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カメとして進む

33歳既婚、料理初心者、離島暮らし経験あり、マイペース(最近気がついた)。鈴木のNote記事へようこそ。

デスクワークからの一念発起。苦手な料理を勉強してみようということで、早2ヶ月が経とうとしている。日々の時間の流れは、密度が濃い分短いようで、苦労が多い分長く感じられる。

今年の他の寺子屋生徒とは異なり、家での料理経験すら皆無。料理好きの妻の手下としてキッチンに立つのがせいぜいだった。その甲斐あって(?)、大根の桂剥き能力向上は遅々として進まない。周りのみんなの技術革新に取り残されながらも、初めてまともな長さに桂剥きがつながったときは、思わず周りから歓声があがった。(みんな優しい)

自宅でも桂剥きの練習の日々

他者との比較の中では、確かに私の技術は劣っている。しかし、できないことで悩むことはあまり意味がない。つい先日あらためて、先生の桂剥きの手元の動きを見る機会があった。4月当初のころは、今思い返すと完成形のイメージ映像として捉えており、要するに「こんな感じになるとうまくできるはず」という認識であった。それがいま、右手の包丁の進行方向への動かし方・包丁の角度の調整・左手の回転の動き幅・回転の動かし方…etc、といったように、動作の解像度が格段に上がっている事に気がついた。これは、自分なりの技術進歩の結果である。

まだ今も、「桂剥きができるようになった」とは言えない。しかし、「できるようになる」ための細かな課題に1つずつ向き合い、解決してきているのは確かで、その積み重ねを経て、以前は気がつけなかったことに気がつけるようになった。

残念ながら、大根の季節はそろそろ一旦終わりになる。6月からは離島キッチンの営業も始まり、また新しい環境になっていく。忙しい日々に忙殺されるであろうが、ここまでの桂剥き能力の進化を心に留め、カメの速度であったとしても、これからの新たな課題に対しても、1つ1つ丁寧に向き合っていきたい。

来年3月の自分がどうなっているか、楽しみである。

島食の寺子屋校舎にて

(文:島食の寺子屋生徒 鈴木)