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TOP 写真の時間/Her Own Way

いくつかの美術館で提供されているサマーナイト、この日の金曜日はTOPへ行ってみました。本来ならディナーに充てられる夜19:00-21:00、しかも金曜日。この時間をおもいおもい、写真美術館という場所で過ごす鑑者たちに、なんとも言えない、秘密をシェアしているような、妙な親しみを私は勝手に抱いてしまいます。

この日の雑メモ。

“私は人間が怖いんだ。向き合うのが怖い。だから興味がない。作品にならない。モノなら否定されることもない、(愛せば開いてくれるし。)人も表面だけであってほしい。きれいなところだけ見ていたい。出てこないで”

極端に内向的でひとり時間大好き人間のわたし、根本的に人が怖いのかもな、と気付かされたのがアウグスト・ザンダーの展示。

彼は<20世紀の人間>というシリーズの中で、人間を7つに分類しています。分類することで逆に、分けきれない個性が際立っているようにも見えます。しかし、写真の中からこちらをじっとみている人たちを見ていると、この人たち一人一人が感情をもち、カメラを向けている人に対峙していたのだと想像すると、自分がファインダーのこちら側にいたらどうにも耐えられない居心地の悪さを感じてしまうだろうと思いました。

川内倫子のilluminance シリーズの一枚を覗き込んだら、
どこが境界かわからなくなったのでした。
(ここだけ撮影可でした)

川内倫子はスッとする、心ほぐれる。やっぱり心地よくさせる人。

ポーランドと日本の国交100周年記念展示、Her Own Way.

1970年代から現代アートまで、あらゆるビデオ作品が集められた展示。それはまるで実験のようだったけど、ポーランドはその「実験」が許された国だったのだという。チェコやロシアは、それができなかった。しかし実験的ビデオ作品というのは、とかくコンセプトがわからない。アートは世に対する問いかけだが、こうなってくるとその問いがどこに隠れているのかから掴めない。今回の展示は、とても丁寧に作られた鑑賞ガイド(パンフレット)が付いていたけれども、説明が必要なアートとは何だろうとも思ったりしました。

“痛みは善だというのが、西洋社会では根底にあるのではないだろうか。
もちろんそれはキリストの苦難に根ざすもの。
だから鞭をもち、痛みを修行と捉えたりする。
でもその一方で、無痛分娩とか、歯医者にいくとしっかり麻酔をしてくれてうがいの水もハーブティーだったりとか、無用な痛みはあってはならないという、正反対の意識もある”

“アートとは、やっぱり何かを訴えるという行為なのかもしれない、本来は。それが自己の叫びであっても”


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