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アート独り言。(荷物をおろし、空に手をかざす)

2019年11月。
私は空手の稽古場にいた。
空手の見学をしていた。

2019年の撮影現場で出会った男性。
空手の先生をしていて、カラテカと呼ばれていた。いじられキャラ、そこにいるだけで場が明るくなる。声がデカい。

何故空手の先生してるのだろう。
単純な疑問だった。
子供に空手を習わせていたこともあり、少しだけ空手に思い入れがあるので聞いてみた。

「教員になりたかったし、空手が好きだから」

普通の答えが返ってきた。

ある日、彼が声をガラガラにしながら、大会で優勝を逃したと言っていたので、実力者なのだなあ、撮影してみたいなあと思い、勢いで撮影を依頼したら、あっさりと快諾してくれた。

その後、映像作品を組み立てるためにいろいろ聞いてみることにした。生い立ちを聞いたらなかなかの複雑な家庭。それでも真っ直ぐ育っていた。
(人間らしくダメな所もあるけど)

両親とも縁が切れ、親族もいない。
自分が死んでも何も残らない。
誰も葬式に来ない。
悲壮感など1ミリも見せず、明るく話してくれた。
(許可をいただいて書いています)

撮影は、進行中の現場が終わり、私がスタッフとして参加している映画ワークショップが終了した2020年3月から開始、発表は10月と計画した。

撮影が決まってから、毎日毎日空手の動画を見ていた。一つ一つ色んな意味がある。とても興味深い。
短期間で全て覚えるのは難しいので、感覚をつかむ為に道場を見学させてもらうことに。1時間以上かかっただろうか・・・毎週稽古に通っているなんて、驚いた。

いつも撮影現場でいじられキャラだった人が立派な指導者となっていた。
泣いてる子の目を見てちゃんと話したり、時には叱る。一番驚いたのは、組手の練習がとても楽しそうだった事。
この人が先生なら、我が子は長く空手を続けられたかもしれないと思った。

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見学後、組み手や板割、どうやったら素敵に撮れるのだろう?など、今まで制作したことないジャンルの挑戦にワクワクしていた。

そして3月。

組み手が出来ない世の中になるなんて
全く想像もしていなかった。。。

様々な思いが巡る。

制限もあり、イメージしていた事は全く出来なくなった。
しかし、このような状況でも少しでも出来ることはきっとある。決して負けたくはない。

いっぱい一生懸命生きた事、
私がここに、証明する。

作品title
turnE~still alive
(数式 証明記号の∃)

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