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賄い振り返り(2021/4/30)

本日のお品書き

●海鮮フライ三種盛り (牡蠣・丸子・紅烏賊) タルタルソース添え
出汁巻き卵2種
●小鉢
キャベツ、新玉葱、ラディッシュ 八朔のタレで和えたもの
●お吸い物
若芽と焼き筍のお吸い物
●ご飯
(賄い担当:武田、三橋)

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作ってみた生徒たちの振り返り

①どのようにメニューを決めましたか?

今回は牡蠣をメインに使おうというアイデアが初めにあったので、頂いたパン粉を使って牡蠣フライを作ることが決まりました。当日漁港に行けるかどうか未定だったため、冷凍の魚介類をチェックし、そこにあったイカと魚もプラスして、海鮮フライ3種盛りにする事が決定しました。フライを食べる時、タルタルソースがあると嬉しいとの声もあったので、タルタルソースを添えることに。作っている途中に塩味が強くなってしまったため、混和させるために八朔も加えることにしました。

フライの付け合せを想像した時に、キャベツの千切りとさっぱりと柑橘系の小鉢があるとバランスが良いのではという議論の流れから、はっさくを使った酢の物風の和え物をつくることにしました。
汁物に関しては、フライやタルタルソースとの相性を考えた時に味噌汁より吸い物の方がバランスが良いかも?ということで吸い物に。具材は冷蔵庫にあった筍とわかめとわらびを使うことにしました。先生に、お吸い物の味付けは醤油か塩と聞き、今回は醤油ベースの品がなかったので醤油ベースを選びました。あとはネギが大量にあったので、だし巻き卵に入れることにしました。

②作ってみて苦労したこと。作りながら、わからなかったこと。

●だし巻き卵を作るにあたっての準備、必要な状態、物品の配置。

●だし巻き卵の温度調節(ビビって火から外すと鍋が温まってなかったり、熱しすぎていたり、常に鍋を移動させていないといけないことに頭が回らない)。

●調理のタイミング(食べる直前に揚げ終わるために、他の準備をどれくらい先に終わらせてしまつていいのか)

●具材の厚さ(切り方)盛り付けの事も考えながら切る?

●タルタルソースは実際に食べて見るとたくあんの存在感がなかった。実際に食べてみないと具材の大きさのベストがわかりにくい。想像する難しさがある。

●具材を入れる、出すタイミング(ノートにメモはしているけど、実際わからない)。具材を入れることで温度が下がる、または揚げ続けることで上がってきた時の火加減。

●揚げている途中の、最適な状態がわからない。

●具材と汁を別で調理するのか?お吸い物を日常でつくらないからこその戸惑い、味噌汁との根本的な違い。

●吸い物の汁の量がわからなかった。最初の時点で、器に対する出汁の必要量を確認すべきだった。

●具材の大きさ、量。
具材の薄さがダイレクトに味に反映されることを考えられていなかった。玉ねぎは繊維を断ち切って切ったが、イカは分厚いし、キャベツは味が入りづらかったため、具材によって酸っぱくなってしまった
器のサイズに合わせた具材の切り方(長さ)をすることまで考えられてなかった。

●野菜をどんな状態で、和えたいのか、野菜の甘さを引き出すのか、食感なのかということまで考える必要があった。キャベツがただ焼いただけになってしまい、甘さを引き出すという点ではいまいちできていなかった。

●温度管理
温度が高すぎたせいか、昆布が出なかった。温度がキープできない。
結果昆布の風味が出なかったり、出汁が足りなくなったりした。
先生のを見ているだけでは、、気づかないことか沢山ある。

●五味五法のむずかしさ。食べた後、先生はこの食材をどう調理するか、を先に決め、そのあとに個々の食材をどう味付けするかを決めると言っていたが、自分たちは、先にどのような味付けをしたいかを決め、次に食材の調理法を考えていた。

③先生からのフィードバック 要約
●出汁の取る量が少ない

●イカのフライのサイズが大きすぎた。そのサイズであれば、深く切れ目を入れる必要がある。

●塩胡椒の塩加減はソースとのバランスを考える。今回はソースが塩味強かったので、胡椒を強めにしてもよかった。 

●揚げるだけの状態にしておき、効率よく時間配分する。

●和物は野菜によって味の濃さ(染み込み)に偏りがあったので、野菜の切り方を和え物の種類によって変えていく必要あり。今回は玉ねぎの甘さを引き立たせることを考えて繊維を断つ切り方にしたが、味が染み込みすぎた。先に玉ねぎだけを盛ってから他の和えた物を盛ったり、繊維に沿って切ってもよかった。タレで和えるものであれば汁気が多少でても上からかけられるので、効率と時間配分を考えて先に仕上げておいてもいい。

●吸い物は塩味が強すぎた。香りがなかった。筍の塩水漬けを出汁に入れて炊いたあとの味見で調整する。メニューとのバランスも考える。
全体的に塩味が強かった。

④このフィードバックをもとに、今後の授業でどう学びたい?
🦷 武田 
自分たちのみで企画から完成までやる機会(この賄いのように)を通して上記のフィードバックを意識したい。繰り返し練習をして、その中で間違っているところは教えてほしい

🦷三橋
出来上がりの状態を想像する力が弱いと感じたので、レシピを考える時に細かく項目を確認する必要がある。盛り付けの器、提供までの時間、切り方による見た目や味など、必要なことが何なのかこれからの授業で考えていきたい。
各工程で、何を優先していいのか迷った。効率的なことと時間配分を考えていく必要がある。会席やお弁当の仕込みをする時に自分だったら…と考えてみる。
具材を切っている時と食べた時の印象が違うので、普段から切って食べた時の感じを意識してみる。

⑤改めて、生徒の現時点での技術を踏まえて、先生からの総評

●まかない全体の感想
全体的に味の塩味がしっかりしていた。汁物の量、フライの大きさ揚げ時間が気になった。盛り付けはまずまずだったと思う。     

●メニューの考え方(まかない)
大まかに品数を考える。
メインの料理を考える料理法(焼物、煮物、揚物など)
味の方向性(塩、醤油、味噌など)
小鉢物的なもの、汁物、メインの付け合わせなどを考え、全体の味のバランスを考え、味に偏りが無いようにする(五味を考える)

●食材の下処理、カット、調理
食材をどう調理するか器の大きさなどを考えて切り方などを決める。揚物、焼物、煮物などの火加減、時間などは食材の大きさ、種類によって変わるのでその都度変わる。

●料理の出す時間からの逆算して何にどの位の時間がかかるのか考えて、少し余裕を持ってスタートする。料理を出す時間が決まっているなら絶対に間に合わせる事!!
どんなに良い料理でも時間に間に合わなけらば印象が悪くなる。授業のときに何をするときでも、時間を気にしてどの位の時間でどんな事が出来るのかを自分のなかで分かっておく事。

失敗した事に対してなぜ、なんでなのかということを考える、同じことでの失敗をしないようにする。

● まかないでは、まず何でも作りたい物を作ってみる(手持ちの材料で)
材料を確認→作る物のメニュー決める→調理の段取り→仕上げ→盛り付け→テーブルにセッティング

●テーブルにセッティングするまでが一連の流れ。普段の授業の時にひとつの作業がどの位の時間がかかるかを把握する。わからない、気になる等の時はすぐに聞く。

(賄いの日:2021/4/30)