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#280 困った子が教師を成長させる

教室には「困った子」がいる。

指示を聞かない。

暴力をふる。

大声で関係のない話をする。

やる気がない。

この「困った子」は、教師や他の子どもから見たら、たしかに「困った」存在かもしれない。

しかし実際には「困っている子」である。

やりたくてもできない。

支援がない。

環境が悪い。

家庭に問題がある。

様々な原因が重なり、その子は「困っている」のである。

だから不適切行動を起こす。

仮に、教室に「困った子」がいなくなったらどうだろう?

教師は授業が進めやすくなるかもしれない。

しかしそんな状況が続けば、教師は「自分の授業はこれでいい」と自己満足してしまうのではないだろうか。

誰も困っていない。

誰も反発しない。

スムーズに授業が進む。

そのような状況が続くと、教師の慢心が現れ、授業を改善しようとも、更新しようとも思わなくなってしまう。

それでは教師は成長しないだろう。

だがもし「困っている子」が教室にいれば、教師は考える。

どうすれば、この子は授業に参加してくれるのだろう?

あの子が活躍する授業をつくるには、どうすればいいだろう?

と試行錯誤するに違いない。

この過程が重要なのである。

「困っている」子がいることで、授業についての省察が始まる。

自分の授業を更新しようと思う。

だから「困っている子」は教室に必要なのである。

必要どころか、存在して当たり前なのである。

それがその子の個性なのだから。

決して「困っている子」を「困った子」とレッテルを貼り、教室から除外するような考えをもってはいけない。

その子のおかげで教師が成長するのだ。

その子も一生懸命生きているのだ。

自分の都合の良さしか考えない教師には、ならないようにしたい。

では。

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