なごみの薬

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「八宝菜ありますか?」いきなりお客様が来られました。
隣が中華料理店なので間違われたと思い
「八宝菜なら隣ですよ」と笑いながら教えてあげました。
しばらくして、また先程のお客様、「ハッポーサー・・・・・。」
うーん、よくよく聞いてみると、お求めなのは膝にするサポーターの事。
後になって自分が聞き間違えたのがおかしくて、独りで笑ってしまいました。
昔の人はサポーターの事をサッポーターと発音する人が多かったのです。

そう言えば、うちのおばあちゃんはデパートの事を「デバート」、
ペダルの事を「ペタル」といつも言うてはりました。
ずいぶん前の事ですが母は「ヒゲの太子さんから電話あったよ」と私に伝言。
まさか聖徳太子か?
それがお客様の滋野体振(シゲノタイシン)様だと
分かったのはずっと後の事でしたが、今までの最高傑作です。
その時母は皆に笑われましたが、母もおもいっきり笑っていました。

私の家内もそうとう笑えます。
プリペイドカードを「プリペットカード」と言い、
「うわーきれいなセントバーナード!」と
セントポーリアの花を見て言い放つ笑われ者です。
読み間違いもよくあるそうです。
「うこん茶」と書いてある看板を見て
思わずショーウィンドーをのぞき込んだそうです。

人の事を笑ってはいられません、実は私もありました。
新聞の映画・劇場案内のところに可愛らしい金髪女性の写真、
場所は大阪サンケイホール、その上には大きな活字で、
「どないする?」と関西弁で書いてある。
どないする?金髪美女が何をしまんねん・・・・・と思った瞬間
「ドナ・ルイス」女性の名前でした。
クスリと笑ってしまう事、よくあります。
これをなごみの薬と言います。大いに笑われてください。

店主 “軽薄”
執筆・イラスト:辰巳 優

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