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島食の留学弁当振り返り(2021/6/28)

【本日のお品書き】

①冷やしおでん 手作り竹輪 飛竜頭 地元農家さんの季節のお野菜 辛子

②鯖の蒲焼き 大葉
だし巻き リーフレタス
千成胡瓜のぬか漬け
花大根の甘梅酢漬け


新じゃが 人参 三つ葉 土佐酢和え
水雲お浸し 烏賊梅醤油 縒り二十日大根
深煎り麦茶水無月

④ご飯 有馬山椒

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お品書きの組立の課題

日本料理の魅力を自分なりに考えた時に、1つ1つの料理に意味が込められ、季節が感じられ、散りばめられた小粋な技を感じた時に、心が躍る感覚だなぁと。それに少しでも近いものを作り、味わって貰えたらなと思った。
そこで、型抜き野菜や縒りなど、搔敷以外の飾りを取り入れた。仕込み時間の都合上、型抜き以上のことは出来なかったが、飾り切りなども今後は挑戦してみたい。

また、弁当を食べてくれた方が家でもやってみようかなと思えるような料理を取り入れたいという思いのもとメニューを考えた。例えば竹輪もそのひとつで、魚が豊かなこの環境で、比較的どんな魚でも作りやすい練り物、加えて少し面白みのあるものを入れたいと思ったのがきっかけ。ただ、それをどのタイミングでどう伝えるかが重要。(前情報として、竹輪をどうやって作ったか等を少しでも伝えられていれば良かった。そこが伝わらないと勿体ない。)

それから、食材のバランスを考える時に「まごわやさしい」を取り入れることを意識してみた。これは米を主食とし、野菜、魚介、海藻や芋などを副食とする日本の伝統的な食生活に欠かせない食材の頭文字をとったものであるが、自分にはイメージしやすく良かった。("ご"は入れられなかったが。)

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●作ってみて苦労したこと。作りながら、わからなかったこと。

出野:
蒲焼は、出回り始めた鰯を食べて貰いたく考えた調理法だったが、予定日には入荷できず急遽鯖に変更。それでも、暑くなってきたこの時期にご飯の進むおかずとして調理法は変えなかった。結果的に斬新な蒲焼ができ、発見があった。

冷やしおでんは、蒲焼と味のバランスを取るためにだしをしっかり利かせたかったので、通常よりも鰹の分量を増やし、味付けも少し濃いめにしたが、実際の出来上がりは薄くなってしまった。恐らくズッキーニやトマトといった、サッと炊いて急冷した野菜から出た水分で薄まったのと、冷たい温度で旨みが感じられにくくなった事が原因か。冷たいだし汁をかける場合は特に、当日に再び味を整えることが重要だと思った。ただ、だし汁を最後にかけ忘れてんしまった。当日時間に余裕があったので、味つけや盛りつけの確認にもう少し時間を配分すればよかった。

竹輪は何度か試作したものの納得いく配合にまでたどり着けなかった。本番の竹輪を、焼いた後食べた時はプリっとした竹輪らしい食感があったが、炊くとそれが消え、ボソボソした感じになり、味も魚感が悪目立ちした。温度も関係がありそう。適切な配合を見つけたい。

水無月 流し缶の大と小を使用した。生地の最適な厚みが分からず、小缶のほうは上手くいったが、大缶のほうは火の入り方が悪かったのか、後で蒸し時間を延長してもなお、生地の食感が悪かった。また、小豆を流した後、その上から流す生地の分量が多く、小豆が埋もれて見た目が良くなかった。ベストな生地の厚さを見つけたい。

だし巻きは醤油の分量を誤ったが、朝一の口頭の確認のみで、分量を紙面に明記していなかった事が反省点。また、卵液の段階でも、焼きあがってからも味見をすることが必要だと改めて思う。また料理長は責任を持って全ての料理の味見をして回るべきだった。ただ今回、蒲焼とのセットとして考えると、(いつもより少しは)薄味でも良かったかもしれないという気づきもあった。弁当の時は濃いめにするという考え方以外にも、隣の料理との組み合わせによって味を考えるのも良いと思った。

千竃:
出汁巻玉子は久しぶりで、しかも離島キッチンでは一度もやっていなかったのでうまく巻こうとがんばったが、失敗の連続だった。失敗の一番大きな原因は鍋慣らしができていなかったことだと先生に、修正してもらってわかった。修正後はスムーズにできた。ご飯も担当だったが、余裕がなくてできなかった。ご飯も一度も担当していないので、早いうちに経験しておきたい。

三橋:
トマトの湯むきは湯に入れる時間が長すぎると表面も崩れやすくなるように感じた。大根の梅酢漬は、梅酢だけだと塩辛かったので、砂糖を足して、梅感を残したかったので梅シロップを入れた。味見の段階では、いいと思ったが、大根自体を味見すると甘ったるい感じになってしまっていた。漬かった後、大根を味見してそのあと何か修正するべきだった。
お弁当箱の配置とスペースを考え盛り付ける量を決めることが難しかった。土佐酢和は細切りでボリュームが出にくいこともあってか、ふわっと盛るようにアドバイスを頂いたのて、意識して行った。
だし巻きを切り分けるときに、同じ長さにできないものがあったので、練習していきたい。

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(大人の島留学向け仕出し弁当 2021/6/28)