45オブジェ

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9月4日土曜日。一年越しに進めていた45プロジェクトの提灯45個が
無事、寺町専門店会商店街につきました。

今から一年前の2009年夏。提灯の話にそろそろ返事をしなければと。
そう思いながら延ばし延ばしにしていたこのお話。
やりたい気持ちはあるのだけれど、提灯という照明部分がひっかかり
返事ができなくなっていました。

本当にそろそろ返事をと。
寺町専門店会の商店街を三条から御池までの間、行ったり来たり。また行ったり来たり。
本能寺も商店街に面しているのでお参りして。また商店街を行ったり来たり。

歩き疲れたので本能寺前で腰かけて。行き来する人達を眺めていました。

眺めながら返事をどうしようと考えているうちに。
商店街の人達が喜ぶような。この京都の地に眠る人達が喜ぶような
そしてこの場所を訪れる人達が喜ぶような優しくて美しい。
眺めていると気持ちがほぐれるような、そんな和紙の提灯をぶら下げたいと。
そう思いはじめました。
照明もなんとかなる気がしてきて。話を進めて頂くことにしました。

プロジェクトが始まり、和紙の職人さん、商店街、関係者の方々の間に立って、
それぞれの話をしっかりと聞きながら、途中言葉が落ちてしまわないように、
出来ないと頭から決めてかからないように、何度も京都に通って提灯のかたちが決まりました。

嬉しかった事はいろいろありますが、とびきり嬉しかったことが三つ。
このお仕事も終盤の和紙の提灯を依頼した烏山和紙会館を出るときに
梱包作業ですっかり遅くなってしまった私を自宅のご飯にお誘い下さいました。
突然のことなのに。作業でボロボロに汚れてるのにお邪魔して。
美味しいご馳走を頂きました。

それから提灯が京都に納品されて。
景観を損ねないようにと。自分でつけるつもりで用意した細い細いワイヤーを
関係者が梯子の上で針に糸を通すような作業でつけてくれました。
商店街の皆さんがお手伝い下さって。
あっという間に45個の提灯がつけられました。

最後の一つは提灯を皆さんが綺麗だと眺めて下さったこと。
毎日見ても飽きないと。大事な人に見せてあげたいと。

本当にあの日は提灯を眺めながらずっと
美味しいお酒を関係者の皆さんと飲んでいたい気分でした。

難しそうだからと断らなくてよかったです。
良い経験を良いチャンスを頂けたこと心より感謝してます。

一人でも多くの方に訪れて美しいこの提灯を見て頂きたいと思います。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

執筆:和紙クラフトデザイナー 福嶋 秀子
イラスト:辰巳 優

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