ちょっとうれしい体験をしました。

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九月の火曜日の夜、祇園のギャラリーの仕事が終わって帰るとき大雨に出会いました。
すぐ止むだろうと傘なしで南座をぬれて歩き出すと、
川端の信号につかまったので、にしんそばの松葉のアーケードの軒にちょっと立ち止まり
何処から帰ろうかと思案しているとき、若い女性が小さい傘を差しかけてくれました。
知った人かと横を向きましたが、小柄な知らない24~25才の女性でした。
「駅・・駅・・」とだけ言うので京阪の駅を探しているのか・・と思ったのですが、
もう一度「駅・・駅・・」と片言の日本語だったので
「私の事を言っているのか」と指で私を指したら
うなずいてくれたので、傘に入れと言っているのだと分かりました。
信号を渡れば四条京阪の地下入り口なので、
傘を差してもらい青になった信号を急いで渡り地下入り口でお礼を言ったいなや雑踏に消えました。
日本に住んでいる中国か韓国か台湾あたりの若い女性と思いましたが、
気持ちがとてもうれしかったのです。
知らぬ外国で知らぬ年寄りに若い女性が声をかけ傘を差し出す事自体とても勇気の要ることです。
それと足がとても疲れていて引きずりながら、
カバンと上着を脇に持って雨にぬれている「私」が気の毒に見えたのでしょうね。
彼女もどこかでこんな親切を受けたのでしょう?
彼女の国では年長者を大切にする、敬老の精神が昔から教えられているのでしょうね。
日本では、児童虐待や親族殺傷・・・
そんなニュースばかりの世の中でとってもうれしい気持ちになりました。

執筆:副理事長 村上 征隆
イラスト:辰巳 優

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