない。ここにマーケットの空きがあると仮説を立てました。
カフェは収益率が低いので、ちょっと保留、毎日やる必要はない、季節性のある商品、専門店、いろいろとグルグルしながら考えました。そんな中でかき氷という商品に目を付けました。
人気や話題のかき氷屋を数点巡り、人気や話題のかき氷のお店のInstagramや食べログを隅から隅までみて、YouTubeでかき氷動画を見て、氷やかき氷について調べて行く中で、ある事が分かりました。ラーメンのように、かき氷には、ゴーラーという、かき氷という商品にファンがついている。かき氷の食べログの上位にある人気店舗はかなり不便な場所にお店があったりする。かき氷が好きな人は、どこへでも行く。

決めては

蒼井優さんのかき氷の本を見た時です。
本にするという事は、日程のニーズがあるという事。
また、かき氷は近年伸びているものの、飲食店の中では調理技術を必要としない部類、職人出身の方がほとんどいない(近年増えてきましたが)、ダッサラした方などが多い。お寿司屋さんや、フレンチのお店はすぐできないですが、かき氷なら3年で勝てるお店をつくれると思い。かき氷のお店に決めました。
目標は、三浦半島で1番のかき氷のお店でした。

当たり前を疑う

収益構造について、飲食店経営の重要な指標のひとつに「FLコスト」というものがあります。「F」とは「Food」、つまり食材費のこと。そして「L」は「Labor」のことで、人件費を指します。飲食店経営において利益を出すためには、この「食材費」と「人件費」を売上の60%以内に抑えなければいけないと言われており、その目安として「食材費率=30%」「人件費率=30%」という数字がありますが、よく飲食店のコンサルの方たちはこの話をしていますが、この数字についていつまでこれに揃えるのだろうかかずっと、疑問をもっていたので、収益構造に関しては、稼げる飲食店かつ、お客様の満足度も高いお店を目指しました。
例えば、昨今ブームになった、タピオカのお店の原価はもっと低く、それはアルバイトでも運営できる仕組みのものと、FもLも低く、利益が出やすい構造になっていたり、いがいと繁盛店を紐解くと、この当たり前を疑っている飲食店が多くいることがあります。

販促に関してはGoogleマイビジネスをかなり活用しました。

下の2つの画像は
今期のGoogleマイビジネスのインサイトと
Rettyの管理画面になります
ともに費用はかけておりません。
季節性はあるものの、できることを積み重ねた結果になります。

FireShot Capture 222 - 珈琲とかき氷の喫茶店『きまぐれ屋』 - インサイト - business.google.com

FireShot Capture 335 - Retty 店舗会員ページ - owner.retty.me

販促費をかけない

2018年夏の終わりに、きまぐれ屋はオープンしました。

備品で我慢しものをAmazonのウォッシュリストに記載したら
冷蔵庫、コーヒーミル、コーヒーフィルター等 etc友人、知人から多くのお祝いを頂きました。

2019年夏、本格的にスタート。
2019年の6月ごろからスタートしたんですが、天候に恵まれずな日々続き
かき氷という商品のデメリットも感じました。
雨だったり、寒いとお客さんは全然来ない。
一般的に、アイスクリームは気温が23℃くらいのときがもっとも売れます。
一方でかき氷が食べたくなる気温は30℃、と言われています。
同じ氷菓子でも売れる気温に7℃もの差があります。
28度くらいにならないと、かき氷を食べたいというモードに脳みそがならないので、そもそも来客になりません。
雨だと、お客さんもこないので、仕込んだものを一部はどうしても廃棄しないといけないので、悲しい思いもしました。同時に時間もあったので、氷の削り方の改善や冷凍や海外の苺を買っていたのを、青森から夏苺を購入できるようにしたり、質の向上を行いました。
かなり、いろいろな商品をつくったりと、空いてる時間でいろいろな商品をつくったりしました。
2019年にはのぼりを購入しました。のぼりを購入して売り上げがかなり変わりました。




2019年からは、友人の会員制のバーの昼の時間を活用させてもらい。
代官山でのかき氷屋さん、「ささ屋」もスタートしました。
ささ屋では、代官山という土地柄、Instagram注力し運用しました。
あと、アルバイトさんでも、質が落ちないような仕組みづくりを行いました。


Instagramとかき氷は相性がいい
ラーメンに近い
価格帯が1,000円前後
お店によって特徴が分かりやすい絵で分かる
高すぎないので、女性が投稿しやすい etc
初年度は、天気に恵まれませんでしたが
2年目の2020年は1時間半待ちになり、待ち時間が長くてクレームになるほど人気のお店になりました。


代官山はもう1つ人気になったポイントがあるんですが、それはまた別の機会に。

4時間営業!削り機1台での営業の限界を超える

2020年
コロナでお店をあけるのか、家族会議を行いました。
できる範囲でやる事に今年もやることにしました。
土曜、日曜日、12時~16時の4時間営業
駐車場も6台おけるようにし
氷屋さんも横須賀で1番の氷屋さんに変え
2020年の夏は天気にも恵まれ、連日40杯以上売れる日が続きました。
営業時間は4時間、席数も10席程度のお店ですが
多い日は60杯近く、
6代用意した駐車場もお待ちのお客様でが足りなくなり
帰ってしまったり、お断りしてしまうお客さんも出るほどになりました。

土日だけの営業にも関わらず
隔週できてくれる夫婦の方や、ごーらーのかた、2拠点生活している方
まいくろブタのさくらちゃんや


多くのお客様にお越し頂きました。

2018年の8月終わりにはじめてから
3年目なのでリピートのお客さんがかなり増えました。
そんな8月の終わり夏
めちゃくちゃ暑く、外にお客さんがたくさんお待ちになっている時に

事件は起きました

いつか、こないかな、なんて冗談で話していた番組の人たちが
それも、他はコロナでアポしての旅だったようですが
猛暑もあいまってリアルでガチなアポなしで来店いただきました!

※目が怪しいwww

画像1

※営業許可証が下がってるw

画像6


「きまぐれ屋」は
かなりうまく、120%以上、思惑通りな展開になりました。
・なにもない場所に人を集める
・ロスはあまり出さない
・できる範囲で顧客満足度を高める
・まぐろ食べにきた後に立ち寄る場所
・ごーらーというファンの心をつかむ
・2拠点生活の人に立ち寄ってもらう
・自転車できている方にひと息ついてもらう
・充電旅にでる

あと1つソトコトに載るというのが叶っていませんが


これまでの飲食店さんは、お店の中だけ磨き
ぐるなびや、食べログ、ホットペッパー、Rettyのような媒体に出稿したら
成り立っていたかもしれませんが
これからは、一周まわりよりシンプルになっていきます。

どうしたら、来るか、どうしたら再来店するか、再来店はいらない
お店なのか市場をリサーチする業態を知る、リサーチする
お客さまがどうお店を知り、どう発信するか設計する
発信したくなる場を、商品をつくる
マーケティングって大切でしょって事を知って欲しいなと思い。
実際にお店をつくって可視化できる所までつくってみました。

飲食店のマーケティングっておもしろいなった思った方は
最近Twitterはじめました。飲食人の方のフォロー是非お願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?