お母さんの面影を心にきざむまで

お母さんの面影を心にきざむまで

アフリカでエイズの患者さんを看取ってきた
2、3歳の子どもを抱えたお母さんたちが、エイズの犠牲になった
「死の病」だったエイズ
一分、一秒も、患者さんの命を伸ばすことはできなかった
でも、私は、彼女たちの命を一分、一秒でもいいから伸ばしたいと思った
食糧を渡す
好きなものを食べるようにとお金をそっと渡した

一分、一秒でも長く、お母さんに子どもを抱いて欲しかった
一分、一秒でも、我が子の肌の温もりを感じて逝って欲しかった
私が、一番望んだこと
私が、一番神様に祈ったこと
それは
子どもが、お母さんの面影を心にきざむまで、生きていて欲しい
2歳、3歳では、幼さすぎる
4歳になれば、お母さんの面影を心にきざむことができるかもしれない
だから、お母さん、生きていて欲しい

私が、一番望んだこと
私が、一番神様に祈ったこと
子どもが、お母さんの面影を心にきざむまで、生きていて欲しいこと

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お祈り
日曜日のミサは、教会の外まで人で溢れる
前方の長椅子は、子どもたちの優先席だ
3、4歳の女の子が、手を合わせて祈る
何かブツブツ言っている
  神様、お腹空いた ミシュイ(焼肉)を食べたいです
  神様、お母さんが売っているバナナがたくさん売れますように
  神様、可愛いピンクの洋服をください
老婆が、ロザリオのお祈りをしている
青年が、聖書を読んでいる
老人が、深くうなじを垂れて動かない
  
きっと神様は、彼らの祈りを聞き入れてくださるだろう
女の子の無心なお祈りは、きっと神様に届いただろう

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「アフリカ詩 アフリカの風」は週2回公表しています。100篇まで頑張りますので、よろしくお願いいたします。 「アフリカ賛歌50話」もご覧ください。